「ロシアをBWミュージカルに輸入してさらに日本に輸入するとこうなるんだ!」と思ったことまとめ
はじめに
宙組公演「アナスタシア」、幸せでちょっと切なくて好きな人がかっこよくて、今の宙組でみられて嬉しい、最高の公演です。宙組とロシアが大好きで、心待ちにしていました。
そして、タイトルの通り。いかんせん中途半端にロシアの知識があってしまうので、細かすぎて伝わらない面白ポイントがあって楽しいんだけど、舞台の全部を吸収する妨げにもなりうる……
ツイッターで簡単に拡散されて、ほかの人が舞台を観るときに引っ掛かりを作ってしまうのは望むところではないのですが、もしかしてついでに面白がってくれる人がいたらな〜と思って、いったんまとめてnoteに格納することにしました。
物語の本筋に関係ない、ちょっとした呼び名のことばかりになりました。もともとロシアものでなくてもキャラ同士の呼称にこだわりがちなオタクなので。気にせず舞台を楽しみたいという人には非推奨。
あくまで自分が気づいて調べた範囲までです。そもそもBWになくて宝塚で足されたシーンかもしれないし。あと、カタカナ表記はあまり細かく気にしないことにしました。
以下、箇条書き
・ヴラド
劇中で言及されてる正式名称は「ヴラジミール」もしくは「ヴラジーミル」。どっちだったかは忘れた。ロシア語的には「ヴラジーミル」だけど、アニメでは「ヴラジミール」って言ってた。英語に置き換えたらそうなるのはしょうがない、Vladimirってスペルをみたら多分わたしもそう発音したくなる。
ロシア名には決まった愛称があって、ヴラジーミルなら基本的に「ヴォロージャ」と呼ばれる。「ヴラド」は「ヴラジスラフ」の愛称。英語ではここがあまり厳密でないのか、VladimirさんをVladと略すらしいです。
なおこれはトリビアのトリビアですが「ヴラジミール」は「世界征服」、「ヴラジスラフ」は「スラブ征服」という意味。物騒ですね。ウラジオストクは「東方征服」。
・「ディマ?」
「親父は俺のことをそう呼んでた」ってところ。上述のようにディミトリ(ドミトリー)の愛称は基本的に「ディマ」と決まっているので、ロシア人なら分からないはずはない。親しい間柄なら愛称で呼び合うから、最後にアーニャもディマって呼ぶのがときめく ……
アーニャは「アンナ」の愛称なので、グレブがアーニャアーニャ呼んでるのにも思慕を感じてギュッとなる。
・ニッキー
アレクサンドラがニコライ二世のことをニッキーて呼んでた。ニコライの愛称は「コーリャ」。英語名のNicholasやNicolaの愛称がNicky。
・ナナ
英語の幼児語でおばあちゃんのことを「ナナ」って呼ぶのは初めて知った。ロシア語、フランス語でもそう言うのかは調べがつかなかった。あまり一般的ではなさそう。
BW版だったら「愛しのおばあちゃま……」のくだりが「Dear grandma......」「Grandma! She called me nana.」みたいな感じだったりするんだろうか。見たことある人教えてほしい。
・ロマノフ、ロマノワ
「私は大公女、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノフ!」というセリフ。ちょっとロシア文化を知ってる人なら「女性はロマノワじゃないのか!?」と思ってしまうし、ロマノワにすると今度は「ロマノフ家じゃなかった!? 違う名字!?」と混乱してしまう人が出るし、これは難しいところだ……
黒い瞳でもまどかちゃんは「マリア・イワーノヴナ・ミロノフ」と言ってた。神々では「イリナ・フョードロヴナ・ロマノワ、踊ってください」的な台詞があったので宙のオタクはさすが、鋭い……
・ドーブルィ・ヴェーチェル
ネヴァクラブの挨拶。リリー「夜の挨拶のいいところは、残りの人生が減ったってことよね。ロシア人らしい考えだわ」……アメリカ人はロシア人にどんなイメージを持っているんだろう笑 シニカルでちょっと世捨て人的、破滅を好むみたいに思ってるのかな。
・リリー・マレフスキー・マレヴィッチ伯爵夫人
ロシアではリリヤ・マレフスカヤ・マレーヴナさんかな。たとえばロシア人が英語圏に帰化した場合、女性の姓や父称ってどうなってるんだろう……?
・サーヴィチ
悪友ミハイル、コンスタンチン、イーゴリ、そしてサーヴィチという名前が謎。どうやら名字のよう。体育会系か。
・川のイメージ
ネヴァ河ソング大好きです。あの雄大な曲と歌声がよく合っていらっしゃる。この記事のヘッダーはネヴァ川です。
日本人的には川というと、絶えず流れ続ける普遍のもの、人間の力の及ばないもの……無常観……というイメージがある気がする。
「流れるネヴァ河 春は近い」、冬はやっぱり凍結するらしい。川が凍って流れが止まるというイメージが湧かない…… 帝政の冬の時代は終わった、自分たちの力で再び春を、という意味だったらめちゃめちゃ意志が強い。
・あとこれはアニメで面白いなと思ったやつ
おわりに
公演や配役発表当時は、役もそう多くなさそうだし、どうなるんだろう……? と思ってたけど、見所がたくさんあって目が足りない。いろんなところに目を付けてるオタクたちが知識を共有してくれるのも楽しくて、スパシーバザスルーヒ(噂にありがとう)の気持ちでツイッターを見ています。スパシーバザツイッター。ツイッターありがとう。
でもやっぱり噂は噂でしかないので、劇場で自分の目で確かめるに越したことはない。引き続き観劇のマナーを守りつつ、健康でいたいです。