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GRDと旅に出る。

今年に入ってから富士山を愛でる機会がとても多い。そして来るたびに必ず写真を撮る。  

スマホでの撮影ではあるが。

仕事で顔を合わす地元の方々には来る度にそんだけ眺めててよくもまぁ飽きないもんだなと毎回笑われる(笑)

今年の正月、富士宮からのマウントフジ

思えばもう何十年もちゃんとカメラ使って写真撮ってない...。

撮るを撮られる私

何でも気軽にスマホで撮る事に慣れて幾久しいわけだが、なんだか急に、どうしてもカメラで写真を撮りたくて仕方なくなってしまった私。とは言うものの私は特別カメラに詳しい訳では無く、若い頃一眼レフのフィルムカメラやトイカメラをかじって楽しんでいた程度の人。

使いこなせる技量も知識も乏しい。

20代半ばまでは友人数人と神社仏閣などを訪ねてモノクロフィルムで撮影する事にハマッていて、カメラ屋さんにフィルムの現像をお願いして、写真が出来上がったらまた集まって写真自慢会をするのが楽しみのひとつだった。

現像して出来上がった写真がどんな出来映えかを楽しみに待つという時間も込みで【撮影という行為】を楽しんでいたのだ。

この数十年、あえて時間をかける事や待つ楽しみを持つ機会ってのが本当に減ったなぁと思う。

いろんなモノ・コトが進化してきた事によって、日常生活の中で時間をかけなきゃ出来ない事は少なくなって来た訳だし、それが当たり前になったが故に、

【待ってられなくなってしまった】
一手間かけてあえて時間をかける事を選択しなくなったというべきか。

もちろん便利さという意味では革新や進化の恩恵は受けまくって来た訳ではあるんだが、かたや何処か味気無さを感じていたりじぶん自身の能力や感覚が退化しているようにも思えていたりする。

便利になればなるほど動かなくても考えなくても良い機会は増えて、それが当たり前に習慣化してくる事でどんどん感覚は鈍くなっている気がしてならない。

何かに迫られるが如くとにかくカメラのシャッターを切りたくてうずうずし始めた私は、出張から帰るやいなやこんなものを引っ張り出すに至った。

RICOH GR DIGITAL 

2005年に発売された初代GRD。

いわゆるコンデジってやつだ。
当時は感じてなかったけどあらためて今このフォルムを見ると、何処となく古めかしい雰囲気もあるシンプルなデザインにグッとくるものがある。

これならカメラで撮りたいというこの欲求も適度に満たす事が出来るし、気軽に持ち歩けて撮りたいなと思った瞬間に手軽にシャッターを切れる。

私近影

って事でさっそく撮ってみる。


もはやシャッターボタンを押すという所作自体に新鮮な感覚すら覚えるほどだ。

忘れていたこの感覚。

今この場で目で見て感じてる何かがそのまま切り取れてる感じさえしてくるではないか。

特別あたらしいものを見てる訳でもないのに、画質の良い画像に長らく見慣れて来たせいなのかこの画像の質感がたまらなく新鮮だ。

あえて何処かに出掛けて何かを撮りに行くというよりは、日常の中の一瞬に何かを感じてシャッターを切りたくなってくる。

そうそう、また最近はこんなのもあるんだな、

ANKER2in1カードリーダー
こんな感じでスマホに取り込むだけ

まぁひと手間工程は増えるけど、撮ったものもこんな感じでスマホにスピーディに共有も出来るからSNSにも簡単に載せられる(こういうとこは便利さにあやかる笑)


気付けばここ数十年ゆっくり立ち止まる事もなく、仕事の事ばっかの日常を過ごして来た。それはじぶん自身気付いてはいたものの、ただただその日常にどっぷりと浸かり切っていた。

富士はそんな自分に『ちょっと立ち止まってゆっくりこの瞬間を味わって見たらどうだ?』という無言の投げかけをくれたのかもしれない。

だから何でもかんでも撮ろうではなく、日常の中にある残しておきたいと感じれるものを探しながら、カメラを楽しむ事でじっくりこの瞬間瞬間を切り取りながら残る日々を味わっていきたいと強く思ったのであった。

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