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秘密のひよこ日記 銀河の遊覧船
ナニコレっ?
お楽しみ
夜空に浮かぶ帆船は音を立てずに空に停泊している。
これどうやって乗るの?
言うがいなや船に吸い込まれた。
これはどうやって動いているの?
帆船の中は豪華客船そのものだが、1つ違うことは動力がかなり大型立体長方形が幾つも組み合わさったモビールのようなものがゆったりと回っている。
彼女はキョロキョロあたりを見回している
目に入るものすべてがはじめてで全部が不思議過ぎるのだろう。
もちろんこの帆船は誰でも乗れるわけではない。切符はお金を出したら買えるという代物ではないのだ。
昨日はとある惑星をドライブしてきた。
ブルーグレーの天体が目前に迫るスーパームーンのようなそんな天体を眺めながらカラカラに乾いた道のない道をジープで突っ走った。
彼女はあの天体なんか文字?模様?なんのマークが書いてあるの?思い出せそうで思い出せないと唸っていた。
それから銀河の帆船にたどり着いた。
やっと乗船できる条件がきたのだ。
わたしこれ大丈夫?
もちろん。
見渡すと全ての乗客はペアだった。
ペアじゃないと乗れない船なのかな?
…かもしれないな
こんな大きな船なのになんの音もしない。なのに中は…なんか魔法使いの船みたいね?
ほんとだな
静かに滑るように帆船は動き出した
地上の煌めきが美しかった。
…わあ…
少したって館内アナウンスが流れ始めた。
それでは地上の煌めきをしばしお楽しみいただけるようにしばらくの間館内の灯りを落とします。
ふっと船内の灯りが消えて暗くなった。
窓から見える地上の灯りを彼女はぼうっと見つめていた。
そんな絶好の機会逃すわけない。
となりに座る彼女に不意打ちで軽く口づけた。
へ?は?みたいに顔してうつむいた。
暗いからわからないけど多分きっと顔が赤いはず。
サラサラした髪を掬ってもう一度
ちょ。人がいるじゃない。バレたらどうす…と言いかけるのを遮る
別に?なんにも困らないけど
はい?
両手で顔を挟んで
自分のことだけみて。とじっと目を見つめる
ぐんぐん帆船は動く。後ろの老夫婦はまあ、素敵。みて街があんなに。と気づいてないふりをしてくれているのかほんとうに気がついていないのか。小さなシールドを貼られているのか。
ありがたいことこの上なし。