オタ活まとめ:2021年
雑感
久しぶりすぎますね。もうすっかりオタ活まとめを作るのがめんどくさくなってサボっている間に1年経ってしまい、これはいかんとついに重い腰を上げて、なんとか1年分のまとめを書きました。しかしやはり上期に触れた作品のことはもう詳しく書けない!せめてクールごとにまとめないとダメですね。今年は頑張ろう。
ちなみに2021年のオタ活を一言で言いあらわすなら「遊☆戯☆王」。遊☆戯☆王はいいぞ。
なお1年オタ活まとめをサボってしまった理由を考えたところ「凝りすぎたのでは?」という結論に至ったので、今回はスタッフクレジットも公式サイトURLも作品あらすじも一切入れない超シンプルな記事にしています。ネタバレ上等のため注意です。
アニメ
true tears
見たのは正確には2020年だった気もするのですが、まぁいいか。全体的に話がよくわかんないし電波なのですが、その電波の発信源であるところの石動乃絵がなんか好きになってしまってからは乗れました。眞一郎の「心が震える」というセリフで僕の心も震えました。また岡田麿里にしてやられた…。
色づく世界の明日から
多分これも2020年に見た気がする…。題材、キャラクターデザイン、映像美、音楽と多くの要素がうまく僕のツボに入った作品。時を超える話ってなんでこんなにいいんですかね。石原夏織というとはっきりものを言うような勝気なキャラをやりがちというイメージがあったので、こんなキャラクターも演じるのかと意外な感じ。といってもミスマッチということは全くなくて、むしろすごく可憐な声でよかったし、もっとこういう役もやってほしいなと思いました。個人的にはもう少し人間関係ギスギスしてもよかったと思うんですが(ギスギス展開の方がキャラの魅力が出ると思ってる派なので)、尺的な問題もあるだろうし、これくらいのバランスでよかったのかも?
のんのんびより のんすとっぷ
癒し要素以外のところでいうと駄菓子屋とれんちょんの関係性がひたすら好きで見ているアニメだったりしますが、3期ともなると徐々に見方が変わってくるのか、夏海もいいキャラだなぁとかいろんなことを思うようになりました。余裕の全話完走。でもやっぱり個人的には劇場版が一番好き。
回復術士のやり直し
実は全話見てないのですが、序盤と最終話付近は見たので。モラルが完全に崩壊していてこれを地上波でも放送してるのかと思うと色々ヤバいアニメでしたが、第10話・第11話の媚薬ミラーマッチはトンチキで面白かったです。
弱キャラ友崎くん
身近な題材を真面目に扱っている作品で、色々考えさせられて面白かったです。俺の人生にも日南葵がいたらなぁ…。原作を読み進めるとみみみがすごくいいらしいんですが、アニメ化されたところまでを踏まえると素直に日南葵が好きです。
ゆるキャン△
週末に酒を飲みながら見るととても幸せな気持ちになれるアニメ。基本的になでしこの彼氏面をしているしまりんが大好きなんですが、土岐綾乃ちゃんも黒沢ともよの声がハマってて好きでした。キモいオタクなので影響されて友達のキャンプに同行させてもらったんですけど、めちゃくちゃ楽しかったのでまた行きたいです。劇場版楽しみすぎる。
ラストピリオド ―終わりなき螺旋の物語―
キャラクターデザインも全体的に可愛いし、不謹慎なネタを多用した脚本もいいしで好みのアニメだったんですが、こういうのって絶対2期作られないんだよな。オープニングとエンディングの中毒性がなかなか高くて素晴らしいなと思います。個人的には『AKIBA'S TRIP』と同系列のアニメだと思うのですが、『AKIBA'S TRIP』の方が流石に好きかな。
スーパーカブ
異常に雰囲気がよくてそれだけで見られるという不思議な力を持ったアニメでした。地球上でただ1人僕だけが褒めている隠れた名作『サクラクエスト』の主演を務めた七瀬彩夏が出演していたので超うれしかったです(早口)
ウマ娘 プリティーダービー
サイレンススズカ推し。高野麻里佳の声が可愛いのと、走ることしか考えてない感じが好きです。
Vivy -Fluorite Eye’s Song-
後半までめっちゃ面白かったんですが、終盤に失速してしまったアニメでした。あとちょっとで名作になった気がするんだけどなぁ。なんとなく長月達平の書く話は、心理的に共感できないとか、設定的に理解できないとかでテンションが落ちてしまうことが多い気がします。リゼロにしてもシーン単位や1つ1つの展開単位ではすごくインパクトがあるのですが、全体を通してあんまり話の筋が通っていないことが多いのかな…。ハードSFファンには不評だったらしいんですが、僕は細かい設定よりドラマを楽しみたい人種だったので途中まではかなり面白かったです。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
何回見たかよくわからないくらい好きな作品で今更語ることももはやないのですが(というか語ってると長くなりすぎる)、周りに刺さらなかった人間が多すぎて時々「俺の感性がおかしいのか?」と疑心暗鬼に陥る作品でもあります。氷菓もそうだけど青春の痛みみたいなものが感じられる作品が好きなのかもしれない。岡田麿里はそういう痛々しさを描くのが本当にうまいなぁと思います。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
毎週ぼけーっと見ているうちに気がついたら完走していたアニメ。悠木碧も本渡楓も声が好きなのでむべなるかなという感じなのか。しかしどんな話だったかはほとんど覚えていない。
この素晴らしい世界に祝福を!
年一回くらいのペースで見返してる作品。常々キャラクターは性格が悪いかヤバいほうが魅力的だと思っているのですが、その好例の1つです。雨宮天の振り切った演技がとにかく素晴らしい。高橋李依と堀江由衣もいい感じだし、茅野愛衣も出てるし、声豚入門としてもちょうどいい作品なのでは。続編の放送が待ちきれない。
名探偵ホームズ
劇場公開作品をTVアニメ用に再編集したエピソードがいくつかあったりして、ときどき異常にクオリティの高い映像を楽しめます。あとキャラクターデザインが天才的によくて、フォルムがすごく綺麗なんですよね。ハドソン夫人が強くて可愛い最高の女で、危うくケモナーになるところだった…。オープニングもエンディングも楽曲・映像ともに大好きだけど、楽曲をiTunesで探したらどちらも無くて泣いた。
氷菓
通しで見るのは3回目。個人的には粒ぞろいの京アニ作品の中でさらに頭ひとつ抜けた傑作だなと思います。ほろ苦いところがなんともいえずいい…。見直してみて、本当にアニメ史に残る素晴らしい作品だなと再認識しました。後述しますがこのラストを踏まえて原作小説の最新作である『いまさら翼といわれても』を読んだら心が抉られました。
遊☆戯☆王ARC-V
5D'sやZEXALより後に見始めたはずなのに何気に『遊☆戯☆王』シリーズで最初に完走した作品。なんというか終わり方が正直最悪だったのですが、キャラクターデザインと音楽と一部声優の演技は好きでした。とくに好きなキャラは柚子、素良、セレナ、ユーゴ、メリッサ・クレール、タイラー姉妹、デニスあたり。好きなデュエルは柚子vs光津真澄(2回目)、遊矢vs沢渡(2回目)、素良vs黒咲、柚子vsエンジョイ長次郎、ジャックvsセルゲイ、遊矢vsデニスとか。ただ全体的に主人公の遊矢が終盤までぐだぐだしていたり、デュエル中断が多かったり、そもそもアクションデュエルがデュエルの純粋性を損なうよろしくないシステムだったり、それ以外にもいろんな理由からいい作品とは言えないなという感じでした。デュエルにせよ話の進行にせよ、結論を出したくない、先延ばしにしたいという優柔不断さが災いしていたし、デュエルへ乱入する/しないに規則性や説得力がなかったりと、とにかく脚本に軸がなさすぎるのが最大の問題だったのかなと思います。ある意味で『遊☆戯☆王』シリーズがそれまで貫いてきたコンセプトのアンチテーゼのようなことをしている作品で、そういう意味では興味深いと思うのですが。。。でも俺以外の奴がARC-Vの悪口を言うのは許さねえからな…(厄介オタク)
遊☆戯☆王ZEXAL
個人的に、全体的な完成度で言えば遊☆戯☆王シリーズのマスターピースかなと思います(マスターピースだけに)。とにかく魅力的なキャラが多いし、キャラ数多いにも関わらずその全員に活躍の機会が多く用意されている。デュエル構成も分かりやすいし、話の構造も綺麗で面白い。感動するところもいっぱいある。そしてシリーズ特有のトンチキやツッコミどころ、顔芸なども完備。隙がない。強いて欠点を挙げるならゼアル変身時のご都合主義カードぐらいですかね…。この作品に関しては主要キャラ全員好きなのですが、それでも敢えてがんばって絞り込むなら遊馬、小鳥ちゃん、シャーク、ベクター、カイト、IV…だめだやっぱり絞り込めない。好きなデュエル回も多すぎるのでやはり絞り込めないですが、遊馬vsカイトとか、IVのファンサービス回とか、友情ごっこ回とか、最後の遊馬vsアストラルとかみなさんが好きなところはだいたい好き。個人的には遊馬vsシャーク(2回目)とか、シャークvsIIIとか、トロンvsドロワとか、ナッシュvsIVとかも好きかな…でもまぁだいたいどのデュエルもよかったです。これからも小鳥ちゃんを崇め、かっとビングを座右の銘に生きていきたいと思います。
遊☆戯☆王VRAINS
シリーズ通して一番デュエル内容が意☆味☆不☆明でした。視聴時はOCGを全く触っていない人間だったので延々とソリティアされてキツかったですね…。それに加え『遊☆戯☆王』のくせに(失礼)やたら真面目なテイストで話を進めるせいでハノイの騎士編の中盤くらいはわりとキツかった記憶があります。でもイグニス編の70話くらいからはすごく面白くて一気に見てしまいました。次回予告の草薙ポエムといい、終わり方といい、ほかのシリーズ作品にはないなんとも言えないポエジーがあってよかったです。また独自性という点でいえば、いわゆる心が抉られる展開が多かったのもこのVRAINSならでは。GXと同様、Playmaker・Soulburner・リボルバーを除く主要キャラがマジで負けすぎてて全然活躍してないし、Ai編は結構ガタガタな話だったし、終わり方も尻切れとんぼといえばそうなんだろうけど、心に残る作品でした。好きなキャラクターはPlaymaker、Ai、ロボッピ、ゴーストガール、Soulburner、スペクター、ライトニングとか。財前葵の見た目(ブルーエンジェル・ガール・メイデンではなく葵のときの見た目)はかなーり好きだったんですが、あんまり思うように活躍してくれなくて悲しかったですね。好きなデュエルはスペクターのデュエルすべて、Playmaker vs リボルバー、リボルバーvsウィンディ、Playmaker vs 草薙さん、Soulburner vs ボーマン、リボルバーvsライトニング、Soulburner vs ロボッピ、Soulburner vs リボルバー、Playmaker vs Ai。こうしてみると結構いいデュエル多いな…。あと最終EDのAiがエモくて好き。あのエンディング不評な気がするんですけどなんでなんですか?
遊☆戯☆王SEVENS
去年10話くらいで一度切ってしまったのですが、遊戯王熱が高まっていたので最新話まで一気見し、その後は毎週最新話を楽しみにしています。実は正直なところ「高橋和希ライクじゃないキャラデザの遊戯王なんてなぁ…ダークな展開もなさそうだし…」などと思っていたのですが、いざ再挑戦してみたらキャラのおいしいところをしっかり理解して擦ってくれる作風のおかげでするっと見られました。あとはGXの異世界編みたいな話をやってくれれば言うことないですが、そういう展開にはならないでしょうね…。個人的には安立ミミが一番好きですが、ロミン、ロア、アサナ、タイガーあたりもすきです。タイアサは推せる。
遊☆戯☆王5D's
遊☆戯☆王シリーズで最初に見始めた作品。この作品のダークシグナー編を見てから何かのスイッチが入ってしまった。正直ダークシグナー編がピークだったとは思うのですが、クラッシュタウン編も鬼柳の魂の再生の物語としてよかったし(トンチキも一級品でした)、終わり方もエモくて素晴らしかったです。欠点を挙げるならジャッカリがダークシグナー編以降なかったことになっちゃったことかなぁ…。好きなキャラは5D'sの面々(ブルーノを含む)と鬼柳、イェーガー、カーリー、イリアステルの三皇帝あたり。デュエルならフォーチュンカップの遊星vsジャック、遊星vsアキ(2回目)、クロウvsイェーガー(1回目も2回目も)、龍亞&龍可vsディマク…なんかキリがなくなりそうなのでやめます。全体的にクロウのデュエルは内容が面白い傾向がありますね。
遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX
めっちゃクオリティの高いアニメとは言えないと思うのですが、個人的な好みで言えばシリーズ中でトップクラスに好きでした。1年目の楽しい学園もののワイワイ感もよかったし、2年目はヘルカイザーがよかったし、3年目の異世界編も十代の成長が描かれてよかった。終わり方も素晴らしい。BGMも無性に懐かしくなる音色やメロディで、とくに十代のテーマは最高。好きなキャラは十代、翔、万丈目サンダー、おジャマトリオ、クロノス教諭、ヘルカイザー亮、オブライエン、アモン、ユベルかな…? ユベルは個人的に遊☆戯☆王史上、小鳥ちゃんの次くらいに好きなヒロイン(?)です。とくに好きな十代はユベルと融合した後のオッドアイ十代。お気に入りデュエル回は十代vs万丈目サンダー(2回目)、隼人vsクロノス、十代vsカイザー亮、ヘルカイザー誕生回、翔vsヘルカイザー亮…この後もなんかキリがなくなってくるので割愛します。
ガッチャ!楽しい遊☆戯☆王だったぜ!
ラブライブ!スーパースター!!
周囲の誰も共感してくれなかったんですが、個人的には『ラブライブ!』シリーズで一番好きな作品でした。ストーリーはいつものラブライブって感じなんですが、キャラクターデザインや色遣いが洗練されていたし、伊達さゆりやLiyuuをはじめキャスト陣の演技と声質が素晴らしかった。あと歴代シリーズは無印なら矢澤にこ、サンシャインなら千歌ちゃんと善子、ニジガクならぽむとかすみんと、だいたい特に好きなキャラが1〜2人に限られるんですが、この素パスタに関してはみんな好きでハイアベレージだったなと思います。加入が一番遅かったので仕方ないんですが、もう少し葉月恋の掘り下げが欲しかった。2期はよ。
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
一番最初に見ろよという話なんですが、実は完結済みの『遊☆戯☆王』作品で最後に完走したタイトルです。子供の頃もリアルタイム世代ではあったけど、ほとんど追いかけていなかったのでほぼ全話初見でした。なんで当時見なかったんだろうね…。個人的にはバトルシティ編とドーマ編が1番面白かったかなぁ。キャラクターとしては特に闇マリクが最高に好きだったので、最終的に消えてしまったのは悲しかったです。バトルシティ編のキレッキレのセリフと顔芸と岩永さんの怪演が光る闇マリクもさることながら、乃亜編の意☆味☆不☆明な闇マリクも地味に好きだったり。あとはやっぱりベタだけど闇遊戯と海馬、それと城舞の組み合わせが好きだったな…。ドーマ編のインセクター羽蛾も煽り性能高くてよかったです。
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜
主人公の常軌を逸したスケベモノローグとセクハラがキモすぎるので相当人を選ぶ気がしますが(女性が見るのはなかなかキツそう)、世界観が作り込まれていて、よくわかんないけど謎にいいシーンがいくつもあって、なんともいえないユニークで魅力的な作品。主人公もクズなりにめっちゃがんばっているし、なかなか主人公の思うようにいかないところや意表を突く出来事や繰り返される出会いと別れに苦みや切なさがあって、エモを感じる。映像も雰囲気がよくていいです。
映画
シン・エヴァンゲリオン劇場版
「新劇場版はエヴァじゃないからなぁ…」とか言ってる気持ち悪いオタクを全力でぶん殴ってきた作品。映像のイマジネーションとか、よくわかんない超展開とか、これまでのエヴァというコンテンツの展開を踏まえたあらゆるエモいシーンの連続とか、唐突にぶっこまれるトンチキなセリフとか、音楽の使い方などに顕著に見られる外連味とか、とにかくすごかったです。僕がエヴァに求めていたことはほとんどやってくれたと思うし、求めてすらいなかったことまでやってくれたと思う。やっぱり一番良かったのはシンジくんがみんなを助けようとして頑張っていたところ。「僕はいいんだ、つらくても大丈夫だと思う。 僕よりも、アスカやみんなを助けたい」なんていうセリフがシンジくんの口から出るとは…。またこの作品は庵野秀明監督ご自身のキャリアとか実存と重ねて語られることを誘うような作品でもあると思いますが、そこらへんについてはあんまり個人的に言えることはなくて、どちらかというと庵野監督に対しては本当に粘り強く(などと他人が言うのもおこがましいくらい)頑張ったんだろうなという気持ちしかないし、そしてそれについていった周りのスタッフの方々もすごいなと思いました。
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
よくわかんないんだけどなんとなくわかる、すごい作品でした。とにかく演出がキレッキレ。語れる要素がいっぱいある作品なので、本当はこういう雑コメントしかできない場でさらっと流すのはアレなんですが、正直トピックを1個1個書き出していく気力がない。個人的には皆殺しのレヴューと魂のレヴューが好きです。バナナのドスの利いた低音がすき。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
宇宙世紀の世界に自分もいるかのような圧倒的な臨場感が魅力の作品。映像も音も臨場感のために作り込まれている感じがしました。あとは富野節と上田麗奈の蠱惑的な演技が悪魔合体したギギ・アンダルシアとかいう最強のファム・ファタールが爆誕してしまいヤバい。そしてまた主題歌の閃光が最高にかっけーんすわ。連邦に反省を促すダンスで銃弾を避けるオルガがかっこよかったです。
竜とそばかすの姫
あとちょっとで個人的な細田守の最高傑作になったかもしれない映画。リアリティラインを低く設定しているアニメだったら許される気もするんですが、社会問題を取り扱っている以上は大人たちがこぞってDV男の元に子供を1人で向かわせるとか、その後の怒涛のご都合主義展開とか、DV被害者の子供に「頑張るよ」と言わせるとか、ああいうファンタジー全開なストーリーでオチを付けるのはやめた方がいいのではないかと思いました。すずの成長物語を描くためには1人で敵(DV男)に立ち向かう冒険が必要だったのかもしれないけど、流石にこれだけ生々しい現代劇でそれをやるとミスマッチ感がすごい…。せめて大人たちがすずの代わりに動けない理由とか、そういうエクスキューズが欲しかったなと。なぜこの脚本でGOが出てしまったのか理解できないんですが(普通は誰かが止めるだろうと思うので)、邪推をすると細田守にほかのスタッフが口を出せないような制作環境なのか…? こういうバランス調整の難しい話を作るなら、やはりその辺りの感覚に優れた脚本家をチームに入れて意見を取り入れながら話を作ったほうがいいのかもしれないなぁと思いました。子供が良識ある大人や法律に守られすぎると今度は冒険や試練が描きづらくなるだろうから難しそうだけど…。
と悪いことばかりつらつらと書きましたが、それもほかの要素が好きだったからこそ。キャラ同士の掛け合いや舞台となる町の雰囲気は好きでしたし、ベルの歌も最高だったと思います。
劇場版 Gのレコンギスタ Ⅲ 宇宙からの遺産
TVアニメ版よりわかりやすくなっていてよかった(こなみかん)。公開時期は新型コロナの感染者数が若干下火になったばかりの時期だった気がするのでそんなことはできるわけもなかったのですが、酒を飲みながら見たいアニメでした。この作品のキャラクターたちはいっつも元気で活き活きしていて、見ていて本当に楽しいというか、元気をもらえる気がします。追加シーンの中ではベルが股間を押さえるところあたりが好きでした。ノレドがかわいい。
ブラック・ウィドウ
実はMCUの中でもかなりブラック・ウィドウが好きなのですが(周りのMCUファンが誰1人として共感してくれない)、この映画を見てますます好きになりました。かつて任務で暗殺対象の子供も巻き添えに殺してしまった罪との向き合い方とか、疑似家族だったエレーナとの関わり方とかを見ていたら、懸命に自分の信念や愛に生きようとする姿に心を打たれてしまって、ヒーローというよりは1人の人間として本当にカッコいい人だなと思わされました。正直エンド・ゲームでの扱いには思うところがないわけではないんですが、この映画ではいい掘り下げ方をしていただいてよかった。スパイ・アクションとしていまいちとか、政治的に正しすぎるのが玉に瑕みたいな意見もあるみたいですが、僕は単純にナターシャという人間のドラマに興味があっただけなのでそんなに気にならなかったです。
サイダーのように言葉が湧き上がる
田舎のショッピングモールを舞台に、お互いにコンプレックスを抱えた男の子と女の子の超初々しくて甘酸っぱい夏の恋がポップなテイストで描かれていきます。謎にエモいノスタルジーがあったし、客観的に見ていい作品だと思うのですが、なぜか僕には刺さりきらずでした。これはもう作品の問題というより僕との相性の問題だと思うので無念としか。
Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-
完全にファンムービーとして作られていて、すごくよかったというほどではなかったのですが、FGOプレイヤーなので普通に楽しめました。エンディングの演出がニクかったですね…。
カラミティ
予告編の映像がすごく綺麗だったので見てみたら結構面白かった。途中ジェーンの行動がことごとく裏目に出るのがつらかったんですが、こういう話(中盤くらいまでは主人公のやることなすことがひたすらうまくいかない話)って日本のアニメ映画にあんまりない気がする。シンプルながらも面白い脚本と美麗な映像でするっと見てしまいました。ただし胸糞キャラが多いのでそういうのが苦手な人には厳しい作品だと思います。正直僕も中盤くらいまでずっとイライラしてました。
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章
正確には映画というより劇場公開もするOVAみたいな位置の作品だと思うのですが、細かいことを気にしてはいけない。第1章は心理戦中心だったのに対して、今回はアクションも多めで、それぞれの面白さがあるなと思いました。コーヒーを飲むくだりとか、アンジェに騙されるくだりのちせが可愛かったですね。あとこれよくない楽しみ方なんですが、途中からリチャードが黒幕なんじゃないかと推理しながら見ていたらその通りだったのでめっちゃ気持ちよかったです。
映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
作画と脚本の作り込みはいまいちだったのですが、それはそれとしてとても楽しめました。とうとう俺も映画プリキュアを見に劇場に足を運ぶキモいオタクの仲間入りか…。個人的にはあすか先輩の服装が可愛くて、それだけでテンションぶち上がってました。実はハトプリ大好きなので、つぼみたちとの絡みはめ〜っちゃくちゃよかったです。
アイの歌声を聴かせて
テンポがとてもよくて丁寧に作り込まれた逸品。いろんなところに制作陣の目が行き届いており、とにかく楽しい気持ちになれること請け合いです。後半の展開では竜そばと同様大人がNG行動をするのですが、こっちはリアリティラインが低く設定されてるからギリギリセーフなのかなぁという気がしました。でもやっぱり子供に成長につながる冒険をさせたいとき、周囲の大人をどう扱うかって難しいですね。エヴァくらい大人たちもエゴで生きている話だともういいかってなるんですが。
劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア
アインクラッド編をアスナ視点から描く映画。まだ心がそんなに強くなかった頃のアスナが見られる。ミトという新キャラクターの存在によってデスゲームの緊迫感が出たり、アスナの心理描写がより立体的になったりしていたので、良改変だなと思いました。戦闘もIMAXの大画面で見たこともあいまって大迫力。個人的にはミトの裏切り→第1層ボス攻略戦前夜のキリトとアスナの会話→攻略戦最中でアスナがミトからレイピアを受け取るシーン、の流れがすごくよかったのですが、とはいえ僕はかなりライトなファンなので、原作を古くから読んでいる人の意見はまた違うのかも。
劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-
機会を逃して初見は劇場で見られなかったのですが、SAOP公開に伴って近くの映画館でリバイバル上映が決まったので見てきました。結構いい音響だったので、クライマックスのバトルがえらい迫力でした。結局クリアすることがなかったアインクラッド第100層のボスを倒すことになる流れとか、それまで別ゲームで交流していたキャラクターたちが大集合する展開とか、アスナがマザーズ・ロザリオを繰り出すカットとか、エモの暴風が吹き荒れすぎ。初見はエイジとユナがいいキャラクターだと思っていたんですが、結構見直したらキリトもいい活躍をしていた(当たり前)。
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
TVアニメ版で話は終わってるし別にいいだろと思ってずっと見てなかったけど、いざ見てみたらキャラがみんな心境の変化を迎えていて、後日譚として楽しめました。しかしめんまがいないのが寂しいですね…。
機動戦士ガンダムNT
たぶん2021年に見たと思う(おぼろげ)。僕は圧倒的にUCの方が好きですが、ゾルタンはいいキャラだなと思いました。「撃っちゃうんだなぁこれが!」じゃないだろ、おい。
未来のミライ
前半のホームビデオと後半のシュールなファンタジー世界の物語を無理やりがっちゃんこした感が否めなかった。子供の精神世界みたいなものを描きたかった?
バケモノの子
後半の熊徹が刀になる展開にびっくりしたんですが、面白かったです。熊徹みたいなクズ親父ってけっこうボロクソ批判されそうな気がしますが、僕は(なかなか自分の行いを反省しないところ含めて)いいキャラクターだなと思いました。これくらい欠点があるキャラクターの方が人間味あって好きなんですよね。
おおかみこどもの雨と雪
世間ではちゃんと避妊しろとか母親が地雷すぎるとかさんざん言われてるらしいアニメ。確かにそうだなとは思いつつ、それはそれとして結構光るシーンがいっぱいあって、単純にポリコレ棒で叩き斬って捨てることはできない映画だなと思いました。竜そばの場合は終盤にデカい地雷が待ち構えているわけですが、おおかみこどもの妊娠エピソードは序盤だし、まぁそういうファンタジーとして見ろってことなんだなと早々に頭を切り替えて見られたのもよかったのかもしれないです。ただ結局はこちらも竜そばと同様、現実を舞台にリアリティラインの低い話をやるせいで、キャラクターの行動にあまりに倫理的な問題が出てきてしまったり(しかもそれを肯定的に描きがち)、物語の説得力が低くなってしまったりしてしまうという欠点を抱えている気が。うーん…。ともあれ雨と雪が雪の中を駆けるシーンと、嵐の日に教室で雪と草平が話すシーンが好きです。
サマーウォーズ
田舎描写と家族描写が地雷な人もいるらしいんですけど、僕は核家族の一員として育てられた都会っ子なので、とくに気になりませんでした。というかこれでたぶん見るのは4回目くらいなんですが、相変わらずめっちゃ面白かったです。佳主馬くんと最後の花札のくだりが大好き。
時をかける少女
たぶん4回目の視聴。でも最後に見たのが超昔だったので、久々に見たらこんなに面白いのかよ!とびっくりしました。後半の展開ばっかり印象に残っていたんですが、真琴が調子に乗ってタイムリープしまくる前半もコミカルで面白かったです。でもこの話の最大の被害者って友梨ちゃんだよね?
屍人荘の殺人
なんか評価低い作品らしいんですが、個人的にはコミカルな作風が好きで、展開も意表を突くところなどあり、面白かったです。ただこう思えたのは僕がアマプラで見たからかなーという気もしていて、映画館で見る意味はほとんどない作品なので、大画面でこれ見せられても…みたいな気持ちにはなるのかなぁ。浜辺美波が激マブ・オブ・激マブなので浜辺美波ファンは見るといいのでは。神木隆之介もよかったです。
エターナルズ
普通だなぁ…という感じの映画。映像はすごいのかもしれないですが、贅沢なことにすごい映像のアメリカ映画に慣れてしまっているためかボケーっと見てしまった。あとFGOバビロニアとウォッチメンを連想しました。個人的に好きなキャラはキンゴとその付き人で、好きなシーンは久々に再開したメンバーたちが飲み食いしながらだらだら喋るシーン(洋画の食事シーンを好きになりがち)。政治的に正しい表現とか広島の描写とかは今時だな〜と思いました。広島の描写についてはいろんな意味で賛否両論らしいですが、ちょっとデリケートすぎる話だし、これについて良し悪しをいうには細かい検討が必要だと思うので、ここではスルー。あとマジでどうでもいいのですが、キンゴ役のクメイル・ナンジアニという方がちょっと北村一輝に似てるなと思いました。
劇場版マクロスΔ&劇場短編マクロスF~時の迷宮~
一応併映作品だったのでひとまとめに。マクロスFについてはFファンに劇場へ足を運んでもらうため作ったのはわかるけど、もう少しちゃんとした話にした方がよかったのではと思いました。でもランカの新しい髪型と衣装と歌が最高だったので僕ぐらいのライトファン的にはよかったです。マクロスΔは完結編として一応閉じてよかったんですが、とにかくフレイアが死んだのがじわじわと効いて見た後3日ぐらい引きずってました。ちゃんと死ぬ前に覚悟するんよ〜?って予告してほしかった…。YAMI_Q_Rayのキャラデザと設定はめちゃくちゃいいのに、この劇場版でしか出てこないキャラクターなのは素直にもったいないなと思いました。
フラ・フラダンス
派手な展開や強いカタルシスはないけど、所々ほろっとさせられる地味な良作。心理描写にほとんどツッコミどころがなく、日羽に共感できたのはもちろん、ほかの同期メンバーも過不足なく掘り下げられていた。それ以外のサブキャラも活き活きと描かれていて、改めて吉田玲子ってすごい…と思わされました(映画というよりTVアニメっぽい話?構成?だったことだけ気になったけど)。画面は見ていて気持ちがいい。キャラデザは女性キャラの身体のプロポーションがすらっとしていて美しく、各キャラの服装がおしゃれなのもよし、画面の全体的な色味も僕好みでした。
キャスティングについて言えば、HELLO WORLDやアイうたでも思いましたが、やっぱり福原遥は声質もよければ演技もよくて、これからも声優業やってほしいなと。個人的には日羽たちが海辺のステージの踊りを評価されたところと、お姉ちゃんの墓参りで失恋〜帰ってきた日羽の話を聞いた蘭子とオハナが一緒に泣きまくって3人でチョコレートを混ぜてたところ、それからカンカンとお母さんが和解するところとかがよかったですね。オハナとカンカンの関係性も好きでした。欠点を言えば最初に言ったように地味だったところ(でも作風的に派手な話はできなかったと思うのでこれは仕方ない気がする)、あとダンスシーンのCGがセルルックとはいえ違和感がありいまいち乗れなかったところ。もう少し動きと3DCGモデルの肩部分を整えて、絵柄を手描きの絵柄ともっと擦り合わせてほしかったかも。でも総じて楽しめる作品でした。
漫画
ぼくたちは勉強ができない
2020年に読んだ気もしますが、多分去年読んだんだと思います。良くも悪くも優等生的で、多分いい作品なんだろうし、誰でも楽しめそうな話ではあったんですが、僕はそこまでハマりませんでした。個人的にはもう少しヒロインの性格が悪い方が面白いと思うんですが、普通の読者は性格のいい女の子が好きだと思うのでこういう感じで正解なのかもしれないです。一番好きなヒロインは文乃でした。まれに毒舌なところと、恋心のせいでちょっと嫌な奴になってしまった自分を自覚して葛藤するところと、たまにコメディパートでめっちゃ怖い顔をするところが好き。
女の園の星
こういうテイストの作品無限に読めるなって感じの作品でした。爆笑するわけではなく、なんかニヤッとしてしまういいコメディ。多分こうなるのは地球上で僕だけだと思うんですが、小林先生のセリフがCV子安武人で脳内再生される。
ウマ娘 シンデレラグレイ
女同士が人殺しそうな顔でバチバチに戦う競技漫画が好きなので好きでした。「はねバド!」という至高の漫画があってだな…。
結婚するって、本当ですか
ここまでキャラクターに心底共感できる作品も珍しい。そうそう、こういう考え方をするとこういうふうにから回っちゃうんだよなぁとか思いながら読んでいます。2人の悩みに頷きつつ、自分自身の参考にするために読んでいるようなところもあります。
水は海に向かって流れる
だいぶテイストは違いますが、題材が似通っているという点でいえば「めぞん一刻」が好きな人は好きなんじゃないでしょうか。去年読んだ漫画の中でもかなり好きな方でした。こういうのアニメ化したらどうなるんだろうとちょっと妄想したんですが、難しそうですね。なんとなくシリーズ構成は吉田玲子かなと思います。
DRAGON QUEST-ダイの大冒険-
キャラクターの勇気と成長、そして生き様に胸が熱くなる王道の少年漫画でした。心の中の小学生が大喜びです。好きなキャラの話をひとつひとつしていくとキリがないのでここではしませんが、とりあえず僕はポップとクロコダインとハドラーが好きです。一番はハドラーかな…。
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王
ダイ大がよかったのでこっちも読んでしまいました。普通に三条陸の描くストーリー目当てで買ったんですが、芝田さんの絵もめちゃくちゃいいですね。レイラがかわいすぎて萌え豚的にも大満足です。
淫獄団地
搾精病棟は未履修なんですが、Twitterで話題になっているのを見かけたので読みました。設定のトンチキさとかパワーワードの連発が面白い作品だと思うんですが、おねショタとかとしても楽しめるのがいいですね(こんなおねショタはいやだ)。人妻という日本語の使い方が全体的におかしくていい感じです。
NEW GAME!
ずっと追いかけていた大好きな漫画だったのですが、ついに完結してしまいました。得能さんは本当にキャラクターが悩んでいる姿や、その悩みを乗り越えるために試行錯誤したり、頑張ったりする姿を魅力的に描くのがうまくて、毎巻感動させられます。各キャラの服装も多彩で素敵だし、コミカルなパートでもしっかり可愛いところを描いてくれて、とにかく魅力的な女性キャラクターを描く技術がものすごい。主要キャラクターは誇張抜きに全員大好きなんですが、強いていうなら青葉とねねっちとコウさんがとくに好きです。
お兄ちゃんはおしまい
抵抗なくするするっと読めるTSコメディ。シリアスに描いたらかなりキモいシチュエーションが多いので、作風って大事だなと思います。妹との関係性が地味に好き。
早乙女姉妹は漫画のためなら!?
死ぬほどくだらないエロコメディです(褒め言葉)。前からタイトルだけ知っていて、完結したと聞いたので読んだという経緯。キャラクターが全体的に魅力的で、個人的には瀧波レモンが好きです。作者は本当にエロやエロ漫画が大好きなんだなということが伝わってくる愛のこもった作品でした。続編やってくれないかなぁ…。あまりほかの作品と比べて云々言うのはしたくないのですが、個人的にはぼく勉もこれくらい尖っていてよかったのではという気がします。
ゲーム
ウマ娘 プリティーダービー
リリース後、Twitterに流れてきたプレイ映像で見た3Dモデルがあまりに可愛かったのでインストールしてしまいました。周回がキツくてもうほぼプレイしていないのですが、2021年上期はすごく楽しませていただきました。
アンリアルライフ
主人公の女の子を操作して幻想的な世界で謎解きを進めていくゲーム。ドット絵(で合ってる?)と世界観がすごく好きでした。すぐにクリアできるのでおすすめです。
Fate/Grand Order -Cosmos in the Lostbelt- 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
個人的な奈須きのこのマスターピース。このシナリオは本っっっ当に素晴らしいと思います。設定も細かいし、謎解き要素もきっちりあるし、キャラクター全員がすさまじく魅力的。何より"妖精”という設定が奈須きのこの作風と超バッチリハマっていて、人間と似通っている部分もあれば異なる部分もあるその業の深い生き様がめちゃくちゃ胸にくる。主要な妖精で嫌いなキャラクター1人もおらんのですよね。でもTwitterで検索したらオーロラが嫌いな人が一定数いて、トップクラスに好きなキャラだったので悲しかったです。色々名セリフあったと思いますが、個人的に心に残ったのはトネリコの「『争わない』という心はない」に至る一連のくだり。
人は誰でも人を傷つける自由があり、また責任を持っている。
人間は『良いこと』をしたいのではありません。『善い明日』のために最善を選び続ける生き物です。そして。その選択には、たとえどれほどの人々が救われようと、正解はないのです。正解がない以上、貴女は貴女の意思で、守るものと、倒すものを決めなくてはいけない。貴女はこれからたくさんの心を知るでしょう。
理解しようとする心。/諦めない、放棄しない。
受け入れようとする心。/挫けない、憎まない。
はね除けようとする心。/汚されない、流されない。
でも、どんなに素晴らしい人間でも『争わない』という心はない。
『戦い』はどんな心にもある。どうかそれを忌避しないで。
——Fate/Grand Order -Cosmos in the Lostbelt- 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェより。
月姫 -A piece of blue glass moon-
これ以降に作られるノベルゲーとかADVのハードルをバカみたいに上げてしまった、おそろしく力の入った逸品。FGOの奈須きのこも好きなんですが、こういう誰もが暮らしている街で不穏な話を繰り広げる奈須きのこも大好き。というわけでめちゃくちゃ楽しませていただきました。あとアルクェイドがバカみたいに可愛くて完全に長谷川育美の名前を覚えてしまった。個人的にはシエルルートのノエル先生が最高に好きです。本当に愛と努力の結晶みたいな力作で、携わった全てのスタッフ1人1人にお疲れさまでしたとありがとうございますを言いたい。
魔法使いの夜
FGOの新シナリオと月姫で小さな型月ブームが来たのでついに手を出してしまった。シナリオとこやまひろかずの絵がよかったのは言わずもがなとして、背景画やキャラクター絵など全体の色味が渋く抑えられていて、クラシック音楽やオリジナルの劇伴の曲調も落ち着いていて、なんというか心地よい雰囲気でした。一時期仕事を片付けた後、部屋でコーヒーを飲みながらのんびりこのゲームを進める時間が癒しだったな…。戦闘場面も面白かったけど、どちらかというと青子・有珠・草十郎の日常のさりげないやりとりを読むのが好きだったかも。
でもクリアした2カ月後くらいにアニメ化とフルボイスでのリメイクが発表されて超複雑な気持ちになりました。後悔はないですが。
小説
ふたりの距離の概算
面白い構成の話。アニメ版『氷菓』が面白かったのでずっと積読していたものについに手を出しました。
いまさら翼といわれても
遠まわりする雛を踏まえて読むと表題作はつらくて、えるたその行く末がめちゃくちゃ気になってしまいました。それ以外の短編ももちろん面白い。本当に折木奉太郎というキャラクターが好きになれる短編集だなと思いました。
春期限定いちごタルト事件
古典部シリーズ並みにライトノベルっぽい。個人的には読み味が軽すぎたけど嫌いではないです。
折れた竜骨
いわゆる特殊設定ミステリというやつ。作品全体に漂う常に空が曇ってそうな陰鬱な空気感がすごくよかった。ちょっと違うけど、海外の重厚なファンタジードラマや映画の持つ陰鬱さに若干通じるところがある気がします。
ボトルネック
これも個人的にはかなり好きな米澤穂信作品なんですが、あまりに話が暗いため後述の『さよなら妖精』ほどストレートには人に薦められないですね。終盤のリョウの痛ましさに加えてリドル・ストーリーになっていることもあり、読み終わった後しばらくはことあるごとにこの作品について考えてしまった。なんか打ちのめされたい人におすすめできる一冊。
さよなら妖精
今まで読んだ米澤穂信の小説の中でトップクラスに好きな作品。マーヤと大刀洗万智が本当にいいし、守屋くんの未熟な部分にもすごく共感できました。おすすめの米澤穂信作品は? って聞かれたらおそらくこれを薦めると思います。京アニにアニメ映画化してほしい…。「哲学的意味はありますか?」とか印象的な謎セリフを持つキャラクターを好きになりがち。アニメの『氷菓』が好きなオタクはぜひ読んでみてほしいです。
王とサーカス
太刀洗万智という人が本当に好きになれる作品。ジャーナリスト≒探偵の倫理に真摯に向き合う姿勢に痺れました。さよなら妖精の時期からはだいぶ作中の時間が経っているけど、彼女の中にマーヤとの思い出が残っているんだなということもわかってよかったです。折木奉太郎といい、米澤穂信の描く探偵役は鋭さと誠実さを併せ持っているが故に葛藤を抱えがち。でもそういう不器用なところも魅力的なんだよな。米澤穂信のミステリがなぜいいかって、ただ謎を解くだけで終わらず、考えさせられたり、後に残るものがあったりするからなんだろうなと思うんですが、そういう意味ですごく米澤ミステリらしい一冊です。
リカーシブル
前半のじわ〜っとした嫌な閉塞感や不穏さと、終盤のサトルを助けようとするハルカがよかったけど、トリックはちょっと無理があるなと思いました。僕は硬派なミステリファンではないのでこれくらいなら面白かったし全然いい派なのですが、うーんと思う人はいるかも。
真実の10メートル手前
ベルーフシリーズのなかで最後に読んだ作品。やっぱり個人的にはマーヤの兄と会う短編が好き。このオタク、マーヤ好きすぎるだろ…マーヤ…。
Xの悲劇
初エラリー・クイーン。途中リーガル・サスペンスみたいな展開もあり、めちゃくちゃ楽しめた。ほぼ一気呵成に読みました。
戻り河心中
初の連城三紀彦。個人的にはそこまでハマれませんでしたが、いろんな人が連城三紀彦好きな理由はなんとなくわかった気がします。
ABC殺人事件
この作品を読んでいて、僕はヤベーやつだの催眠だのをトリックの一部に組み込まれるのがあんまり好きじゃないんだなと思いました。心を操るESPや魔法が存在する世界を舞台にした特殊設定ミステリとかだったらいいと思うんですけどね…とはいえ当然ながらめっちゃ面白かったです。
Yの悲劇
ドルリー・レーン四部作の中で一番の名作と名高いらしいけど、個人的にはXの悲劇の方が面白かった。ABC殺人事件と同じで、ヤベーやつだからヤベーことをするという話はあまり得意じゃないのかも。
オリエント急行殺人事件
さすがにこれは意表を突かれてしまった。面白かったです(こなみかん)
そして誰もいなくなった
登場人物多すぎて序盤で頭が痛くなりましたが、なんとか全員の設定が大体頭の中に入ったあたりで第一の殺人が起こって、そこからはするするっと読めた小説。
ポケットにライ麦を
それぞれのキャラクターが抱えている人生の悩みのリアリティや運命のほろ苦さみたいなものが感じられてよかったです。個人的にこの年に読んだクリスティ作品の中では一番好きでした。
寒い国からやってきたスパイ
自分の中に三ヶ月くらい巻き起こっていたミステリブームと、松浦寿輝がジョン・ル・カレに寄せた追悼文(https://book.asahi.com/article/14115548)を読んだことがきっかけで手に取りました。スパイ小説というものをおそらく初めて読んだのですが、それぞれの人物が何のつもりでそういう行動をとっているのかがまるでわからなくて自分の読解力に激しい不安を覚えましたね…。というわけでこちらのリテラシー不足もあり面白く読めたわけではなかったのですが、疑心暗鬼や愛に揺れるスパイの心理描写がすごくて、とくに終盤は読み応えがありました。
犬神家の一族
話の雰囲気がめちゃくちゃ良くて一気読みしてしまった。復員兵の苦悩みたいなものが描かれていて、ここらへんは時代的にリアリティのある描写なのかなとか色々考えさせられて、読後はciniiでちょこちょこ横溝正史関係の論文を漁ったりしてました。
Zの悲劇
正直あんまり面白くなかったけど、死刑や冤罪に対する問題提起みたいなものがあってそっちの意味で興味深い内容でした。
火のないところに煙は
ホラーミステリが読みたくて買ったら思いのほか面白くて一気に読み終わってしまいました。もともと神林SFの連作集が大好きな人間なので連作短編ものと死ぬほど相性がいい。こういうのもっとほしいです。
羊たちの沈黙
多分刊行当時はめちゃくちゃ新しいサイコスリラーだったんだと思うけど、個人的には普通かな…くらいのテンションで読み終わってしまいました。エポックメイキングな作品はその後の時代の人間からするとどうしてもこういうふうな感じ方になっちゃうんだろうな…。暇を見つけて映画版も見てみたいです。
燃えよ剣
友人に勧められて読んだ本。新選組に関する知識がほぼゼロだったので展開が読めるということもなく楽しめた。個人的には沖田総司が好きなので、沖田と山南敬助のエピソードが印象に残っています。土方歳三はしょうもないところも多いし、秀でたところはあるけど限界もあるという描かれ方をしていて、そこに逆に司馬遼太郎の土方に対する愛のようなものを感じました。お雪との関係を描くことでセンチメンタルな側面も掘り下げられていたところが個人的によかった。
緋色の囁き
初の綾辻行人作品。文体が斬新でびっくりしているうちにあれよあれよと物語に引き込まれて一気に読んでしまった。面白かったです。
十角館の殺人
新本格の嚆矢となったエポックメイキング的作品とのことで読んだ。個人的にはそこまで好きな作品ではなかったけど、確かにすごく面白かったです。
ゴースト・ハンター
夫婦両方とも読んでみるかということで綾辻行人に続き小野不由美も。これもホラーミステリを探していたときに出会った作品。あんまり怖くなかったけど、キャラクターが立っていて面白かった(怖がらせようともしてないと思うけど)。個人的には残穢の方が好きでした。
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