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mRNA-1345(モデルナ)
今回はモデルナが開発中のRSVワクチン、mRNA-1345を掘っていきます!FDAブレイクスルーセラピー&ファストトラック品です!
ターゲットと作用機序
mRNA-1345ワクチンの作用機序は、RSVのFタンパクの安定したプリフュージョン形態をコードするmRNA配列を含んでいます。
このFタンパク質はウイルスが宿主細胞に侵入する際に重要な役割を果たします。Fタンパク質はプリフュージョン(未融合)状態とポストフュージョン(融合後)状態の2つの形態をとります。
プリフュージョン形態は、ウイルスがまだ細胞に侵入していない状態で、侵入前なので、当然この形態のFタンパク質がウイルスに対する中和抗体として特に重要な標的となります。
ワクチンに含まれるmRNAがこのプリフュージョン形態のFタンパク質をコードすることにより、免疫系はこのウイルスタンパク質に反応し、抗体を生成するようになります。これにより、RSVに対する免疫応答が強化され、感染を防ぐ助けとなります。
プリフュージョン状態でターゲットにふれると、ポストフュージョンに変形することで、細胞膜の中に侵入します。
こちらの動画がプリ→ポストへの変形を分かりやすく示してくれています!
F蛋白を変形させて伸ばして突き刺し最後はぐりんっと回して侵入する感じでしょうか
競合の確認とそのターゲット
ワクチンとして直接競合になりそうなのは2製品
GSKのアレックスビーそしてファイザーのアブリスボです。
どちらもプレフュージョンFタンパクをターゲットにしています。
本剤に含まれるRSウイルスPreF3抗原(RSVPreF3)は、RSウイルスの表面糖タンパク質の一つであるFタンパク質の膜融合前型立体構造を保持する融合タンパク質抗原であり、アジュバントであるAS01Eとともに接種することで、RSウイルスサブタイプA及びB中和抗体応答、並びにRSVPreF3特異的CD4陽性T細胞応答を誘導する。これらの抗原特異的な液性及び細胞性免疫応答の誘導がRSウイルスのサブタイプA及びBの感染による下気道疾患の予防に寄与すると考えられる。
本剤に含まれるRSVの2つの主要なサブグループであるRSV-A及びRSV-Bの安定化融合前Fタンパク質を筋肉内接種することで、RSVの膜融合前構造のFタンパク質に対する免疫応答が誘導され、中和抗体が産生される3) 。RSVの膜融合前構造のFタンパク質に対する中和抗体はRSV感染阻害能を有する4) ,5) ,6) ,7) 。妊婦における本剤の接種により産生された中和抗体は移行抗体として、新生児及び乳児のRSVによる下気道疾患の予防に寄与する8) 。
アレックスビーがPreF3抗原+アジュバントであるAS01EによってRSV-A.B両方に対応したのに対し、アブリスボはRSV-A.B両方のFタンパクを使うことで対応しています。
この微妙な違いが原因かはわかりませんが、適応としてはアブリスボの方が有利になったみたいです。
✅アレックスビー(GSK)
— チクチク@製薬ブログ (@mrnetinfo) January 27, 2024
・60歳以上の成人RSV予防
✅アブリスボ(ファイザー)
・60歳以上の成人RSV予防(日本未承認)
・ 妊婦への接種による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防
この違いってなんで?って思って調べたらGSK側は早産リスクで治験辞めてるんや…🤔
他にも中和抗体製剤シナジス、ベイフォータス(日本承認申請中)がありまして、これらも、F蛋白をターゲットにしています!
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