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Glofitamab(ロシュ)
がん治療の分野では、新しい治療法の開発が常に進められており、その中でもglofitamabは注目すべき薬剤です。今回は、glofitamabの作用機序や臨床応用についてわかりやすく掘っていきます!
ロシュのT細胞エンゲージャーColumvi®(glofitamab)
— チクチク@製薬ブログ (@mrnetinfo) June 16, 2024
第III相STARGLO試験で、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する併用療法が、全生存期間を有意に延長することを証明👏
化学療法との併用により、死亡リスクが41%減少👏👏👏
今後、FDAおよびEMAへの申請予定🎊#製薬プレス解説 pic.twitter.com/L1A1j8WNDg
Glofitamab概要
Glofitamabは、二重特異性抗体(bispecific antibody)と呼ばれる新しい種類の抗体薬です。二重特異性抗体は、2つの異なる標的分子に結合する能力を持っており、glofitamabの場合、B細胞のCD20抗原とT細胞のCD3抗原に結合します。
作用機序
Glofitamabは、以下のようにしてB細胞性リンパ腫細胞を攻撃します:
CD20とCD3に結合: Glofitamabは、B細胞上のCD20抗原とT細胞上のCD3抗原にそれぞれ結合します。これにより、T細胞がB細胞に近づきます。
T細胞の活性化:近づいたT細胞とB細胞は免疫シナプスというもの形成します。これにより、T細胞が活性化されます。活性化されたT細胞は、増殖しながらB細胞を攻撃し、最終的にB細胞を溶解します 。
この技術は「BiTE」…二重特異性 T 細胞誘導(Bi-specific T-cell engager)と呼ばれます。T細胞エンゲーシャーと後半だけ使う場合も多いです。
臨床応用
Glofitamabは、主に再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に使用されます。この治療は、オビヌツズマブ(obinutuzumab)という薬剤で前処理を行った後に開始されます。治療の初期段階では、徐々に用量を増やすステップアップ方式が採用されており、これにより副作用のリスクを最小限に抑えます 。
Glofitamabの前処理にobinutuzumabを使うのはなぜ?
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