Eliapixant(Evotec&Bayer)
作用機序
EliapixantはEvotecとBayerの共同開発による薬剤候補であり、難治性慢性咳(RCC)や過敏神経繊維に関連する他の疾患の治療における潜在的な効果が研究されています。
この薬剤は、P2X3受容体拮抗薬として作用し、痛みや炎症反応に関与すると考えられているP2X3受容体をブロックします。
2021年にP2で有望な結果を示しましたが、Bayerが、開発から手を引き、その後の情報がない状態が続いています。(原因不明ですが、おそらく競合に勝てないと判断したためかな…)
競合がコイツ…
作用機序の詳細はコチラをご覧ください。
臨床試験
臨床試験では、特にフェーズIIbのPAGANINI研究において、Eliapixantは咳頻度を減少させる有望な結果を示しました。
有効性
試験デザイン: PAGANINIは、難治性慢性咳(RCC)を持つ成人を対象としたランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設、用量探索フェーズIIb試験でした。参加者は1日2回のEliapixant25 mg、75 mg、または150 mg、またはプラセボに12週間ランダムに割り当てられました。
主要評価項目: この試験の主要な有効性のエンドポイントは、介入後12週間でのベースラインからの24時間咳回数の変化でした。Eliapixant75 mgを1日2回投与された患者群では、プラセボに対して最大27%の統計的に有意な咳回数の減少が見られました。
24時間咳回数は、25 mg、75 mg、150 mgの投与でそれぞれ-44%、-54%、-49%減少し、プラセボでは-34%でした。目覚めている間の咳回数も同様に減少しました。
安全性
副作用: 副作用は、プラセボ群の39人(51%)およびEliapixant群の43~51人(57-65%)で報告されました。最も一般的な副作用は味覚障害(dysgeusia)で、プラセボ群の1%(1人)とEliapixant群の1-16%(1-13人)で、用量関連性がありました。
重篤な副作用: 150 mgのエリアピクサントを1日2回投与された1人の患者で中程度の薬剤誘発性肝障害が発生しましたが、投与中止後に自然に解決しました。
Bayerの開発中止とEvotecのその後の対応
これらの有望な結果にもかかわらず、Bayerは主に安全性に関する懸念から開発を中止することを決定しました。この決定に伴い、Eliapixantを含む全てのP2X3資産の権利がEvotecに戻りました。
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