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晩秋

 汗ばむ日があっても落ち葉の季節。気温は高くても風は冷たい。そろそろ晩秋。
 いつも通りの秋ではないのは、きっと毎年のこと。「いつも通り」ということは季節の移り変わりには当てはまらないと思っていた方がいいのだろう。
 
 今年の秋は慌ただしかった。遠出をするという物理的な忙しさもあったが、心がとてもざわざわと慌ただしかった。今もまだ終わったわけではない。
一つ一つ切り替えながら、こなしながら、まあなんとか過ぎてきているという感じだ。

 なぜ心が慌ただしいのかと言えば、それはかつて私が経験したことに由来する精神的な特徴に依るものが大きい。
一般的になった言葉で表せば、「フラッシュバック」というものになる。実際には一つの言葉だけで表せられる様な単純なものではない。まあだから慌ただしいのだ。
 季節の移り変わりに伴うように、心のざわつきも変わっている。
これは多分「走馬灯のように」という形容があてはまるのかもしれない。

木の葉が風で舞い落ちる晩秋。
落ち葉を落ち葉として放置せずに、体よく整然とまとめる様な心の作業を繰り返す事は必要なことなのだろう。