展覧会の準備~苦心惨憺プロジェクター編~
趣味の形で年に1~2回ほど展覧会を開催すること、早10年。
コロナ禍もあり去年は展示をしていなかったのだが、今年はご縁があり開催できる運びとなった。
普段は平面作品(切り絵やデジタル等)を展示しているが、今回は初めての試みとして映像作品を展示しようと思い立った。ハテどのように展示したらご来場の方に関心を持ってもらえるかと悩むこと少々、プロジェクターで壁に映してみよう!という結論に達した。
とはいえ自宅はスマートハウスではないので、まったくと言っていいほどIoTは進んでいない。そもそもプロジェクターってどう使うの?東京の高層ビルにある会社がプレゼンで使ってるもの?と思っていたけどそれだけではなかった。自宅でホームシアターとしてスマホやタブレットと接続しているお洒落さんもいらっしゃるそうだ。よかったよかった、素人でも操作ができそうで一安心である。
早速、某フリマアプリでプロジェクターを購入。中国製だけど日本語で説明がある。なんとかなるだろうと高をくくっていたら、そうは問屋が卸さなかった。その顛末を書き留めておこう。
まずは私がどのように映像作品を壁面に映すつもりでいたのかというと、『iPhoneまたはノートPCをプロジェクターと接続してギャラリーの壁面に投影する』というものである。
手始めにiPhoneとプロジェクターを接続してみた。ところがLightningケーブルでUSBポートに接続しても、さくっと投影はされないのである。なぜか?
結論を言えばiPhoneを接続する場合はUSB接続ではなくHDMI接続をしなければいけないのである。そしてそのためには「Lightning - Digital AVアダプタ」と「HDMIケーブル」というものが必要なのである。ちなみにアダプタは純正のものの使用が推奨されているがなかなかのお値段がする。なんならプロジェクターより高い。おそらく今後さほど使わないであろうアダプタを買う勇気は出なかったため、iPhoneを接続する案は潰えてしまったのである。
ではノートPCはどうだろう?
あえなくこの案も潰えてしまった。なぜならこちらも「HDMIケーブル」が必要だからである。家にないかと探したのだが、テレビ用のケーブルとプリンター用のケーブルしかなかった。なぜこうも規格が違うケーブルが世の中に溢れかえっているのか。
これではプロジェクターの持ち腐れではないか!と進退窮まったときにひらめいた。
USBポートがあるならUSBフラッシュドライブをそのまま差せば上映可能なのではないか……?とりあえず差してみるぞ……。
全くその通りで問題なく自作動画の上映ができたのである。そもそもUSBフラッシュドライブならばiPhoneやノートPCと比べると持ち運びも容易い。今まで何を苦労していたのか。おそらく事前に「自宅でホームシアターとしてスマホやタブレットと接続しているお洒落さん」のことが頭に入っていたため、プロジェクターは何らかのデバイスと接続するものという固定観念があったように思う。これからは固定観念を破壊する破壊神として生きていきたい所存である。
さてこの苦心惨憺プロジェクターで上映する作品であるが、今月末に大阪・淀屋橋で展示予定だ。お近くの方はぜひご覧いただけると幸いである。
https://twitter.com/nolsolfa/status/1453664168100302853