★《続・読書余論》 小林幸雄著『図説イングランド海軍の歴史』2007年刊・ほか
読むのに時間のかかる「大著」は数多くありますが、これもすごい。いったいこれを書くのにはどれほど手間がかかっただろうかと思います。
日本帝国には「海軍省」がありました。が、帝国海軍が手本にした英国には、海軍省なんてものはなかった。
全地球的に艦隊を動かす軍政・軍令機構は、とうぜんながら、少数のすぐれた計画者が理想主義的に創設できたものとは違っていたのです。ましてその国が、歴史の先頭ランナーであったなら……。
英海軍に「階級」が無かった時代から説き起こし、パクス・ブリタニカを確立するまでの長い物語です。帆船時代の海戦にはどんな制約があったのも、よくわかる。
《旧・読書余論》からは、『銃床製作の控』『東支鉄道の過去及現在』『東京タワー物語』『京都タワー十年の歩み』『改訂 送電工学 現場の手引(1)』……などのコンテンツを附録しています。
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