
異次元その73◉読ませて討ち取る
国士無双は露骨になりやすい役である。
ひっそりとやれる時はかなり限られている、通常はどうしてもバレてしまう。
ならば、バレた上での罠を仕掛けてみればいい。
つまり
12や79とあるのに第1打に2や7を選択する。ということ。
これは1や9が本命だと誤読みさせるための罠だ。
国士無双は序盤ではチャンタやホンイツの目も見つつ進める手役である。
ということは1巡目や2巡目に捨てた牌の外側端牌はその時点では持って無い可能性が高い牌と読める。
配牌で13種類中9種類くらいもうあるから始めることを考えればまだ持ってない4種のうちひとつが予想がつくということはかなり有益な情報となる。
その情報に嘘を混入する。
例えば1巡目が二切りという国士がいる時一一二三七八九九のどちらかで勝負しなくてはならないテンパイをしたら九を切るべきである。
その読みを逆手に取って当たり牌じゃない部分を危険牌と見せれば、必然的に当たり牌の部分が押し出される可能性が高まるという寸法だ。
この際気を付けるべき事がある。それは、面子手だという可能性がある切りは絶対にしてはならないという事。
面子手だと思われてしまうと1巡目の外側端牌が安全度の高い牌だと思われてしまう。それではこの計画が台無しなのである。
罠を仕掛けたら徹底的に。あえてバラしてこその罠なのだ。
中途半端なことをすると全てが駄目になる。
細かいことだが、もし役立てば役満がアガれる可能性が高まるのである。ひとつの手段として知っておいて損はないだろう。
また別のケースでこんなのもある。
赤555④④二三赤五六七(南南南ポン) 南1局 南家 6巡目 ドラ七
捨て牌にあるピンズはたまたまダブ南をポンした時に切った②1枚だけだった。
ダブ南赤赤ドラの満貫一-四待ちである。
ここで下家が④を切った。
これはポンして赤5を切ろう。
他家は赤5④④⑥⑦⑧⑨のような赤のくっつきかホンイツかの2択で(今ホンイツにしたのだろう。ピンズと字牌は切れないな)と考える。そして一-四は完全に死角となるのだ。
この手をポンせずそのまま進めて行くと他家は一-四は普通にある待ちだと考えるし そもそもダブ南ポンだけではどんな手か予想もつかない。
だが、赤が捨てられれば話は別。赤を切るという行為は珍しいケースであるがゆえに相手の手の内がかなり限定され予想が可能になる。
その事を意識して相手の読みの死角となる待ちに取るのも1つの技だ。
偶然出てくるのを待つのではなく読ませて討ち取る!アガリを必然のものへと近付けることこそ努力であり技術である。
魔神の父から一言
☆☆☆☆☆(☆5)
「最初の一二巡目に2・3・7・8が切れている場合の1or9は国士無双の当たり牌になる可能性が高い」というセオリーは,私も一応知ってはいました。
ただし実戦で意識することはほとんど有りませんでした。それは国士無双がめったに聴牌らないことに加え,1or9が当たり牌になるのは,結局13分の1じゃないかという思いがあったからなのです。
が,が,が,あれれ?!,9種から国士無双を狙っていたとしたら,有効牌は4種,とすると4分の1?!すでにこの時点で大きな過ちをしておりました。
さてこんな私と同レベルの雀士は多いと思いますが,中にはちゃんと1or9の危険性を認識している上級者も間違いなく居ります。この項のセオリーは,そうした雀士を狙い撃ちにするという小気味よさがありますね。これぞ狂雀士流です。
しかしそれより何より舌を巻いたのは,ダブ南ポンの例。④をポンして赤5を切るなんて技は,私には3回生まれ変わっても一回もできないでしょう。これはいつか,全体牌符付きで解説してもらいたいものです。
いいなと思ったら応援しよう!
