SAR443765(サノフィ)
AIO-001の競合になりそうなサノフィのSAR443765を掘ってみます…喘息もバイスペシフィックの時代が来るのか…
概要
SAR443765は、従来の抗体薬とは異なる構造を持つ「NANOBODY®」分子です。
この薬は、胸腺間質リンパポエチン(TSLP)とインターロイキン-13(IL-13)を標的とする二重特異性抗体として設計されています。
NANOBODY®は、一般的な抗体よりも小さい単一ドメイン抗体で、特定のターゲットに対して高い特異性と結合能力を持ちます。
NANOBODY®の特徴
SAR443765は新しいタイプの「エンジニアード抗体(ナノボディ分子)」です。
このナノボディは、喘息患者のFeNO(呼気中一酸化窒素)を著しくかつ迅速に減少させることが示されています。
二重特異性
SAR443765は、IL-13とTSLPを同時に標的とするバイスペシフィック(二重特異性)モノクローナル抗体です。
これにより、喘息に関連する炎症を効果的に抑制することが期待されています。
開発
サノフィによって開発されたSAR443765は、喘息治療のために開発された最初のNANOBODY®分子であす、これまでの臨床試験で肯定的な結果が報告されています。
作用機序概要
サノフィ社が開発したSAR443765は、喘息治療用の二重特異性ナノボディです。その作用機序は、喘息の病態生理に重要な役割を持つ二つの炎症経路、特に胸腺間質リンパポエチン(TSLP)とインターロイキン-13(IL-13)のブロックに焦点を当てています。
TSLPの機能
TSLPは、アレルゲンやウイルスなどの環境刺激に反応して分泌されるサイトカインです。これにより炎症のカスケードが開始され、喘息の病態を引き起こします。TSLPをブロックすることは、喘息治療における新しいアプローチとして注目されています。
TSLPについて詳しくはコチラをご参照下さい。
IL-13の機能
IL-13は多機能性サイトカインで、特にTh2型炎症に関与しています。IL-13は気道炎症の様々な細胞に影響を与え、好酸球の活性化やリクルートメント、気道のリモデリングなどを促進します。IL-13のシグナル伝達は、特定の受容体を介して行われ、この受容体への結合をブロックすることが、重症喘息の治療に効果的な可能性があります
SAR443765はこれらのサイトカインを標的として、喘息の症状を改善することが期待されています。
もう少し詳しく
TSLPとIL-13…とくにIL-13についてより詳しく掘ってみます!
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