リルザブルチニブ(サノフィ)
今回はp2成功したサノフィのリルザブルチニブを掘っていきます!
作用機序
リルザブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的とする薬剤です。サノフィはこの薬をPrincipia Biopharmaを買収してゲットしました!
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、私たちの免疫系において非常に重要な役割を担うタンパク質です。具体的には、B細胞という免疫細胞の発達と機能に関与しています。B細胞は、体を病原体から守るために抗体を作る役割を果たしています。
BTKは、B細胞受容体(BCR)からのシグナル伝達に関与しており、B細胞が発達し、成熟するために必要なシグナルを伝えます。
要は、BTKの仕事は、B細胞受容体からの信号をうまく伝えること。BTKが正常に働くと、B細胞がちゃんと成長して、免疫系の一員として働けるわけです。
また、アレルギー反応とかにも関わっているマスト細胞を活性化する役割も持っています。これがリルザブルチニブの慢性特発性蕁麻疹の治療に繋がるわけですね。
リルザブルチニブは、BTKに対して強力かつ持続的に結合し、この酵素の働きを阻害します。これにより、B細胞の過剰活性化を抑え、免疫系の誤った攻撃を減少させます。
さらに、この薬剤は他のキナーゼに対してはあまり作用せず、副作用を最小限に抑えることができます。
その他のBTKの役割
リルザブルチニブだけだと、コレだけで良さそうですが、様々なところで登場するのがBTKです。補足事項として記載いたします。
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