クラブ化粧品-堂級化粧品カタログ-
昭和5年頃の発行と思われる『クラブ堂級化粧品カタログ』です。カタログだけあって、ギフト用、基礎化粧品、メイクアップ化粧品が網羅されています。化粧品の使用法や値段が掲載されいているので、クラブ化粧品を収集していく上でも貴重な資料です。
カタログの中身をそのまま紹介していきます。
♣クラブ堂級化粧品御進物の案内
クラブ化粧品とその使命
優良な化粧品は総て衛生と保健と美と快感と礼節とを保持助長するを目的として製造せられねばなりません。
クラブ化粧品は製造科学上並に使用科学上総て此の要素を具備して居る現代に於ける最も優良なる國産化粧品であります。
クラブ化粧品の世界的信用を博し益々愛用旺んなる所以は実に産業文化の正道に依り清新を経とし科学を緯とし其の商品の人格化を理解として進みつゝあるからであります。
♧香水セット
A號 正価 金 四円五十銭
B號 正価 金 三円五十銭
C號 正価 金 三円
♧御進物用詰合箱
特一號 正価 金 九十銭
一號 正価 金 一円
二號 正価 金 一円五十銭
三號 正価 金 二円
四號 正価 金 二円五十銭
五號 正価 金 三円
六號 正価 金 三円五十銭
七號 正価 金 五円
八號 正価 金 十円
別型 正価 金 七円
♧御進物用石鹸詰合箱
ビシン石鹸セット
一號 正価 金 一円
二號 正価 金 二円
カテイ石鹸セット
正価 金 二円
♧洗粉入進物箱
一號 正価 金 一円
二號 正価 金 一円五十銭
三號 正価 金 二円
四號 正価 金 二円五十銭
五號 正価 金 三円
六號 正価 金 三円五十銭
七號 正価 金 五円
♧クラブ煉白粉
無鉛にしてノリ、ノビ共によくお化粧崩れせず、白粉として申し分ないものであります。濃化粧も淡化粧も溶き方一つで自由でありますが水白粉や粉白粉の淡化粧にその襟白粉として恰度頃合のものであります。
一號 正価 金八十五銭
小瓶 正価 金五十銭
♧クラブ美身ゼリー
常に皮膚のアレ勝ちの方は四季を通じて之を御愛用下されば皮膚は嫋かに美しくなり肌のアレやハタケ等を止め殊に冬の日の水仕事のあと等欠かさず手に擦り込めばヒビ、アカギレ等に悩まされることはありません。
中瓶 正価 金五十銭
極大瓶 正価 金一円
♧クラブ固煉白粉赤函
濃化粧をする時並びに襟の白粉はクラブ固煉白粉に限ります。ノリもよく誠に艶麗なお化粧が出来るのであります。猶ほ又溶き方を淡めにすれば普通のお化粧も思いのまゝに出来ますから極めて徳用な白粉であります。絶対無鉛なること勿論です。
赤函 正価 金七十銭
♧クラブ化粧水
透明なサラリとした此の化粧水は付け心地誠によく而も皮膚を引き締め地肌を整えキメ細かにしてアレを防ぐ等総て皮膚を美しくする力を持って居るのであります。なお淡化粧用の白粉下ともあり、水白粉、粉白粉のノリが極めてよいのであります。
新型透明 正価 金四十五銭
新型自然食 正価 金四十五銭
一號 正価 金七十銭
ニ號 正価 金七十五銭
♣商品案内
お化粧に大切な地肌の整え方
お化粧を美しく仕様と思えば化粧品の選択が必要であることは勿論ですが、その他にまず土台である地肌を整えるこということが大切であります。地肌が美しければそれだけお化粧栄えするのであります。それ故に常の洗顔にはカテイ石鹸又はクラブ石鹸で汚れを落とした後クラブ洗粉でキメを整えてからその湿りを十分によく拭き取りそのあとへ美身クリームなり美身ゼリーなり或いは乳液、化粧水等それぞれ肌の性質やその時の季節に応じたものを使用して地肌を大切にしなければいけないのであります。
♧クラブ洗粉
地肌を荒らさず脂や汚れを綺麗に落とすは勿論、又髪洗いにお使いなっても垢や汚れが落ちてサラリとし、髪の艶を増して而も後に床しい香りさへ残ります。
小版函 正価 金三十銭
二號小 正価 金五十銭
ニ號大 正価 金一円
♧クラブ粉白粉丸函三號
淡化粧並びに早化粧に用いるは勿論、固煉や煉白粉又は水白粉でしたお化粧の場合にも必ず最後にはこれを用いて仕上げをしなければなりません。水白粉同様これにも白色、肌色、桃色、空色の四種があります。容器は萩の模様を配した感じのよいものであります。
丸函 三號 正価 金五十五銭
♧クラブ水白粉
そのまゝ用いて美しい淡化粧が出来る純良無鉛のものでありまして、白色、肌色、桃色、空色の四種があります。濃化粧の時固煉白粉をつける下塗りとして之を用いれば一層容易くお化粧栄えがするのであります。又粉白粉の淡化粧にはこれを襟白粉として用いるを良しとします。
一號 正価 金七十銭
新型 正価 金四十五銭
色白粉の使い方
化粧法の進歩と共に白粉にも多少の色を必要とするようになって来ました。それは地肌との調節及び着物の色との関係等から純白でないものゝ方が一層効果的であるといふところから来たものであります。けれども色とは申し候、顔に強く色つく程のものではなく唯地肌の色を表面に反映させぬ程度のものでありますから白の白粉を使うと同様に使われて少しも差支へないのでありますが、要するに色の黒い方は淡桃色を、黄色味の深い顔の色の方は肌色を、又余り血色の良すぎる方は水色を、そして紫やお納戸系統の召し物の場合には肌色をお用いになることが、普通の純白のものを使われるよりはお化粧栄えの点に於て一層効果があるということになるのであります。
♧クラブ眉墨
銀缶容器入りの煉製品でありまして使用に便、思ふまゝに自然的の保力をなし得る逸品であります。
正価 金三十銭
♧クラブコールド・美身・淡白クリーム
欧米で賞用されるスキンクリームと同様のものでありまして、洗顔の後或いは白粉を落とされた後等之をお用いなれば、冬はアレを止め夏は日焦けを防ぎ、皮膚の諸障害を除くと共に地肌を滑らかに生々とさせるのであります。のみならず水白粉粉白粉等の淡化粧にはその化粧下として用いるに最も適して居るのであります。又男子方が日常お用いになれば皮膚の衛生に適い地肌の栄養となるは勿論殊に髭剃後の肌を整えるものとして之に上越すものはありません。
アレ性の方は夜分よくお顔をお洗いになった上にクラブコールドクリームをつけてお寝みになれば翌朝のお化粧の時には白粉のノビもツキもよくなり思うまゝに美しいお化粧が出来ます。
新型中 正価 金五十銭
一號 正価 金七十五銭
新型大 正価 金一円
コールドクリーム 正価 金五十銭
白粉下の選び方とクリームのひき方
白粉が綺麗につくもつかぬも第一は白粉下の選び方並びにそのひき方にありますから御注意が肝要であります。そこでまず選び方に就て云いますと、煉白粉又は固煉での濃化粧にはクラブつぼみ又はクラブ美の素、水白粉又は粉白粉の時にはクラブ美身クリーム或いはクラブ化粧水が適当なのであります。
右のつぼみ又は美の素或いは美身クリームの如きクリーム状のものを使います時はまず一旦両方の掌に十分よくそれを均らして置いてそれからその両掌を襟から顔へかけてムラのないように萬遍なく擦るのであります。こうしますとクリームの厚い薄いがなく綺麗にノルのであります。指先だけでつけますとどうしてもクリームがムラにつき易いためにあとの白粉ムラづきするようになるのであります。
♧クラブつぼみ
濃化粧用に最適のクリーム状の白粉下であります。煉白粉のノリとノビよきは勿論、永く化粧崩れのせぬ特長があります。
一號 正価 金八十五銭
♧クラブ美の素
程よき脂肪性のクリームでありますから濃化粧にも淡化粧にも用いられますが殊に地肌の脂気なき人の化粧下として最も適したものであります。且つ自然に地肌を美しくする努力があります。
正価 金二十五銭
♧クラブ乳液
濃厚な液ではありますがつけた後は直ぐサラリとして皮膚の栄養となり、地肌を滑らかにして日光寒風霜雪の刺激をも防いで充分に効果があります。又これをガーゼに浸して顔や襟を拭けば汚れや脂は忽ちに落ちて美しい膚となります。
中瓶 正価 金五十銭
平角大 正価 金一円
毛髪の手入れ
毛髪も皮膚の一部でありますから身体の栄養がそれに影響する事勿論でありますがなお外部からも栄養を与えないといけません。夫故一ヶ月に二度或いは二ヶ月に三度位の割合でクラブ洗粉又はカテイ石鹸でよく汚れを洗い去った後湿りを充分拭き取りクラブキニーネを振りかけて指先で地肌によく擦り込みそれが乾いた時クラブ香油或はクラブポマードを毛髪全体につけてお髪上げなさいまし、そして二日目か三日目位にクラブ香油かクラブブリリアンチンをおつけになって居れば切れ毛や抜け毛の心配はなく濃い黒髪となるのであります。
♧クラブ香油
頭髪を保護するために欠かすことの出来ない香油は、このクラブ香油の如き純植物性のものを使わなければいけません。この使用に依って頭髪は益々発育よく益々黒く艶々してまいります。容器は丸瓶と平瓶と二種あります。
丸瓶 正価 金一円
平瓶 正価 金九十銭
♧クラブタルカン
肌のアレやアセモを防ぎ、お子様達の皮膚のタヾレを治し、男子方の剃刀負けの予防となるものであります。又薄化粧として粉白粉の代用ともなります。
一號 正価 金六十五銭
二號 正価 金六十五銭
早化粧の仕方
俄に人前に出るとか朝起きてお仕事にかゝる前とかいう様な時には何よりもまず手早にお化粧が出来るということが必要であります。それには石鹸や洗粉の洗顔は間に合わぬ事としますればクラブ乳液をガーゼに充分浸めして軽く絞ったので顔から襟をよく拭いて汚れや脂をとりその湿りをすっかり拭き取って後クラブ美身クリームを掌にならしてよく擦り込みその上へクラブ粉白粉をパフでムラなく刷いて行きませばものゝ五分とたゝぬうちに美しいお顔になれるのであります。
お化粧崩れの防ぎ方
お化粧はどんなに丁寧にしましたところで火の側へ寄ったり、永く日に当たったり或いは永い時間が経てば自然にどうしても多少の崩れを見せるものであります。殊に鼻頭小鼻額等は脂のために崩れの早いものでありますから常にクラブ紙白粉で軽く押えて脂や汗を吸い取りそしてコンパクトのパフで軽く白粉を補って置くことが必要なのであります。
歯の衛生
歯磨としては、先づ其の粉末が精細で口中に入れて比較的早く溶解し爽やかな香味を有して殺菌清掃の力に富んだものでなければなりません。もしその粉末が疎であったり或いは固くて、溶解し難いようなものであると直ぐに歯牙の琺瑯質を磨滅して却って歯牙に悪い結果を生ずるような事になります。
医学者、歯科医の推奨するクラブ歯磨きは粉製も煉製も理想的のものでありましてこれを使用するに当たりましてはクラブ歯刷子のようなあまり軟くない少し硬い位の毛の歯刷子に充分歯磨をつけ前歯はその歯面に沿うて上下左右に軽く摩擦し、小臼歯大臼歯のような所謂奥歯はその広い歯面は素より隅から隅まで歯片のすこしも残らぬよう充分に磨く必要があります。大体歯の清掃は朝起きた時と夜寝る時の外食後には必ず行うのが本当ですけれど、手軽な方法としてはクラブ堂級化粧品中のクラブ水歯磨きをコップ一杯の水に数滴滴下して含飲いたしますと簡単にしてよくその目的を達します。
♧クラブポマード
純良な煉香油でありまして毛髪に栄養を与え、脱け毛や切れ毛を防ぎ、癖毛を直し美しい艶を出し、快い香りを残します。束髪に結ばれる御婦人又は男子方の御常用になるべきもので御座います。平角瓶、丸瓶、一號、ニ號の四種ありますが、何れも口広く櫛を入れるに便宜であります。
丸瓶 正価 金一円
一號 正価 金六十五銭
平角瓶 正価 金八十五銭
植物ポマード 正価 金五十銭
ニ號 正価 金一円二十五銭
♧クラブ紙白粉
脂や汗にお化粧が崩れようとした時上から軽く押さえてお化粧を直すのに用います。それ故いつも懐中に欠かされぬものであります。
大型 正価 金四十五銭
♧クラブコムパクト(クラブ白粉錠)
極く薄手の美しい金属製容器に鏡とパフと固形粉白粉とが備わって居りますから帯の間か手提げ袋にこれを御用意になれば何時如何なる所でも直ぐお化粧直しが出来るのであります。
正価 金一円六十銭
男子のお髭剃
毎朝のお髭剃りに注意すべきは漸次に髭をこわくし易いことゝ時に剃刀負けをすることであります。之を防ぐにはまず顔を洗った後カテイ石鹸又はクラブ石鹸を充分に泡立たせそれをお髭一面に塗りつけてから出来るだけ熱いお湯で絞った手拭いをその上に当てゝ暫くよく蒸して後更にもう一度石鹸の泡を沢山つけてから剃刀を当てゝ行くのであります。そして剃れましたらお湯で洗顔した後湿りを充分によく拭き取りあとへ美身クリーム或いは美身ゼリーをつけて軽くこすりタルカンを擦り込んで置くのであります。
♧クラブキニーネ
頭の地へよく擦り込めば毛根の栄養となり頭熱やカユミを去り。従ってフケを除き毛の発育をよくします。
平瓶中 正価 金一円
平瓶 正価 金一円三十銭
♧クラブブリリアンチン
普通の香油よりもサラリとして居る此のブリリアンチンは、従って御婦人方が束髪に結ばれる場合並びに男子方の頭髪用として適当なものであります。勿論馥郁たる香りを放ちます。
正価 金九十五銭
♧カテイフード
皮膚の美を養い色を白くする美身料で紳士方の髭剃後の御用品としても好評で御座います。
正価 金三十五銭
♧海綿用クラブ白粉
濃くも淡くもお好みのまゝに容易く美しく感じのよいお化粧が出来皮膚自然の美を増し、つけた時に美しいばかりでなく洗った後の生地の色まで白く美しくする美容上尊い作用をもって居ります。
白色 正価 金五十銭
肌色 正価 金五十銭
♧クラブホヽ紅
お顔にほんのり桜色の健康色を添え御化粧に一段と生彩を加えます。
正価 金二十五銭
♧クラブビシン
白粉の作用とクリームの作用とを兼ねた便利白粉で御家庭に於ける身嗜みや御急ぎの時簡単にして高尚な薄化粧が出来ます。
白色 正価 金三十五銭
肌色 正価 金三十五銭
♧クラブ口紅クリーム
お唇に生々とした色彩を与えてお化粧美を一層引き立て又お唇のカワキを防ぐに卓効が御座います。
正価 金三十銭
♧クラブビシン石鹸
皮膚を刺激せず荒らす虞れもなく美膚力大にして且つ永く芳香を保つ理想的な化粧用石鹸で御座います。
正価 金二十銭
ビシン石鹸中形容器入 正価 金十五銭
♧クラブルブラン香水 クラブキャラ香水
快い、奥ゆかしい香りはおのづから品位を高めます。
クラブルブラン香水一號 正価 金一円七十銭
クラブキャラ香水一號 正価 金一円七十銭
♧クラブ歯ブラシ
口腔衛生上理想的で且つ使用上至便のものでその柄の曲がり工合なり、毛の植方、切り方まで細密な注意を以て作られたもので御座います。
A號 正価 金三十五銭
B號 正価 金三十銭
クラブ化粧品の小冊子に関する記事はこちらです。