第三セクターのオプションとして「鉄道サイドカー」を考えたい。

画像1 まず「TekniQ」のユーチューブ動画にご注目。自動二輪車の前輪をパレットの右縁上に載せ、車体はガッチリ固定。後輪だけ、トロッコ軌条の右側レール上で回す。パレットの床下には最小径のミニ鉄輪×4個。これで「バイク動力のトロッコ」が構成され、数名の乗客を低速で運べる。1人の乗客が「パレット+鉄輪」を持ち上げられるくらいに軽いものなので、他のトロッコの邪魔にもならぬ。
画像2 見てのとおり、木板パレットの下には鉄のミニ転輪が4つ。ところで諸君、この転輪のサイズと重量ならば、サイドカーの「側車」から4本の腕を伸ばしても、なんとかなると思わないか? つまり道路上は普通のサイドカーとして走り、鉄路に至るや、「亀の手足」のように4個の鉄輪を側車から展張して、バイク前輪と側車の空気タイヤを挙上保持する。それで、行けるんじゃないか?
画像3 このようなトロッコ軌条は、災害襲来直後の現地だろうと、かんたんに敷設できるだろう。たとえば田舎のJRの赤字線が廃止されたら、沿線住民は、その軌条の上を、こうしたトランスフォーミングマシンで行き来すればいいのではないか。運転士は高校生のバイトでいいだろう。第三セクターのあり方も、ひとつではないはずだ。
画像4 聞くならく、フィリピンはサイドカー天国である。坂がないわけでもないのに、なぜそうなったのかは、知らない。とにかく側車だらけらしい。この写真のように、自転車までもすぐにサイドカー仕立てになってしまう。
画像5 これも自転車+サイドカーだ。それをタクシーにしている。わが国の零細自治体が、福祉タクシーを運行させる予算が尽きたら、こういう車体を走らせれてはどうか? 乗務員は中学生のアルバイトでもいいじゃないか。
画像6 現地工場製の150cc.くらいの自動二輪車に側車を取り付けた、お手軽な輸送マシーン。
画像7 バイク本体と側車をどう接合しているのかと注視すると……。
画像8 なんと建設現場の「棒鋼」を使ってテキトーに結び付けてある。こんなんでいいのかよ!
画像9 比島ではバイクの後輪には必ずといっていいほど補助のサスペンションが追加されている。ちょうど、ベトナムの運搬自転車の前輪フォークに強化ロッドが2本添えられているような感じで……。
画像10 屋根がついていないサイドカーが、ぎゃくに珍しく思える。
画像11 客を乗せるなら、サンシェードとなる天蓋は不可欠だろう。操縦者も、日陰がなかったら客待ちのあいだにバテるはずだ。
画像12 比島では、自動車は右側通行。
画像13 タクシードライバーに有料で車両を貸し出す「仕切り企業」が改造工事させている車体は、見栄えがよい。
画像14 超悪天候のときは、乗客の座席回りが密閉される3輪自動車の方に、需要があるかもしれない。
画像15 オートバイ本体から切り離された側車部分。中空鋼管のひきまわし方が、よくわかる。
画像16 操縦手にだけ日陰天蓋が欲しい場合は、これでいいのか。
画像17 リアカーなみに大きな床面積の側車を見ると、つい、この側車をカンバス製の「舟」構造としておいたなら、洪水が来たときにはバイクをその中に入れることで水没を免れられはしないか――と想像してしまう。
画像18 側車にケージと屋根……。たちまち想像するのは、このレイアウトならウクライナの最前線で、敵のドローンのサーマル暗視カメラをごまかしやすく、サバイバビリティが向上するだろうということ。

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