「2021年型輸送用自転車(仮称)」のルーツを、さらにたずねる

画像1 機械翻訳いわく、第657連隊のチャン・コック・ホアン中佐が、担架を自転車に固定するロックについて兵隊に説明中。「baoquankhu7」というVietnam語サイトの2020年7月12日の報道写真だ。当初は専用クランプでT字状支柱に担架の担ぎ棒を固定するつもりだったか。薬箱の赤十字マークが弾薬箱に隠れている(わざと?)。檣状の垂直押し棒が無いことに注意。2021年型軍用自転車らしきものが写る最も初期の1枚。
画像2 ベトナム語サイトの2022年6月9日の記事に添えられた写真。どうも2021年型自転車の担架吊下方法が、縮尺模型によって解説されているように見える。新型車はまだ全軍には普及しておらず、運用や整備の須知を教育している過程にあったのだろう。
画像3 この写真が貴重なのは、2021年型軍用自転車の前輪内に、4本の「つっぱり輻」があてがわれていることが明瞭に見えること。ヘッドチューブ前の棒切れは、細いロープで自転車全体を前から牽引するための握把。
画像4 2024年の訓練風景写真。これから徹宵の野営にでも赴くのか、発動発電機まで荷棚に積んでいる。この2021年型自転車の前輪には、スポークを補強する輻は見えない。
画像5 2023年の訓練風景。1台目の自転車に、2人の傷兵(もしくはそれ相当の土嚢)を担架で吊るしている。2台目では、独歩不能患者を自転車に座らせている。3台目は荷物のみ。この部隊はあくまで「輸送部隊」であって、衛生隊ではない。よって赤十字マークはどこにもない。ベトナム軍独特の合理主義であるようだ。
画像6 2023年の輸送隊の訓練模様であるという。2021年型自転車の左右の荷棚は、荷物が空なのに、展張された状態だ。これは「渡渉」前の手順として、搭載されていた弾薬箱を臨時に別の兵隊が肩に担いでいるから。1本棒担架×2本は、まとめてT字状支柱の右手側へひっかけている。押して進む兵隊の車体操縦を、より自由にするためだろう。
画像7 1本の担架棒(ODに着色された竹棒)に、裏が防水加工ののようにも見える薄手な迷彩シートを畳んで巻き付けようとするところ。一本竹棒担架には、プレーンな1枚シートを使うようだ。寝袋ではなく。

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