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ウィスキー蒸留所見学記

もとい、宝塚のオタクがアクアヴィーテに狂ってついにウィスキー蒸留所見学に行ってしまった記。

※しばらく工場含む見学が全くできなくなっているみたいですね、、2年前の記憶ともらったパンフレットをもとに当時の状況を書いていますのでご了承ください。

コロナが猛威を振るいだす前の2020年1月、京都と大阪の府境あたりにあるサントリー山崎蒸留所に行きました。以前から気になってはいたけど、ウィスキーがテーマのショーを宙組でやる!ということでついに行きました。本当は予習として(?)観劇前に行きたかったけど工場見学は人気で、1か月先の予約まで埋まっていたため年明けに。

工場外観。住宅街を抜けるとドーンと現れる。
入口
雰囲気のある樽!!  洋画好きで絵を描くオタクの友人が「資料に……」と写真を撮り始めた

中は工場のほか「山崎ウィスキー館」というものがあり、資料展示やテイスティングカウンターを自由に見学することができます。予約していた工場見学の時間よりもかなり早く着いてしまったため、先にこちらを見ることにしました。

ウィスキー・ライブラリー。原酒などが種々ずら~っと並ぶ
熟成年数12年
上の黒い酒はシェリー酒を作る樽で熟成させたもの

熟成年数や樽によってこんなに色が違うんだ~~というのがよく分かりました。(写真は分かりにくい。すいません)

この円筒みたいなコーナーに世界のウィスキーが整然と置かれている

世界の5大ウィスキー、アクアヴィーテのおかげですらすら言えますね。スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ。

上2段ボウモア

友人と二人で見学していたら、途中から係の方が「もしよろしければ……」とサントリーウィスキーの歴史などを解説してくれました。2014年頃にやっていた朝ドラ「マッサン」が好きでよく見ていたので、日本にウィスキーをもたらした苦労とか色んな物語があったのを思い出しました。

響1種はこんなにたくさんの種類の原酒をブレンドして作られているらしい。
「山崎」のロゴは「奇」の部分が「寿」らしい

などと色々解説してもらっていると、工場見学の時間になりました。20~30人ほど集まって、最初に製造工程をざっと説明してもらってから工場に移動します。発酵、蒸留もアクアヴィーテのおかげで分かってしまう。

一度外に出ます。あとで見るポットスチルがドーンと置いてある。

まず発酵の部屋。工場を回っている間、部屋の香りが製造段階に応じて変わっていきます。ここは室温が高めで暖かく、すごく熟成した味噌のような香りがしました。発酵液のことを「もろみ」というそう。

発酵槽。床からはちょっとの高さしかないように見えますが、この下に大きな槽がある。

次は蒸留の部屋。ここは寒かったです。ちょっとカビのような、ビールのような香りがしました。蒸留するのに使う大きなラッパみたいな金属の釜は「ポットスチル」。マッサンでこれを一生懸命作ってたな……。

ポットスチルの形は様々で、あまりカーブのないものや、少し膨らんでいるところやくびれたところがあるものなどなど。この形の違いが原酒の味に影響し、たとえば直線的な形のものからはずっしりとした味わい、段差の多いものは雑味がとれて繊細な味わいになるそう。これほど多くのポットスチルを使って様々な味わいの原酒をブレンドさせるのは、世界でも珍しいそうです。この部屋を出たところで、蒸留したばかりの原酒を見せてもらいました。すごくきれいな透明。できたての原酒はアルコール度数70%、テイスティングカウンターで試飲ができるとのこと。手っ取り早く酔いたい人におすすめです、という案内の方の言葉にフフ……と笑ってしまう見学客たち。

最後は樽を熟成させる倉庫。ここも寒かったし暗かったです。この部屋で最初に見せてもらったのがこれ。

右の樽に比べると左の樽は量が減り、色が濃くなっている

そう!! 天使の分け前です!! ウィスキーのような度数の高いお酒は長期間熟成させている間にアルコール分が飛びます。この飛んだ分は天使が持って行ったことにする、ということで「天使の分け前」と言うのだそう。ミステリアスウォーター。なおこれは後に知ったことですが、樽にしみこんでしまった分は「悪魔の取り分」というそうです。

こんな感じのが何列もある

熟成させる樽の材質や年数によっても味わいが変わるそうで、奥深いですね。樽の内側を焦がして作るもの、シェリー酒を作った樽で熟成させるものなどを紹介してもらいました。シェリー酒の樽のやつ気になるな……

見学の最後はウィスキー試飲会。

左からホワイトオーク樽原酒、ワイン樽原酒、山崎、一番右は山崎(お好きな飲み方で)

おいしいハイボールの作り方を教えてもらいました。コツはグラスに氷をいっぱい入れ、ウィスキーを注いだらマドラーで氷を回してしっかり冷やすこと。減った氷を足し、炭酸水を注いだら縦にマドラーをさして混ぜます。試食のおつまみもあって、燻製ナッツが感動的なおいしさでした。

せっかく来たんだし……ということで、ウィスキー館に戻ってテイスティングカウンターでもうちょっと飲んでから帰ることに(すでにほろ酔い気分である)。

このウィスキーのクリスマスツリーみたいなところからとってくれる

山崎のニューメーク(蒸留後すぐのもの)、知多のニューメーク、あと山崎と響を注文しました。

山崎モルト0年なんてここでしか飲めない。アルコール分58%……

山崎のニューメークは、、発酵中のもろみのような香りがして、無色の熟成味噌の汁を飲んでいるような、だいぶ癖が強くて苦戦しました(戦うな)。一方知多はもうほぼ蒸留アルコールみたいな、ウォッカのようなものでした。山崎・モルトウィスキー(麦)と知多・グレーンウィスキー(トウモロコシ)の違いを実感しました。

ショップではウィスキーボンボンや燻製おつまみなどを購入して帰りました。もちろんウィスキーやグラス、他にも樽材を使ったグッズなども売ってました。

気持ちよく酔いが回って安全に電車で帰り、友人と二人うちで鍋をつつきながらアクアヴィーテ鑑賞会をし、というか鍋の準備をしている間にほろ酔いの楽しいアクアヴィーテが終わり、アクアヴィーテについて語り合う鍋会となりました。

振り返ってみると、ここに書いたこと全部「今はできないけど……」と言う心の声を入れてしまいそうで切なくなりました。付き合いの飲み会もなくなって楽、お一人様でも十分楽しめると言いつつ、仲のいい友達と遊びに行って昼から飲んで、夜は鍋つつきながら心ゆくまでおしゃべりするみたいな日々がやっぱり恋しいです。一刻も早く状況が落ち着くことを願います。

今はオンラインツアーがあるそうです。白州の方も見てみようかな。
https://www.suntory.co.jp/factory/distillery/remote/