オタ活まとめ:2022年冬クール
ホラーブームが小説方面で再燃してしまい、3月はアホみたいに読書してました。三津田信三とか、澤村伊智とか、いい作家のいい作品との出会いがたくさんあって楽しかったです。ホラーは本当に魅力的なジャンルなので、周りにも好きな人増えてほしいですね。とりあえずこの冬クールに読んだ作品の中からオススメを挙げるなら、Anotherかぼぎわんかなぁ。サイコホラーだと黒い家、変わり種だと天使の囀りとか。異端の祝祭も面白いです。
アニメ(ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン/新世界より/Another/明日ちゃんのセーラー服/ハコヅメ/Fate/Apocrypha/遊☆戯☆王SEVENS/天才王子の赤字国家再生術/鬼滅の刃 遊郭編/BEATLESS/東京24区)
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン
厳密にはネトフリ配信が始まって速攻で見たので、2021年オタ活まとめに書くべきだったんですが、あまりに短期間で見たので忘れてました。オープニング映像とストーリーに見応えがあるし、ファイルーズあいはじめ声優の演技はいい味出してんなと思います。わりと原作好きなんですが、正直原作より面白い気がする。気が早いけど7部が待ち遠しいなぁ。
新世界より
何年も前から友人に勧められていたのですが、ちょっとホラー色があるとのことだったので見てみました。結果、ストーリーがめちゃくちゃよくてすごく心に残る作品になりました。作画はもうちょっと頑張って欲しかったけど…。何言っても本質的なネタバレになるのであんまり言えないのですが、個人的に好きなキャラクターは渡辺早季とスクィーラ。
Another
原作小説を読んだら最の高だったので見て、よかったのでブルーレイ買っちゃいました。制作P.A.WORKS、監督水島努っていう座組も素晴らしいんですが、やっぱり一番素晴らしかったのはキャラクター原案にいとうのいぢを起用したことなんじゃないかなと思います。この時期のP.A.WORKSの絵柄、とくに石井百合子の絵柄の傾向にバッチリとハマっているし、細い体格や大きな目が可愛くもどこか怖くて、とくに見崎鳴のキャラクターデザインがすばらしい。
原作にはないアニオリ要素も個人的にはすごくいいなと思っています。水着回もそうですが、とくに終盤の展開。小説でやってしまうと安っぽく見えると思うのですが、アニメだといい感じに仕上がっています。赤沢さんの改変も原作の描写とはだいぶ違う美少女すぎるデザインや、終盤に明かされる過去エピソードがすべてハマっている。わけても過去エピソードはこれを挟むだけで劇的にキャラ愛が強まる挿話だし、トリックにも絡むのでうまいなぁと。
小説と同様、序盤は若干退屈なのですが、終盤の展開がそれを補ってあまりある面白さ。アリプロのOPやSE・サントラをはじめ音回りの演出も怖くてよかった。肝腎要である死者のトリックの仕掛けもちゃんと凝ってたし、個人的には大成功のメディアミックスなんじゃないかと思います。Another 2001もPA×水島努×いとうのいぢでアニメ化してくれ!頼む!
明日ちゃんのセーラー服
原作者の絵が凄まじく上手いので変な制作会社が作ったら見劣りしてしまうと思うんですが、さすがのCloverWorksという感じの半端ないクオリティでした。動きすぎて若干気持ち悪いところはありましたが…。個人的にはギター回がベストエピソード。あの話だけストーリーも演出もずば抜けてよかった気がする。最終回は「あれ?なんか前の話飛ばしちゃった?」って感じでした。
ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜
警察ってどんな仕事してんだろという純粋な興味から見始めたのですが、ゆるい雰囲気や、人情味がありつつも適度にドライな作風がツボに入り、ぬるっと全話完走。作画も安定していたし、若山詩音と石川由依という好きな声優2人がメインキャラを演じていたのもよかったです。こういうアニメっぽくないアニメはもっと増えていい気がする。福島潤演じる不良とその母ちゃんの話が好きでした。
Fate/Apocrypha
ストーリーはそこまで刺さらなかったのですが、キャラが結構良くて、とにかくジャンヌ、モードレッド、アストルフォが可愛すぎるのと、セミラミスやカルナがとてもいいキャラでした。モードレッドと獅子劫や、天草四郎とセミラミスの関係性もよい。ベストエピソードはジャック戦と、ケイローンvsアキレウス、ジークvsカルナ、ジークvs天草四郎あたり?
遊☆戯☆王SEVENS
4月から新作放送と告知されたときには2年で終わるの!? と衝撃を受け(遊戯王シリーズは基本的に1作品につき3年間放送するため)、悲しい気持ちになりましたが、短い話数でほとんどのキャラになんども見せ場を作ってくれたし、最終回もまとまっていたのでいい作品でした。冬クールでやってたデュエルの王編ではロアの回とロミンの回がお気に入りでしたね。個人的にはもう少し七星ナナホの活躍を見たく、掘り下げ方によってはかなりポテンシャルがありそうな個人的な期待の新キャラだったのですが、やっぱり安立ミミやタイアサほどには好きになりきらなかった。回収されなかった一部伏線や謎については次作で明かされることを期待しています。ゴーラッシュ!!
鬼滅の刃 遊郭編
序盤は普通のテンションで見ていたんですが、上弦の陸の設定が開示されてからはすごくよかったです。映像がすごすぎるし、最後の兄妹のシーンも心にくるものがありました。もっと面白いストーリーや凝ったストーリーのアニメってほかにいっぱいあると思うけど、鬼滅の魅力ってそこじゃないんだよなと再認識。
BEATLESS
いやー…最高(語彙)。とにかく何を措いても言いたいのは、レイシアというキャラクターを発明した長谷敏司は偉すぎるということ。作画がしょぼいという欠点はありますが、とにかくレイシア(と東山奈央の演技)がめちゃくちゃいいのでそれだけで見る価値があるアニメです。SF的な想像力で作り出された至上のファム・ファタールとでも言えばいいのか…終盤には完全にアナログハックされていました。
また物語としては人間の少年とアンドロイドの少女のボーイ・ミーツ・ガールとして楽しむ視点と、人間の知性を超えたAIが人間の心を操って自分が欲しい未来を手繰り寄せる話として楽しむ視点があると思うのですが、どっちの見方でも楽しめるし、どちらかに絞り込んで解釈していくと、もう片方の視点で見たときとは全然違う話に見えてくるのが最大の魅力かなと思いました。初回の視聴も単純にめちゃくちゃ面白いのですが、各所に「ここってもしかしてこういうことか?」みたいな深読みの余地があるので、そういう意味で見返して楽しむこともできるかもしれない。とりあえず映像で詳しく語られなかった設定やキャラの心理を知るために原作小説に手を出しました。
東京24区
一話は2022年冬アニメの1話の中で一番面白かったと思います。そしてそのあともいいエピソードはいくつかあったのですが、最終話はそこまで刺さらなかったかな…。「安全か自由か」とか「数ある可能性の中から何かを選んで成熟することの是非」とか、テーマはハッキリしていてわかりやすかったし、そのテーマ的な二項対立をキャラや組織に綺麗に落とし込んでもいたと思うのですが、キャラの言ってることややってることに対してそこまで感情が動かなかった感じがあります。個人的に好きなキャラはクナイ。
映画(劇場版 呪術廻戦 0/スパイダーマン/スパイダーマン2/スパイダーマン3/アメイジング・スパイダーマン1/アメイジング・スパイダーマン2/スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム/ハリー・ポッターと賢者の石/ハリー・ポッターと秘密の部屋/ハリー・ポッターとアズカバンの囚人/ハリー・ポッターと炎のゴブレット/ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団/ハリー・ポッターと謎のプリンス/銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章/来る)
劇場版 呪術廻戦 0
これ厳密には去年観た映画なんですが、2021年オタ活まとめに書き忘れていました。まず言えることは、戦闘作画がすごい!ということ。呪術廻戦の魅力である肉弾戦の描写にしっかり力が入っていて大変見応えがありました。その次によかったのは台詞劇。原作をしばらく読み返していなかったため、芥見下々的な掛け合いが久しぶりで、その良さを再確認しました。アニオリのシーンも補完的で全体的にすごくバランスがよくクオリティが高い作品。ただ贅沢を言うと期待していたものは見られたけど、期待していた以上のものは見られなかったなという気もします。ああいう原作をもとにMAPPAが作ったらこれくらいハイクオリティなものはできるだろうなと。良くも悪くも自分の中のハードルが上がっちゃっていたかもしれないですね。
スパイダーマン
スパイダーマンNWHの予習に。ずっと前に見ていたはずなのですが、やっぱり大まかな展開以外は忘れていました。あれだけ話題になった作品なので当たり前なのかもしれないですが、やっぱり脚本がすごくいい。オリジンストーリーも説得的だし、印象に残るセリフもいっぱいありました。「大いなる力には大いなる責任は伴う」は本当にこのシリーズを象徴する素晴らしい言葉であり、同時に呪いの言葉でもあるなと思いました。
スパイダーマン2
スパイダーマンNWHの予習その2。前作のグリーンゴブリンもそうですが、敵の設定がとにかくいいですね。もとの人格には善良なところもあったけど、そこにいろんな人生の苦悩や個人の強い思いと科学技術の作用が絡んでヴィランになってしまう……という流れが説得的に語られている。今回のドック・オクも単なる悪役というだけでなく、個人的にすごく好きになれたキャラクターでした。
スパイダーマン3
スパイダーマンNWHの予習その3。1、2と比べると全体的に話にメリハリがない気がするというか、ピーター・パーカーの内面の葛藤にフォーカスが当たりすぎている気がします。あとMJがちょっとかわいそうなくらい脚本に動かされて情緒不安定になっちゃってますよね……。
アメイジング・スパイダーマン1
スパイダーマンNWHの予習その4。トビー・マグワイア版との違いを色々見比べながら見るのが新鮮で面白かったですね。いくつかのバージョンを比べる楽しみみたいなのをスパイダーマンとAnotherで再発見できたのがこの2022年冬クールの一番の収穫だったかもしれません。最初はなんかアンドリュー・ガーフィールドのピーター・パーカーは調子に乗ってる感じが強すぎて、前作のピーター・パーカーの方が好きだなという気がしていたのですが、見ているうちにこれはこれでなんかいいなと思い始めました。またもう1つ前作との違いを挙げるならやっぱり映像技術の進歩。そのぶんバトルシーンに迫力があったと思います。ヒロインについても前作のMJはあんまり好きじゃなかったけど、グウェンは結構好き。まぁゼンデイヤのMJが不動の1位は変わらんのですけどね…(キモオタ並みの感想)
アメイジング・スパイダーマン2
スパイダーマンNWHの予習その5。うーん、なんかグダッてね? 何がそう思わせるのかわからないのですが、敵が複数体いるのがよくないのかな。前作の3でも思ったことですが。グリーンゴブリンにしても、明らかに前作の方がパーカーとの関係性描写がしっかりしていたのでその分グッときたし…。終盤のグウェンのシーンがつらすぎて見終わったあと若干放心状態でした。
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
予習の甲斐あってだいたいのネタについていけたので、これまでの映画見といて本当によかったなと思いました。またその知識を踏まえて思ったのは、今回のMCU版スパイダーマンは良くも悪くもこれまでのシリーズへの原点回帰をしている作品であり、貧乏で悲劇的なあのスパイダーマンの物語に戻ったということ。「いやインフィニティ・ウォーで一度消えたり、エンド・ゲームで慕っていたアイアンマンが帰らぬ人となってしまったり、色々重い展開はあっただろ」と思う方もいるかもしれませんが、MCUのメインストリームの物語はともかく、独立した作品としてのMCU版スパイダーマンはそれまで比較的明るいスパイダーマンだったと思うんですよね。その雰囲気が好きだったというのに加えて、直前に予習した最初のスパイダーマンとアメスパのピーター・パーカーがあまりに気の毒だったこともあって、今作の展開では「結局どの時空でもピーター・パーカーはこういう目にあっちゃうんだな」と悲しい気持ちになりました。とはいえ、ほんっとうの本音をいえば…正直これはこれでめっちゃ面白いんですよね。それに僕みたいなライトファンから見てもスタッフのスパイダーマン愛が伝わってくる内容で、これは長年追ってきたファンからすれば、すごく印象深い作品だったんじゃないかなと思います。というわけで結論としてはMCUの中でもトップクラスにいい作品でした。
ハリー・ポッターと賢者の石
なんか急にダークファンタジーが見たくなり有識者の友人と見ました(ダークファンタジーなのか?)。子供の頃に何回か見たけど、この歳になって改めて見ると世界観が魅力的だし話としてもすごく面白いしすごい(こなみかん)。若き日の小野賢章の声を聞きたくて吹き替えで見ました。
ハリー・ポッターと秘密の部屋
そういやトム・リドルって吹き替え版だと石田彰だったな……。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
子供の頃に見ていたのはこのアズカバンの囚人までだったんですが、3作品の中だと一番好きだったりします。吸魂鬼やシリウスのおかげでダークな雰囲気があるし、エクスペクト・パトローナムが必殺技っぽくてかっこいいし、タイムリープ展開が楽しい。
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
ここからは初視聴。いや、ハリー・ポッター超面白いですね…。こういうのが見たかった。
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
この辺から原作の分量が増えてくるわりに映画の尺はほぼ変わらないということで、凝縮感が否めず、有識者の友人にいろいろ解説してもらいつつ見てました。
ハリー・ポッターと謎のプリンス
謎のプリンスっておまえかーい。そしてダンブルドア…。マルフォイのキャラも掘り下げられてきていい感じですね。このあとなぜか死の秘宝から全然見なくなっちゃうのですが、春クール中に見ます。ファンタビ新作もやってることだし。
銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章
まだ助走段階の話という感じでしたが、久々に見ると濃厚で面白かったです。ラインハルトのお見舞いに行くつもりで見にいったら、普通にミッターマイヤーが好きになりました。
来る
原作小説を読んだのでせっかくならこっちもと思って見てみました。何箇所か設定や展開の改変があったためぼぎわんの正体が変わったりしていましたが、映画向きに作り直されたいい改変だなと思いました。個人的には原作の方がミステリー的な仕掛けも巧みだし、怖さもあって好きなんですが、こっちはこっちで原作のよさを失わない程度に自分たちがやりたいことをやっている感じで面白かったです。特に終盤のよくわかんない霊能力者とかが集まって大々的な儀式を始めるくだりはいい意味で頭が悪くて楽しいし、映像という媒体の強みを活かした良改変だったなと。ただひとつ個人的に気になったシーンが一箇所あって、それは田原秀樹の少年時代の、ぼぎわんが家に訪ねてくるシーンの演出。原作だと最初、田原少年は普通の人が訪ねてきたと思って返事をしてしまい、徐々にそれが人間じゃないと気づいていくんですが、映画だと最初から怪異だとわかるように演出されているんですよね。個人的には最初人間だと思っていたものが得体の知れないものだとわかっていくところにこそあのシーンの醍醐味というか不気味さがあると思っているので、ここは原作の味を活かしてほしかったです。
漫画(ダンダダン/Another/アルバの少年と地獄の女王/タコピーの原罪/GHOST GIRL)
ダンダダン
そういやこれも一応は妖怪ものだったなと思い出し、最新巻まで追いつきました。やっぱり安定して面白いのと、綾瀬桃が可愛い(浅い感想)。
Another
Another 2001も読みたくなったので、その前に手頃な視聴手段がない実写映画以外は一通り触れておきたいと思い、読みました。アニメよりもアレンジが少なめでしたが、やっぱりこちらでも赤沢さんは愛されていますね。確かに原作小説をもとにオリジナリティを出そうという観点からいくと、一番改変の余地がありそうな魅力的なキャラなんだろうな。個人的には前日譚がすごくよかったのですがネタバレになるので感想は割愛。あと見崎鳴のハイネック姿が◎でした。
アルバの少年と地獄の女王
絵がうまいのとおねショタのおねのバリエーションが豊富かつ個人的に刺さるので、実は1巻発売時から読んでいる作品。しかしこういう2つの陣営の物語を行き来する系の作品は、どうしても相対的に片方に興味がないので、そっちのエピソードに移ってしまうとテンションが下がりますね…。謎が謎を呼ぶ感じの展開でいろいろ考察しながらページを繰るのは面白いんですが、今のところはわからないことが多すぎてフラストレーションが溜まるので、キャラ愛で読み進めるしかない感じもあります。今後どうなるか楽しみです。
タコピーの原罪
Twitterで流行っていたので読みました。面白いは面白いのですが、やっぱりこの話ちょっと難しいですよね…。タイムリープの時制など深く考えずに最終話を読んでしまったので感情が置いていかれてしまいました。キャラクターとしては高校生のしずかちゃんとまりなちゃんの関係性がすごくよくて、1ページぐらいしか描かれてないのに想像を掻き立てる未知の魅力があります。
マジレスっぽい感想を言うと、結構この作品が扱っている題材って重くて、現実に似たような境遇で大変な思いをしている当事者もいる話なので、受け止め方が難しいですね。笑える部分とかネタにできる部分はいっぱいあるんだけど、ちょくちょく自分のなけなしの良心が掣肘してくる瞬間がある。そういう意味ではSNSでのちょっと軽薄な流行り方にモヤったりしていました。
GHOST GIRL
遊戯王VRAINSにこういう名前のキャラがいますが彼女とは全然関係ないです。ロザバンの作者の新作で、クトゥルフ神話を絡めたゴシックな魔法少女ものといえばいいのか。キャラが凄むときの目の描き方とか、とにかく全般に絵柄が好きで最新巻まで読んでしまいました。この作品自体とはあんまり関係ないのですが、最近ジャンプにサブカルくさい作品が増えたせいで(チェンソーマンとか呪術廻戦とかタコピーとか)、こういう少年漫画っぽい少年漫画というか、オーソドックスに衒いなくストーリーテリングしている漫画を読むとちょっと古く感じますね。全然悪い意味ではなく、楽しませてはいただいているのですが…。
ゲーム(遊戯王 マスターデュエル)
遊戯王 マスターデュエル
リリースから2カ月くらいはこれで狂ったように遊んでいたのですが、さすがに睡眠時間削ってしまったり仕事中もデッキ構築のこと考えるようになってしまったあたりでこれはヤバイなと思い、以来ほとんど触れないようにしています。
小説(春にして君を離れ/玩具修理者/異端の祝祭/ぼぎわんが、来る/Another/予言の島/僕と先輩のマジカル・ライフ/黒い家/漆黒の慕情/六番目の小夜子/ひとりでいらっしゃい -七つの怪談-/殺意の時間割/天使の囀り/異形のものたち/Another エピソードS/禍家/ナキメサマ/祭火小夜の後悔/わざと忌み家を建てて棲む/ひとんち 澤村伊智短編集/天才王子の赤字国家再生術1 〜そうだ、売国しよう〜/迷い家/どこの家にも怖いものはいる/)
春にして君を離れ
クリスティ作品でも地味にファンが多いという作品。これにハマる人は栗本薫が巻末解説で語っているような心境になるんだろうなという感じです。僕もここまで酷くはないですが似た家庭環境に心当たりがあるので怖いなぁと思いながら読みました。
決して心地のいい話ではないのですが、そこはクリスティ、ぐいぐいと引きつけられてあっという間に最後まで読まされる。終わり方はちょっと悲しい。自分もこうなってないか省みたくなりましたね…。結局つらくても自分の間違いを認められる方が、他人から諦められるよりはいい生き方な気がする。
カズオ・イシグロの日の名残りや米澤穂信作品を思い出しました。
玩具修理者
クトゥルフ要素に気を取られてまんまと騙されてしまいました。シチュエーションはシンプルだけど読み応えがあって面白かったです。とにかく途中の描写が気持ち悪くて嫌悪感がすごかったし、終盤は背筋がゾクゾクしました。
異端の祝祭
やべーやつしか出てこない話。カルト宗教の描写とかイカれたキャラの語りとかをずっと読まされて、それがだんだんクセになってくる。決してずっと浸っていたいような世界観ではないのですが、没入感があってツボにハマりました。
ぼぎわんが、来る
前々から読みたいと思いつつもなかなか読めていなかった作品。文章が明晰でストーリーテリングが巧みだったのでぐいぐいと読まされてしまいました。こういうホラー小説を無限に読みたいですね…。途中から出てきた比嘉姉妹のキャラが立っててこいつらだけラノベのキャラみたいだなと思ってたら、この2人メインでシリーズ化されてたんですね。ほかのも読んでみたいと思います。
Another
スロースターターな作品なので滑り出しはふーんという感じで読んでいたんですが、話が進むにつれてどんどん面白くなってすごかった。設定もいいしキャラも魅力的だしちゃんと怖いし、こういうホラーミステリーをもっとくれ…!ってなりました。上下巻の長さなんて全く気にならないすさまじい面白さ。今年の個人的なベスト小説になる予感。
予言の島
かなり序盤の方でオチは読めてしまったのですが、それはそれとしてすごく楽しめました。純粋にホラーとしていいというよりは、呪いというテーマの掘り下げ方やメタホラーのような作り方が面白い作品。巻末解説まで仕掛けを施していて凝っていた。終わり方はちょっと悲しかったな…。
僕と先輩のマジカル・ライフ
子供の頃に本がボロボロになるまで読み返しまくった作品。シリーズ化してほしかったけどそうはならなかった。やたらとオカルトづいていたので読み直しました。
昔読んだときはとにかくはやみねかおるの描く変人が好きだったので長宗我部先輩が好きだったんですが、今読み直すと快人と春奈の関係性がすごくいい。
この作品の最大の欠点は短すぎることだと思います。あと2000ページくらいあってもよかったんじゃないかな。
黒い家
アニメ『新世界より』を観て面白かったのと、名作ホラーらしいと聞いていたので読むことに。「心霊ホラーじゃないのかぁ…」と思いながら読み始めたのですが、序盤の保険金犯罪のエピソードが面白くて惹きこまれ、気がついたら本筋に突入していてもう戻れなくなりました。でもこれホラーじゃなくてサスペンスなんじゃないかな…。超面白かったし、もはやジャンルとかどうでもいい気はしますが。
あと感覚的な話になるのですが、ホラー小説は作中で起こる現象を説明する理屈が何か一個あると世界観がかっちりしてくる気がしていて。この作品の場合もサイコパスが生まれる理由が生物学や化学を援用したそれらしい理屈で説明されているのが面白かったなと思います。
漆黒の慕情
異端の祝祭の登場人物が出てきたからシリーズもの…? 前作の方が圧倒的によかった気はするのですが、こちらはこちらで面白かったです。フーダニット要素があったのですが、序盤で立てた推測が的中したのでニッコリ。あの終わり方にはえぐられてしまいました。
六番目の小夜子
ネットでおすすめのホラー小説的な記事を読んだら名前が挙がってたので読んだのですが、これはホラー小説といえるほどホラーではないのでは…? どっちかというと後半は沙世子と秋の関係性が気になって読んでいた節がありました。ちょっと苦手なタイプの少女漫画風味が強かったので途中何度かウッとなったのと、なんかいろいろ回収されてなくてモヤっちゃったなぁ…。
『Another』はこの作品からインスピレーションを得て書かれているそうですが、たしかに雰囲気や設定が似ていました。
ひとりでいらっしゃい -七つの怪談-
子供の頃に読んでえらい怖かった記憶があったので読んだのですが、まぁさすがに大人になって読むと普通くらい。個人的には夜中に家を歩かされて栄養吸い取られてた話と、すでに死んでいたはずの友達と遊んだ話が怖かったかも。読み返していて無性に懐かしくなりました。
殺意の時間割
時間トリックが主題のミステリーアンソロジーですが、読んだのははやみねかおるの『天狗と宿題、幼なじみ』だけです。『僕と先輩のマジカル・ライフ』に登場する快人と春奈の小学生時代の話が読めるというのでワクワクして読み始めたのですが、実はすでに昔読んでいた物語だったらしく、途中から色々思い出しました。謎解きパートで幽霊が笑うくだりがちょっとだけ怖かった。
天使の囀り
たぶん語りたいところについて書くと全てが本質的なネタバレになってしまう作品。すごく面白かったし、快楽というものについて色々考えさせられました。貴志祐介の作品の魅力はやっぱりこういう知的な面白さとか、人間を物質やシステムや生物として眺めてみたときに生じるグロテスクの感覚にあるんだろうなと思います。
何件かのAmazonレビューに「二度と読みたくないほど怖かった」みたいなことが書かれていましたが、個人的にはそこまでではなかったかな。人によってはすごい怖い作品なんだと思うんですが、やっぱり僕は根本的に心霊ホラーの方が怖いと感じる人間なんだと思います。でも蜘蛛のくだりとか終盤の施設でのくだりとかは怖気を震いました。怖いというよりは嫌悪感ですが…。
異形のものたち
角川ホラー文庫に入っている短編集ですが、ブリッジしながら迫ってくる伽耶子のようなザ・バケモノは出てこず、幻想的という表現がぴったりな怪奇現象が綴られています。黒澤明の夢という映画を思い出しました。
個人的には緋色の窓という作品が好き。語り手が幽霊を目にするときの情景描写がノスタルジックかつ抒情的で、印象に残っています。
Another エピソードS
Another 2001につながるエピソードとのことで読みました。さすがにAnotherほど面白かったわけではないのですが、サクッと読めました。
禍家
初の三津田ホラー。序盤から中盤まで心霊現象の連続で、ここまで読んだホラー小説の中で一番怖かったです。でも終盤の展開が個人的にはあんまり怖くないものだったのでなんとか読み通せたという感じ。ネタバレ配慮であまり言えないのですが、心霊現象がメインのホラーではあっても、それだけに頼らないストーリーテリングがいいなと思いました。怖くて満足したのでほかの三津田作品も読んでいこうと決意。
ナキメサマ
帯にどんでん返しがあると書いてあったのでどんでん返しを想定して読んだら普通にほとんどの展開が読めてしまったので、帯にそれ書くのも考えものだなと思いました(べつにホラーにどんでん返し求めてないし…)。でも確かにこの作品の強みではあるからアピールしないわけにもいかないだろうし、編集者も頭悩ませただろうな(PRって難しい)。作品の内容についていえば、ナキメサマを隠れてやりすごすところがめちゃくちゃ怖くてよかったです。こういうのを求めてるんだよこういうのを。
後半はむしろナキメサマに同情的になってしまって、ほかの登場人物だいたい嫌いになりましたね。那々木さんは好きだったのですが、どうやら彼を軸にシリーズが展開されているらしいのでそっちも読んでみたいと思います。
祭火小夜の後悔
最後の展開が面白かったけど、個人的にはもう少し怖さか不気味さが欲しかったです。良くも悪くも角川ホラー文庫に入ってるライトなホラーとあんまり相性良くないんだろうなぁ。
わざと忌み家を建てて棲む
カバーイラストがキモすぎるし幽霊屋敷を合体させるって発想が頭おかしい…(どっちも褒め言葉です)。異なる趣向の記録も考察編もそれぞれに面白く、ほとんど一気読みしてしまいました。いやーこういうの無限に書いてくれてるんだろうな、三津田さん。これと禍家を読んで僕がほしい恐怖を与えてくれる作家だと確信しました。
ひとんち 澤村伊智短編集
ぼぎわんと予言の島でも思いましたが、澤村さんは本当に挑戦的というか、いろんな趣のホラーを試している感じがあって素晴らしいですね。それを実感する短編集でした。どれも全然バラバラなテイストの作品なので好みはかなり人によって分かれると思いますが、個人的なお気に入りは『夢の行き先』と『ありふれた映像』かな。あとすごく日常の細々した出来ごとから着想を得ているんだろうなという感じがして、メインアイデアもそうですが、生活の描写などを取ってみても「ああこういうことする場面や感じる場面って、日常生活にあるよね」というリアリティがあって面白かったです。
天才王子の赤字国家再生術1 〜そうだ、売国しよう〜
アニメが面白かったのでついに原作小説にまで手を出してしまいました。ライトノベルを読み通すのなんて本当に久しぶりだったな…。文体は簡潔かつ鼻につかない程度に気が利いた言い回しが多かったし、一つ一つの場面も常に先の展開に接続されるようになっていてぐだぐだ感も無駄もなく、キャラ同士の掛け合いも心地よくて、なんというか綺麗に整えられた作品でした。そんなわけでそもそも文体や構成が優れているのと、斉藤壮馬と高橋李依の声がないのは残念ですが声豚的には脳内再生余裕なので、既知の物語でも全然面白く読めちゃいましたね。2巻以降もホラー小説が怖くなりすぎてトイレにいけなくなったときなどに読み進めていこうと思います。
迷い家
圧倒的なディテールと凝った文体で圧倒されました。耽美的なところもあり、ダンジョン探索ゲームっぽい趣もあり、B級ハリウッド映画みたいないい意味で頭の悪い展開もありで、なんというかいろんな要素が詰まった本当に面白い作品です。別に戦時下の日本についてめちゃくちゃ掘り下げたかった作品というわけでもないと思うのですが、心造少年の怒りには切実なものがあって、こういう思いをした人も当時はいたのかなぁと思いを馳せてしまった。文句なしの傑作。ホラーとしてはそんなに怖くなかったですが、まぁそういうことは読んでるうちにもはやどうでもよくなりました。
どこの家にも怖いものはいる
わざと忌み家を建てて棲むのシリーズの第一弾。こういういくつかの怪現象が実は全部繋がってましたって話、好きなんだよな…。個人的には割れ女のエピソードとこうし様のエピソードが怖かったですが、ほかの話も結構ゾッとしました。文庫落ちしてない第三弾も買おうか迷ってるんですが、本閉じるたびにあの不気味なカバーイラストを見るのが嫌すぎて悩んでいます(忌み家とどこの家にも〜はブックカバーをかけて読んでいた)。
ドラマ(TRICK シーズン1)
TRICK シーズン1
子供の頃に散々見たけど、久々に見たくなって一気見しました。宗教団体や田舎のステレオタイプ描写が云々とか言って腐してる輩が昔いた気がしますが、まぁでも面白いですよね。それ以前にそもそも巨根・貧乳・ハゲイジリを擦ってるので、今放送したらPC的に完全アウトだろうとは思いますが…。
仲間由紀恵があまりに美人すぎてびびったのと、やっぱり山田と上田のコンビがすごくいい。なんだろうこの、恋愛関係ではないんだけど謎に信頼しあってる2人組みたいな組み合わせ、いい(語彙)。
個人的にこのシーズンではビッグ・マザーの話が一番好きかも。『時効警察』がいい例ですが、こういう別に面白くもない脱力系シュールギャグを安直に挟むミステリードラマを好きになりがち。
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