コンビニ人間
私は「普通」だから、恵子の気持ちはこれっぽっちも理解出来ない。でも、「普通」であることに嫌気がさすことは数え切れない程ある。「普通」が嫌になるなんて、なんて贅沢な悩みなんだ!縄文時代から〜〜って白羽さんに怒られるだろうか。
私にとっての「普通」は、誰かにとって普通ではないのかも知れないけど、誰かにとっての「普通」も私にとって普通ではないだろう。そんな当たり前を知っているはずなのに、恵子がいざ目の前に現れるときっと私は思うんだろう、「その歳でアルバイト?」「就職も結婚もしてないのっておかしくない?」そしてやっぱり、飲み会には誘わないかな。
でも、「働く」ことが社会に認められている気がする、社会の一部になっている気がする、と言う気持ちは少なからず分かる人は多いのではないだろうか。実際、日本は働きすぎって言われているし、働かなくてもいいって言われても働く人が多いだろうから。
個人的には、恵子の子ども時代に鳥が死んでいて、「食べよう、お父さんが焼き鳥が好きで、私と妹は唐揚げが好きだから」と言うところに、考え方は異様ではあるけれど、家族への愛を感じられたから恵子も人間なのだと感じた。
観点はずれるけれど、この本を読み終わってからコンビニに行くと、だるそーにしてるアルバイトとチャキチャキ動くパートさんに別れていることが気になるようになったなあ