【6分で読める】心遣いを尽くすスタンス~タレント契約時と終了時の対応の違い~(木戸)
*博報堂時代の『心・技・体』…体その③:広告営業のスタンスとは
このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。
こんにちは。木戸です。
今回のnoteでは、心技体(タイ)の3つ目ということで、広告営業の”態度(タイ度)”、どういう心構えでいるか、というスタンスを共有します。
おそらく、広告の仕事でなくても、営業的な立ち回りをしている立場の方であれば、誰もが関わることだと思いますので、短い時間ですがお付き合いください。
*タイトルにあるように、今回の記事は、6分程度で読める非常にライトな記事です。
目次は以下になります。
・営業時代に叩き込まれた態度
・広告業界の象徴的な心遣いの慣習
・学生の活動も結局は同じ
・夫婦生活への副作用
●営業時代に叩き込まれた態度
営業時代に、新人の頃からずっと叩き込まれたのは「心遣いを尽くす」ということでした。
超漠然としていますが、もう少し具体的に言うと、「相手の立場になって考えろ。」と教え込まれてきました。
当時の営業部長は、クライアントのことが好きなのかな?と錯覚するほど、飲みにいけばクライアントとの思い出話ばっかりしていましたし、当時のディレクター(チームリーダー)は、「この見積もりを出せば相手は喜ぶのか?難色しめすのか?」、「この話をするとタレント事務所のマネージャーはどんな反応するのか?」と、常に、相手の立場になってどう思うか?どんな反応を示すのか?をリスクも含めて考え抜くのがクセになっていました。それを横で見ながら学ばせてもらったと感じています。
相手の立場になって考えるというのは、どんな仕事でも共通することだとは思いますし、もっと言うと人間関係の基本だと思います。
例えば、商品開発部や広告宣伝部にいたとしても、「ターゲットが何を欲しているのか?」を、ターゲットの立場になって考えることが、最も重要なことではないかと思います。
究極的には、相手がこうきたらこう返して、みたいな「方程式的な答えはない」というのが答えであって、とにかくケースバイケースで、「相手の立場になって考え抜くほど心遣いを尽くす」というのが営業マンの態度としての正解。というのを当時の上司たちの背中で教えてもらったと理解しています。
●広告業界の象徴的な心遣いの慣習
広告業界と言えば、やはりタレントさんのキャスティングがイメージできると思います。以前も取り上げているように、タレントさんとのお仕事は、華やかな面だけでなく、問題も起き、色んなドラマが繰り広げられていきます。
例えば、ある女優さんとの広告契約が決まり、その、最初の挨拶では、クライアントも同席してもらいます。
要するに、言わば、タレントさんやタレント事務所がピークに感謝を表す場なので、超ハッピーな空気が充満します。そこにはクライアントも同席してもらって、感謝を直接タレント事務所から伝える。
時には、タレントさん本人も挨拶の場に同席して、「この度は選んでいただきありがとうございます。これから末永くよろしくお願いします☆」と、女優さんに笑顔で直接言われた日にゃ、クライアントさんはイチコロでオチてしまう、というわけです。
さて、一方、契約するハッピーな場があるということは、契約終了のToo Badな場もあるわけです。タレント事務所だって聞きたくないし、我々だって、本当は契約終了なんて告げたくないわけです。
皆さんお察しの通り、契約終了を伝える場には広告代理店のみでいきます。
当然、契約延長しなかった理由とか、色んな質問を受けながら、全体的には『謝罪』モードで事務所サイドに納得してもらいつつ、心遣いを尽くして対応します。(もちろん、その場にはタレントさんはいませんが)
御幣を恐れずに言うと、「代理店は謝るためにいる」とすら考えています。
『謝る』というのは相当ストレスのかかる行為ですが、それを繰り返してこそ、営業としてのメンタルやスキルは謝ることで上がるとすら思います。
なぜ「謝ることでスキルが上がるのか」というと、謝るということは「今後そうならないようにどうすれば良かったか」ということを、後悔も含めて悩み抜く工程なので、それを経て、リスクを予想するスキルが上がっていくと、僕は理解しています。
なので、若い頃に失敗を重ねた人ほど成長する。というのが持論です。
●学生の活動も結局は同じ
僕は、約3年ほど前から、筑波大蹴球部(サッカー部)の後輩たちと一緒に、スポンサーセールスの支援、アドバイスをしています。
支援をしていると言っていますが、実働は全て学生なので、企業様への営業や、既存企業様との対応も全て学生がやっています。
最初の頃は、「木戸さん、この話、メールでするか、電話でするか、どっちが良いですか?」という質問をよく受けていました。
答えは全て、「お前はどうしたい?」でした。
どうすれば良いかを僕に聞くのではなく、「相手がどう思うか?」を考えると、自ずと答えは出ます。
謝る話なら、メールより直接電話の方が良いだろうし、、、
だけど、学生が、うまく話を整理して話すのが苦手なら、メールで謝罪の主旨をまとめて送った直後に電話して、「先ほどのメールの件ですが」と電話とメールの両方で対応した方が良いかもしれません。
企業マンの仕事も、学生のプロジェクトも、答えは常に「心遣いを尽くし」た先にあると思います。
●夫婦生活への副作用(苦笑)
実は、僕の妻は、元家電メーカーで、マーケティング部に所属していました。その際、トイメンの広告担当は電通さんだったようです。
その後、アパレルメーカーに転職しましたが、そこでもマーケティングを担当し、代理店と仕事をしていました。
広告営業のスタンスは、心遣いを尽くした結果、「1%でも自分たちに非があれば自分たちの責任」というスタンスでいます。
少なくとも僕はそう指導されてきました。そうならないよう、100%の仕切りをする必要があります。
一方、クライアントさんのスタンスは、「1%でも自分たちに非がなければ、それは代理店の責任」という暗黙のスタンスでいます。
なので、夫婦で揉めた場合、ほんの少しでも、自分に至らないところがあった、先回りできていなかったところがあれば、それは自分の責任になってしまう。という、職業病のような副作用があります。
ハッキリ言って、人間関係の中で、100%どちらかの責任、ということなんてありません。苦笑
結局、夫婦生活の中で巻き起こる事象の責任は、全て広告営業が負うことになっています。苦笑
でも、だからこそ、夫婦関係におけるメンタルやスキルは、上がっているハズ、なのかなぁと。(木戸)