異次元その24◉先制リーチ不利理論
これまでどの戦術書でもほぼ必ず先制リーチはいいものだと言い切っていた。
私の周りの人たちも口を揃えて先制リーチ有利と言う。
まるで、天が動いているんだ当たり前だろと言わんばかりである。さっさとリーチしろと。
であるなら私はコペルニクス。
誰にも賛同されずとも地動説を唱えたい。
つまり、結論から言えば先手必勝は誤りである。もちろん、全てがそうではないし先手有利なケースも多数ある、特に親番は先制リーチが優位である場合が多いが、それとて全てではない。
先制リーチは言うほど良いものではないと言うのが私の見解だ。
まず、単純に考えて先にリーチをすると言うことは少ない材料で組み立てたということ。
後手は後手になればなっただけ多くの材料を使って戦へ赴くわけである。どちらの手が勝利しやすいか、強い手になったかは確率的に見て後手の方に決まっている。
また、先手は自分の捨て牌しか罠に使えないが、後手は先手の捨て牌と自分の捨て牌の両方を使ってアガリやすい手を組み立てることが可能である。逆に先手は後手からリーチがされることで迷彩が無意味にされることもしばしばあるのでこういった面でも後から攻め返す側の方が勝利しやすいということになりがちである。
さらに加えて、後手はそもそも先制リーチが入っていることを知った上で対決を挑んでいるのだから基本的に勝算が高い手で対決しているに決まっている。先制親リーチに挑む場合などは特にそうだ。警戒すべきは先制親リーチより追いかけてきた子のリーチの方ということも多く見受けられる。
勝ち目の薄い対決を親に対して挑むということも普通するはずがないのだから当たり前だ。
であるのに何故これ程までに先制リーチが推されるのか。
それは圧力をかけたいというような強気の理由から?本当にそうだろうか。
先制リーチをかけても降りる理由には足らないことくらいもはや経験でわかっているはずだ。なぜなら、リーチが入っても手牌との兼ね合いで降り切れないと判断したら押してアガリに向かう方がむしろ失点を防げるなんてケースは腐るほどあるからだ。
親番ならリーチで機先を制するという戦略が有効なケースも多くあるだろうが子の先制リーチはそういった効果を期待するつもりならほとんど無意味。
リーチなんて毎局のように誰かしらするのだからそれが親からじゃないだけ気が楽まである。
先制リーチの理由は解放欲求。
もう、疲れるからリーチってね。
リーチしてしまえばあとは何も思考する必要がない休憩時間だ。休みたいという欲求から最高形を待たずにリーチしているということ。そんなリーチが強いはずもない。
さらに加えもう1つ。
これこそが先制リーチの理由として最も大きい理由。それは、抽選欲求。
つまり裏ドラが見たいというとてつもなく単純な欲だ。これが理由として圧倒的でありそれ以外の理由はついでとか言い訳の類のものと言っても過言ではない。
あとは打点上昇という理由や、出アガリ可能化という理由があるが、それ以外に多くの欲や言い訳が先制リーチの理由としてあげられるのもまた事実である。
少なくとも何の工夫もない河はほぼ欲が理由でリーチしている。
もちろん、欲かいてるんだから我慢して溜めてる人が押し返してきたら不利になりがちなのは当然だ。
それでもいいからリーチしたい。だからする。それだけなのだ。
場を操り、展開を作り、状況を味方につけて勝つためには欲は毒。
たしかに、時にはリスクも取って毒をも飲み込み運を味方につけ大勝というのもよいだろう。
だが、断言する。ゲームそのものを勝ちたいなら先制リーチは有利ではないケースが多数ある!と。
言い方を変えれば少し納得するかも知れない。例えば
追いかけリーチ有利理論。とか。
これなら少し納得いくのではないか。
そもそも後攻が有利なゲームなどいくらでもある。なぜ、麻雀がそれに当てはまるのではないか、という考えを持つ人がこんなにも少ないのか不思議でならない。
リーチをかける場合は後攻有利なゲームではあるがリーチそのもののメリットがあまりにも大きいものだから、その瞬間のチャンスや目の前の欲望に負けてリーチしてしまうだけということになぜ気付けないのか。
先制リーチとは先のわからない道を行くギャンブルだ。言わばファーストペンギン。
わざわざ先頭を行き私が矢面に立とうと言うようなものである。
せいぜいシャチやオットセイに食われないように気をつけることだ。
魔神の父から一言
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