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『ブルーヘロンのいる森で約束したこと』第8話

♡第7話続き♡

ゴールドの姿が見えなくなって1時間経とうとしていた
「何かあったんだろうか。。」
ハヤトは何やら胸騒ぎがしてヤシムンに聞いた
「わからん。。もう少し様子をみてみようや」
ハヤトは軽く頷くも この時自分の中で迷いがあった
(いくらゴールドが蛇だって森の中にはもっと手強い相手がいるかもしれない。。どうしたらいいんだろう)
サヤカもゴールドのことが気が気でなかった

「ハヤトはどうしたいんじゃ?」
ヤシムンが訪ねた
少しの間があいて、ハヤトはやっと口にした
「俺もわからないんだ。。どうしたいのか」

ヤシムンはハヤトの顔を正面から見て言った
「青い羽持っとるじゃろう。今のお前自身に聞いてみろ。。正直にや」
ハヤトははっとした
(正直に。。正面に俺はどうしたいと思っているんだ)

「深呼吸してみい」
ヤシムンに言われ、ハヤトは深く息を吸って吐いてみた
そして静かに目を閉じた
その数分の間、森は静寂の中にいた

ゆっくり目を開け ハヤトはヤシムン、そしてサヤカに言った
「俺 ゴールドの所まで行ってみる」
「お兄ちゃん 私も。。怖いけど私も一緒に行く」
ヤシムンは黙って聞いていたが、やがて口を開いた
「決心は固いようじゃな。それなら俺も行こうやないか」

ハヤトは自分に何ができるかなんてわからなかったけど、このままいても何も動かないし何よりゴールドが心配だった

「自分に正面に自分を信じて決めたよ」
ハヤトは青い羽を見ながら決心を口にした
「ブルーヘロンも喜ぶじゃろう。成長したな ハヤト」
ヤシムンはハヤトをぎゅっと抱きしめた
「何すんだよ」
ハヤトは慌ててヤシムンを押しのけた
「何じゃ照れとんのか。。いいやないか。俺もこうなんちゅうか嬉しくなってな」
ハヤトは動揺を隠すように声を上げ歩き出した
「いいから。。行こう」

それからハヤトたちは再び鬱蒼とした険しい道なき道を歩き始めた
先頭はこの森を知ってるヤシムンが歩いた
「サヤカは俺の後ろにいろや。。ハヤトは何かあったらすぐ言えや。ええな」
「わかった」
サヤカは小声で返事した
「わかったよ ヤシムン頼む」
ハヤトも答えた
「サヤカ大丈夫か。。」
心配そうにヤシムンが聞いた
「うん 大丈夫。私も自分で決めたから」
「そうか」

ヤシムンは森全体に己のアンテナを張り巡らせて歩いた
(いざいう時は俺がこの2人を守るしかあるまい)
ヤシムンは決意していた

              ♡続く♡

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ヨッシー
私は自分の親との関係が良好でなかった為いろんな経験をしました。その経験を活かしてお母さん、お父さんの子育てのストレスが解放される楽しい時間を、たくさんの子供たちに笑顔を提供していきたいと全国の舞台で朗読劇、楽しいパフォーマンスをやる事を目標にしています。応援よろしくお願いします♡