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異次元その30◉フリテンを消すフリテン

四五六七②③④⑤⑥22(888)ポン

親番でドラ8
6巡目に西家からリーチを受けた一発目の切り番だ。
安全牌はなく、①は第1打でフリテンしてる。
シンプルにフリテンの親満テンパイに取るか?それも良い。
だが、もっと面白い1打がある。
私はここから③切り。

このルールには赤は③に2枚だけしか入っておらず、常に危険な牌として③は認識されている。
それをドラポンしている親がリーチに一発で切ったらどうなるか。

その③はとてつもない威光を放ち。『まずいな、ドラポンしてる親もテンパイか。最新型の現物しか安心して切れなくなったぞ。』という考えになる。

すると上家から③が出る。
これをチー。

四五六⑤⑥22(②③④)チー(888)ポン

このテンパイにしフリテンを消して西家から⑦でアガれたのである。

もちろん、②切りでも悪くないと思ったが、どうせなら最も怖い所を切る方が効果的だと思った。
放銃してしまったらそれまでだけど、放銃の覚悟を持たずして人は騙せない。

ノーリスクな手順では何の罠も作れないのである。


魔神の父から一言
☆☆☆☆★(☆4)

 
 「あぶれもん」で,五郎が①を切っていて②③④⑤⑥のフリテン聴牌をしているところ,上家が②を打ったのでそれをチーして②を切る(現物食いかえありのルール)という場面がありました。
その後主人公は,その前に通っていた⑦を切ってロンされるのですが,まあ当時としては斬新な数理ネタでした。
 しかしこの項では,そのフリテン解消を意識的戦略的に行うのです。そのための③打ち。確かにこの状況では,降りている他家は③以外きれなくなってしまうでしょう。まさに思い通りです。
ただしこの場面に至るまでには二つの高いハードルがあります。一つはこういう手順があるということを知ること。もう一つは,③勝負を思い切れるかということです。
 特に③勝負は,たとえそれが通ったとしても,上家が③を切って初めてフリテン解消の聴牌という高リスクです。従って私を含めほとんどの雀士は選択肢に入れないでしょう。
しかしリターンの大きさが見えている狂雀士さんにとっては,必然の一打になるというわけですね。

※この項の題「フリテンを消すフリテン」はちょっと分かりにくいと思います。「フリテン解消のための一打」とか「強引なフリテン解消」とかはどうでしょうか。

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