『エクアドール』自作解説④舞台となる場所-東南アジア-
拙著『エクアドール』(双葉社)の発売にあたりTwitterに投稿した内容を以下に(若干の編集をしつつ)再掲します。
【元ツイート】
アユタヤ
アユタヤ遺跡の建物の中で主人公たちが訪れた時代に存在したのは、このワット・プラシーサンペット。仏教王国アユタヤの権威ある寺院でした。
作中、1540年代のアユタヤは安定しているように見えて実は大きな政変の前夜であり、登場人物たちはその前触れのような事件に巻き込まれます。 伝説的な王妃の生涯を描いた映画『スリヨータイ』の時代です(この映画めっちゃ面白そうなのに日本で観られないの…)。
アユタヤは大河チャオプラヤを通じて海につながり、背後に肥沃な内陸を擁する豊かな国でした。「眞南蛮」はアユタヤのみを指したという説もあり、おそらく琉球人にとっては東南アジアの中心都市という認識だったのでしょう。
(個人的には、「横浜」と言ったときに横浜駅や関内・みなとみらい周辺のみを指す場合もあれば、横浜市全域を指す場合もあるぐらいの曖昧な使い方だったのではないかという気がする…)
ジョホール王国
ジョホール王国の都コタ・バトゥ(ジョホール・ラマ)。 ポルトガルやアチェ王国との戦いの中で何度も遷都したジョホール王国の三番目の都です。
ジョホール王国はポルトガルに滅ぼされたマラッカ王国の亡命政権。ポルトガルの追撃を防ぎつつマラッカ奪還を目指して長い戦いを繰り広げます。コタ・バトゥ要塞の城壁は石垣を土で覆って砲撃を吸収させる、対ポルトガル戦仕様になっていました。
現地取材が難しい中で、こういう現地のYouTuberの史跡探訪の動画がとても役に立ちました。マレーシアの博物館は撮影OKなのかな?
マラッカ
そしてマラッカじゃ。 フランシスコ・ザビエルゆかりの地。ザビエル本人は出てきませんが、ザビエルに関わりの深い人物が何人か登場しますよ。
リンク先から序章のみ試し読みできます。