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「いいんだよ」、それは優しいだけの毒

二次元という理想の世界像、因果に満ち溢れてその魂を輝かせる人たち。

それがとてもとても大好きで、そんな世界の美しさへの感動や、自分の中にもある、自分だけの「二次元世界」を表現したくて、創作を頑張る人。

オタクって生き方がサイコーに自分の人生だなって思う人。

でもまっすぐすぎてさ、常に100%でなければ、それはゼロでしかない。尊い二次元世界への誠意を見せたことにならない、いつまで経っても自分はゼロだって考えちゃう人。

それは私なのでした。


自信が常に無いんだね。


私なんかは、小さい頃から、「周りの人が当たり前にわかっていることがわからない」なんてことがよくあって、きっと自分は、周りよりも遅れているんだって思いは、小さい頃から順調に育まれていました。

だからさ、「下手ですが」って、予め予防線を貼っておきたくなるんだ。まあ、実際言葉通りナンダケド、さ。

例えばコスプレで、「今回の衣装は、自分なりの工夫が活きて、原作の絶妙なシルエットをいい感じに出せたな~」と思っても、「他の人から見たら、この程度は当たり前で、きっと大したことないんだろう。上には上が、ゴマンといるのだから」と、初めから諦め気分。

だから、正直なとこ、「下手じゃないよ」と言って貰いたい。下手なことを許して貰いたい甘い気持ちはある。でも、自ら選んだ、創作活動っていうよく見ると割とハードな趣味。「よりいいものを創り出せるようになりたい、表現できるようになりたい」って気持ちだって、きっとある。


私は、ある。


でも自信がなくて、頑張ることすら不安で不安で中々上手くいかなくて、進めない自分にまた自信を無くして、それはスパイラル。

だから零れる「下手ですが」の言葉には、こんな言葉を言わなくていいくらい、上手くなりたくてもなれない自分への悔しさがたっぷり詰まってると私は思う。


そんな折の、「下手でもいいんだよ」


ナァ~んかどこ見てっかよくわからない、私を通り越してその後ろの虚空を見てるような目でね、言うよね~。てかおい。下手ゆうな()


それは、じわじわと内側から「自分」を溶かしていく毒。

だってさ、まず「貴方は下手だ」って言っちゃってることに気づいてない。

上手くなりたいが故の、その懸命な思いが見えてない。その人の苦しいほどの熱意を知らず、停滞を提案してることに気づいていない。

なんかテキトーに、優しいカンジの言葉を発して、それでオッケーになっちゃったんだね。

だから、「優しいだけの毒」


じゃあ、なんて言うのが正解なの、って?

きっと、「下手でもいいんだよ」って、「それでも頑張ったことに違いないんだから、そのことに胸を張って」という意味もあるんだろう。

でも、やっぱり、「貴方は下手だ」って意味が含まれている以上、悔しいし、先に進みたいと強く願うこの気持ちを見て欲しい、んだよね。


「私は、凄く頑張ったことが伝わるから下手だなんて思わない。でも自分で現状に満足出来ないのなら、それだけコスプレに対して真剣なんだね。その思いがあるなら、そんなに自分のしたことに対して不安になる必要なんてない」


とか。ちょっと長いか。でもこんなこと言われたら嬉しくて一瞬でその人好きになっちゃうナァ~笑

優しさは、相手をしっかり見ること。何でもかんでも闇雲に「よし」としてしまうことじゃない。それはただの、シコウテイシ。

言葉尻に「いいんだよ」を付けて終わるだけなのは、ここでもう終わりにしよう。

でも結局、自分のことは自分のことでしかなくて、そもそも、数え切れないほどにいる人間の内の一人でしかない他者に、大事な大事な「自分」を委ねるものではないんだね。

自分の世界観と情熱を持ってぶつかっていく、このオタクの趣味の世界であれば尚更。

「下手かどうか」は他人が決めること。

「下手でいいか」は自分が決めること。

次回はそのことについて書きます。

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