例のベトナム軍の正式新型自転車を「2018年型」と仮称したい。(「2021年型」の仮称も撤回します。) 11 兵頭二十八 2024年6月25日 15:03 2018年3月14日付け「quankhu2.vn」報道写真。この風景は2018年度の「運輸・船舶専門研修」だという。まず教育部隊に新型自転車(仮称2018年型)を交付し、そこに全国から幹部将校を集め、各地の部隊に取り扱い法を周知せしめる、そのような段取りか? スタンドは木製のように見える。 2020年10月13日付けで公表されたこの写真は、2019年における第575情報旅団の演習の一コマ。第5軍区のこの部隊は「仮称2018年型」自転車をすでに受領しているようだ。後ろから車体を押しているバディは、後部T字支柱を掴まずに、敢えて木竹製のスタンドを握って押しているように見える。 この写真は2020年10月28日付の「qdnd.vn」報道だが、正規軍のすべての輜重輸送ユニットに、まだ「新型=仮称2018年型」自転車が普及してはおらぬことが分かって貴重だ。制式軍用自転車より以前、このような量産車ベースのハンドメイド改造品(?)で間に合わせていたものと見える。 「サイゴン型」の荷棚の吊りチェーンのかけ方が分かる。 ピックアップトラックの荷台から「2018年型」を卸下している。T字支柱の「M字台座金具」には最初からクランプが付属しているようだ。 「2018年型」にもバリエーションがある。なぜか後部T字支柱だけ外さずに残しているのには、理由があるのだろう。支柱基部の結合用のボルト&ナットを、何度も緩めたくはない、なんらかの理由が……。 この班を写した別な1枚には、広い道ならばもう1名が前方T字支柱の右手枝を掴んで押す手伝いも可能なことが示されている。ハンドルと違って、それで直進が妨げられることはないだろう。 このビニール袋の中身はゴミではなく、ホーチミン市民に配給される食料品の詰め合わせ。兵隊たちに偉そうに指図しているように目立っている人物は、活動をPRしたい地区共産党の幹部か。そうでないなら、軍がこんな構図写真の公開を許すとも思えない。2021年9月2日頃。 「サイゴン型」の荷棚の小さな「あおり」がぶらんぶらんになっている。これを簡単に固定できれば、スタンド代わりに使えるような気がする。 配給輸送に出発する時点では、1台に200kgも積んでいるのか? 「サイゴン型」を前正面から見る。ハンドルは、フロントフォーク補強ロッドの左手側から延びている。 トラック荷台に押し込まれるとき、「サイゴン型」の前後のT字支柱は取り外すことができるのかどうか、この写真の奥が暗くて、なんとも言えない。しかし、どの写真もことごとく装着済みの姿ばかりだから、あるいは熔接されているのかもしれない。 左上の自転車と、右下の自転車は、同じ車体だろう。 「2018年型」のバリエーションが一目で分かる写真。 「サイゴン型」の荷棚のクロースアップ。小さな「あおり」が付いているが、これをうまく工夫したら、「スタンド」代わりになるんじゃないか? 奥の「2018年型」には登録ナンバー標のようなものがトップチューブに貼り付けてあるのに、手前の「サイゴン型」にはそれがない。「2018年型」であっても、このナンバー標が貼られてない自転車もあり。 2021年9月初旬のホーチミン市への食料支援活動を撮影した報道写真は、異なった2種類の自転車があることを意識して紹介しようとしている。 自転車部隊が駐屯地から作業地まで自走する必要はない。2018年型自転車も「サイゴン型」スクーターも、中型のトラック荷台にぎっしりと積み重ねて運べるのだ。 この「2018年型」はT字状支柱を前後とも、装着していない。 これは偶然、「2018年型」の後部T字状支柱の取付け箇所を上から俯瞰してくれた一枚だ。2つの小さなビス穴しか見えない。 「サイゴン型」の風変わりなハンドル基部がよく分かる。どうもトラックに積んで運ぶときはこのハンドルは外せるようで、しかもこの写真を見る限り、「左利き」にも対応できそうだと思われる。 「2018年型」の檣状垂直押し棒の上端は、半球状に丸めてあるものと、茶筒のようにフラットに円いものと、二種類ある。「サイゴン型」ではその棒は著しく短く、端面はフラットに円い。 後部T字支柱の取付け箇所には、どうしても雨水が溜まって錆びるのだろう。プッシュバイクとして用いることがわかっているとき、駆動チェーンはクランクギヤから外しておく場合あり。 「サイゴン型」スクーターは、車輪内にスポークとは別に3本の「つっぱり輻」を嵌めてあり、車体全体にかなりの荷重がかかることを想定していることが伝わってくる。 #写真 #自転車 #ベトナム #兵頭二十八 11 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート