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異次元その72◉忍の1打

3巡目に23578北とあるとし、まあ、普通のピンフ手のイーシャンテンだとする。

一二三五六七④④23578北

こんな感じの。

ここで5は不要である。
なので切り飛ばして安全性の高い北を抱えて行く。そう考える打ち手が殆どだと思うが、私はここから北を切る。
これが忍の1打。
まだ3巡目。5を切るのは目立ち過ぎる。
こんな早さでド真ん中切ったら本命は1-4か6-9ですよと言ったようなもんだ。
なのでテンパイするまで5は引っ張る。
4か6を引いてテンパイ出来れば5は切らずに吸収できるのだ。本命がバレるような手順は回避していく。
可能な限りひっそりと。
ヒントは与えない方針で。
せっかく1や9といった本来出やすい待ちで待てるイーシャンテンなのだ。止められる原因を自ら作ってはいけない。
北を手放して、瞬間的な安全度を下げてでも23578の形をキープしてヒントの少ないテンパイを組むことでアガリ率を高め、ビタ止められを回避し、結果としてこちらの手順の方が安全ということにもなり得るのである。

魔神の父から一言
☆☆☆☆★(☆4)

ずいぶん前のことですが,近代麻雀のコラムで山崎一夫さんが, 23578の形から4を引き,「これで5を見せなくても良くなった」とつぶやいておられました。
これを読んだ私は,そこまでこだわることなのかと疑問に思ったものです。でもこれはまさに時代の先取りでしたね。
この項では更に,5が最初に切られている場合より聴牌時に切られる方が,1・4,6・9の危険度が低くなると指摘しています。
これは私が麻雀を覚えた頃には,逆立ちしても存在しなかった新セオリーです。誰が言い始めたんでしょうか,最近ではあちこちで聞かれます。「鉄鳴きの麒麟児」では序盤に七を切って三・六待ちの猿田に店長がこう言います。
「七をぎりぎりまで引っ張られていたら待ちは七のまたぎに見え,私も三でとっくに振り込んでいたかもしれん。そういうところがまだぬるいんだ猿田。その七はおまえを映す鏡だ。テメエのミライを見つめることをサボってきたツケだぜ。」
まあたいへんな言われようです。でもこの項での5や猿田の手で七を最後まで持っておくのは,随分勇気が必要ですね。私は最も苦手です。
と言っていたらこの間二切りでリーチしてきた人に,かなりな自信をもって三を切るとロンの声。何とその人は二・四・五からの二切り。つまり三・六待ちだと思わせないためだけに二をぎりぎりまで抱えていたのです。
うーん時代は変わったと思わせられました。

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