不正へと走る組織(2)
ビックモータの不正が最近盛り上がっている。この、会社、掘れば掘るほど色んなものが続々と出てくる。よく、ここまで悪行を重ねてきたな・・・と感心するくらいである。
ビックモータがどんな不正を行ってきたかは他のニュース記事に任せるとして、たぶんこの後も続々とでてくることが予想される。一部には損害保険会社との癒着の噂もある。もし、これが単なる中古車会社の一社に収まらず、中古車業界全体と損害保険業界全体に波及するとなると、更に大きな問題となるかもしれない。
さて、以前にも書きましたが、組織が不正へと走る原因のひとつにノルマ主義があります。
だいたいの組織が
妥当性を欠いたノルマ設定
本来、ノルマの設定すべきでないもの、アンコントローラブルなものにノルマを設定している。
ノルマの目標値が異常に高い。達成不可能な目標を設定している
ノルマ絶対至上主義
ノルマ達成をなによりも最優先している。
ノルマ達成に圧力をかけてくる。
ノルマ未達成の場合のペナルティ
ノルマが未達成だった場合、罰則、降格、減給等など、ペナルティを設定している。これはある意味「恐怖」で人を動かす恐怖政治でもある。
これらがセットになって、不正へと走っている。ビックモーターもこの例に漏れない。
ビックモータの場合はノルマを達成具合、業績によって報酬に大きな差を設けている。これは所謂、「飴とムチ」で人を動かしているのである。
「飴とムチ」も、それもまた「昭和」的である。
だが、もっと冷静に分析してみると何故、そこまでノルマ主義に走るのか・・・について書かれた記事があった。
読んでみるとなるほど・・・と思う。
少子高齢化、人口減少のこの時代に、昭和のような人工増バブルのビジネスモデルを当てはめようとしている。
無理な全国展開。昔の人口増時代のように、店舗を増やせばそれに連れて売上、利益が伸びるという訳ではない。店舗を増やせば増やしたなりに固定資産、経費はかかる。それを上回る売上がないと会社は赤字へ転落する。
そのしわ寄せを「ノルマ」という形で現場に押し付けていたのが最大の原因であろう。
そしてこのビックモータは色々な話を聞くと社風が今だに「昭和」的な感じが受け取れる。
この、昭和の人工増バブルのビジネスモデルを今だに夢見て、やめられない経営者は、まだまだ日本に多いのではないだろうか?
同じように日本全国展開、店舗数を謳って、規模を拡大することにより売上、利益を確保しようとしているような会社は危ない。