【5分で読める】目の前の1人を幸せにしようとする人は強い。~市場を見るマクロ視点とミクロ視点~(木戸)
*博報堂時代の『心・技・体』…体⑲
こんにちは。HDAの木戸です。ちょっと夏になると、ビーチと自宅の往復&自分の本業もあり、なかなか時間がとれませんでした。
昨日、僕がNPOでやってるユニバーサルビーチの活動を、「自分たちもユニバーサルビーチを目指したい」という志をもった団体の方が視察に来られました。
話をする中で、彼らの原動力は、彼らの仲間である、ある脳性麻痺の障がいを持った方、その方と一緒にビーチを楽しめる環境を創りたい!という想いでした。
素敵だなと思ったと同時に、最近、事業を進めていてよく考える、市場を見るマクロ視点とミクロ視点が頭に浮かびました。
マクロで市場をみるというのは、調査や行動分析など、市場を俯瞰して、定量的な情報をもとに人の心理や行動をとらえます。空中戦という感じです。
一方で、ミクロで市場をみるというのは、消費者一人ひとりの同じ目線に立って、定性的な情報をもとに人の心理や行動をとらえます。空中戦に対して、地上戦といった感じです。
マーケティングの世界を、マクロとミクロのどちらの視点も重要です。
僕の印象では、理系の人は、数字やデータからみるマクロ視点が得意で、文系の人は感情や想いからみるミクロ視点が得意な印象があります。
HDAで言うと、三上は絶対にデータや情報をつかって市場の大きな流れを説明するところからプレゼンします。
一方で、僕は、ミクロ視点から考えることがほとんどです。特に、最初のターゲットが自分になることが多いです。
「自分ならどうか?魅力的か?心が動くか?」を起点にしています。
例えば、NPOの活動、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトも、目の前の人は、自分でした。自分がビーチに近づけなかったのが、楽に、めちゃくちゃ楽しむことができた!その経験が原動力でした。
そして今、一番、自分たちがターゲットとして意識している人、「この人と一緒にやりたい夢を叶えていこう!」と思ってる人がいます。
それが、内藤さんです。
2017年の夏、プロジェクト初日のイベントから、ずっと参加してくれてるのが内藤さんです。
車イスで、海、山、芋ほり、田植え、色んな挑戦を一緒にしてきました。
内藤さんは、進行性難病で、有効な治療薬はありません。今投薬する薬は、治療薬ではなく、進行を遅らせるための薬です。
治療薬がない、つまりは、常に死と隣り合わせです。
内藤さんがやりたい!と思うものは、僕らは全力で叶えようと動きます。
もちろん、他に参加してくれる方のことも大好きだし、プロジェクトにとってはめちゃくちゃ大切です。
でも、今、目の前の1人を意識することで、商品企画や事業開発は加速していきます。
それが、目の前の1人を幸せにしたい!ということです。
目の前の1人を幸せにしたい!という想いが強いと事業が加速するかと言うと、ターゲット(Whom)があまりに明確だからです。
ターゲットが明確になると事業が加速する理由が3つあります。
1.商品・サービス(What)がハッキリしていて無駄がない。
色んなニーズにこたえようとすると、商品やサービスで表現することがぼやけて、平均的なものになり、無駄も多くなります。
こういう人もいる、こういうニーズもあるらしい。それによって、どんどん商品がぼけてくるんです。
2.ニーズが目に見えるから開発者のモチベーション
目の前に困っている人がいる。その人の夢を叶えて、一緒に喜びたい。喜んでいる顔が見てみたい!そう思えると、人間がんばれます。
開発者のモチベーションは、やはりお客さんの笑顔です。だからこそ、開発は加速するんです。
3.期日がハッキリしている
この場合の期日は、まさに寿命を意味するかもしれません。漠然とした開発には期限がありません。世間一般的な仕事には必ず期限があります。得意先が決めた期限、予算の対象期限もあるかもしれません。でも、寿命に勝る期限はありません。
だからこそ、目の前の1人を幸せにしようとする期限は、最優先課題になります。
世の中の色んなモノが、目の前の1人のために努力した人たちの結晶で開発されています。
そのことに、最大のリスペクトを込めて。
今日は、このへんで。
追伸)
先日、内藤さんが行った、高校生対象の”人生初”魂の講義(20分程度です)の動画、以下にシェアします。
このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~35歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。
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