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異次元その63◉上家の門前崩し

南1局に好配牌が来た。

三四五五六②②②④56東南

ドラは七で私は南家だ。持ち点的にも、点差や状況からも、この手は門前でリーチする所まで持っていきたい。

第1ツモは西

これはツモ切り
可能な限り早く下家の風から切る。
そうすると下家が鳴ける可能性が低いからだ。
絞るつもりなら永遠に出さなくていいが、今回はアガるつもりでやっている。ならいつか出す予定の西は最速の巡目で捨てておくのが良い。
そして次巡に捨てるのは南!
確かにダブ南だが今回は不用。
タンヤオにするつもりだし鳴く予定もないなら南は高確率で不要牌だ。
だが、自風を先に捨てて東を取っておくのはどういう意図かと不思議に思うかもしれない。
この東残しこそが技術。

上家の風を可能な限り引っ張ってから捨てる事で上家の門前を崩しにかかれ。という戦略だ。

役牌というのは鳴くまでに条件がある。
そもそも重ねてないといけない。
それだけでなく打点もそこそこないと鳴く気になりにくい。
手もある程度未来の展望が可能な形でないと行動しにくい。

要するに巡目が進んでからでなければ鳴きにくい。

だからこそ上家の風をなるべく後で捨ててやり、鳴けるようにしてやるのだ。

上家が鳴けば次のツモ番が来るのが早まる。
ツモ番が飛ばされた者はツモ番が少しだけ遅くなる。
その一瞬の差が勝敗を左右することがあるのが麻雀だ。
小さな技術の積み重ねの差が大きな結果の違いを生む。小事は大事とは麻雀のためにある言葉ではなかろうか。

麻雀は下家に鳴かせず上家に鳴かせるゲームである。
にもかかわらず上家に点数を持たれると絞られることになるので上家にはアガらせてはならないゲームとも言える。

この矛盾する二つの攻略法をうまくバランスをとりながらコントロールすること。


魔神の父から一言
☆☆☆☆★(☆4)

 これも凄いセオリーですね。手が良い時に上家の風を取っておく。そしていざという時に鳴かせる。「麻雀は下家に鳴かせず上家に鳴かせるゲーム」とはよく言ったものです。
狂雀士さんの豊富な経験と注意力がこうした名言を生むのですね。
 ここではもう一つ「上家に点数を持たせると絞られることになるので上家にはアガらせてはならない」というセオリーも出てきます。
私はこれにもびっくりしました。これまでこんなことに触れた戦術書ってあるんでしょうか。
 ただ問題なのはこの「矛盾する二つの戦略」の中で,「上家に鳴かせる」ことのメリットが,ツモが増えるというだけ(もちろんこれも大切ですが)しか触れていないのはどうなのでしょうか。
テーマが「上家の面前崩し」なので,面前崩しのメリットの解説が出てきそうな気がしていたのですが。

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