Vepdegestrant(Arvinas&Pfizer)
本日はファストトラック指定をうけたVepdegestrantを掘っていきます!
ベプデジェストラント…ですかね?読みにくい…実に読みにくい…
概要
Vepdegestrantは、エストロゲン受容体(ER)陽性/ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性乳がん治療を目的とした、口服可能なPROTAC(PROteolysis TArgeting Chimera)タンパク質分解剤です。この薬は、特定のターゲットとしてエストロゲン受容体を効率的かつ選択的に分解および除去するように設計されています。
PROTAC(PROteolysis TArgeting Chimera)技術は、特定の疾患関連タンパク質を標的としてその分解を促進する新しい薬剤開発の方法です。この技術は、タンパク質の自然な分解プロセス、すなわちユビキチン-プロテアソームシステムを利用しています。このシステムは、細胞内で不要または機能しなくなったタンパク質を標識し、分解して再利用する役割を担っています。
Vepdegestrantは、エストロゲン受容体(ER)陽性の乳がん細胞において、ERを標的とするPROTAC分子です。ERは、乳がん細胞の増殖に重要な役割を果たしているため、これを効率的に分解することでがん細胞の成長を抑制します。
実験結果によれば、Vepdegestrantは腫瘍細胞内で最大97%のERを分解し、ER駆動型の乳がんモデルにおいて顕著な腫瘍縮小効果を示しました。
また、フルベストラントという従来の標準治療薬と比較して、Vepdegestrantは単剤療法およびCDK4/6阻害剤との併用療法で優れた抗腫瘍活性を示しました。
CDK4/6阻害剤は細胞周期の制御に関わるタンパク質を標的としており、これらとの併用により、がん細胞の成長をさらに効果的に抑制することが可能と考えられています。
作用機序の詳しい解説は過去記事をご参照ください!
臨床試験
臨床試験はすでにフェーズ1/2と3が進行しています。
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