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【映画】スタディオン【YFFFオンラインシアター】
こんばんわ初見です。
この世界にはサッカー映画なるジャンルが存在します。サッカーの試合は90分ですが、映画も同じくらいか、場合によってはもっと長い。90分の自由時間があるときに、サッカーの試合ではなくサッカー映画を見るサッカーファンなんているんですか?
ぼくはその種の人類です。そんな人類のために、ヨコハマ国際フットボール映画祭という、世界中のサッカー映画を集めてきて上映するイベントが存在する。翻訳・字幕も自前でやってたりするのですごい。今回紹介する映画、特に字幕がよかった印象です。
現在、映画祭はコロナであれな状況なんですが、YFFFオンラインシアターなるサイトで視聴することができます。やったぜ。
10作あって、全部見ようとしてます。ここまで7作やったんですけど、note書いたあとに論文書こうとすると文体が狂うので良くない。早く10作やっちゃいましょう。
前回は『ガルーダ19』というU-19インドネシア代表のお話。フィクションです。おすすめ。
今回見たのは、トマーシュ・ハラバセック監督『スタディオン』(チェコ、2018年)です。以下、映画祭公式noteより。
廃墟同然のスタジアムをリフォームしよう!『スタディオン』
🏆YFFFアワード2020 ベストサポーター賞
長年地元のサポーターに親しまれてきたザ・ルジャンカミ・スタジアム。
しかし、ホームクラブが別のスタジアムに引っ越した後はスタンドに木が生えるほどの荒れ放題に。
レジェンド選手の引退試合で、かつての賑わいを再現させたいとサポーターが集まって修復工事をスタートさせた。
予告編の動画貼るようになったんだぜ。ちなみに今までの記事にも貼ってあります。文章もたまに編集してる。
ホームスタジアムの移設後、荒れ放題になっていた旧スタジアムをサポーターたちが整備してレジェンド選手の引退試合をするまでのドキュメンタリー。規模がすごい。
これ8作目ですけど、初めて予備知識ゼロで見た映画です。チェコのサッカーにも詳しくないし、このスタジアムも知らなかった。
舞台となったのは、チェコ1部リーグに所属するFCズブロヨフカ・ブルノというクラブ。もともとはルジャンカミというスタジアムを本拠地としていたけど、2001年にスルブスカというスタジアムに移転し、その後は放置されていたそうです。
詳しいことはわからないけれど、映画のなかでは「政治とビジネスの波に翻弄され荒廃」したとのこと。ドイツ語版のウィキペディアとか翻訳しながら読んだ感じ、クラブ自体も財政難だったし、スタジアムを改修する金もなかったという感じでしょうか。
映画中のサポたちの話にもあったけど、本当は改修したら戻ってこようとしてたけど、政治的・経済的理由で実現しなかったと。これは市長だか議会だか知らないけど、賛成派か反対派かみたいな話でしょうか。
ちなみに移転先のスルブスカも、移転前は前のクラブがいなくなって荒れ果てた状態だったそうです。チェコそういうの多いな。調べてみたら面白いかもね。ぼくはやりませんけど。
スタジアム名とか日本語だとウィキペディア先生に乗ってなくて、映画見返しながら探してたんですけど、埋め込み動画だとスピードコントロールできんのな。普通にブラウザで見るとできないのに。vimeo、普通は逆だろ。謎が多いです。
映画はまあ、そんなにびっくりするような展開とかはない、いい感じのドキュメンタリー。スタジアムが少しずつ復活していくところはワクワクします。
あと、東欧のサポーターの熱さ(物理)が見れるのもおすすめポイントです。おまえらはすぐスタジアムを燃やすな。発煙筒とか花火とかガンガンやって、そこに消防隊が放水するんだけどネズミ花火みたいなの投げ返しちゃう。めちゃめちゃです。
映画内ではここまでのはないけど、サポーターがスタジアムを燃やして遊んでる映像、見たことない人はこちらをどうぞ。試合見えないだろ。
日本にはない文化ですね。もちろん禁止されてるんですけど。過去にレッズが選手出迎えるときにスタジアム前でやって書類送検されてました。
サッカーにおいて発煙筒は必要な文化だ!みたいに主張している人もいた気がしますが、シンプル道路交通法違反です。取り締まったのはクラブやJリーグではなく警察。法律はサッカーのルールの上位にあるのでどうしようもない。
スタジアム内でやるとどうなるのかな?公園なんとか法とか消防法とか引っかかりそう。スタグルも屋内で調理できないくらいだし。まあ燃えるスタジアムはYouTubeで見てゲラゲラ笑ってるくらいがちょうどいい。
話を戻しますけど、古くなったスタジアム、どうなっていくんですかね。サポーターたちがボランティアでスタジアムを生き返らせるのは美談だけど、結局のところ維持をどうするかという元の問題に戻る。それができないから捨てられたわけで。今回のルジャンカミもしばらくはイベントで使ってたけど、その後は上手く行ってる感じないし。
クラブに捨てられなくても建築物には寿命がある。映画でも、草木は刈ればいいけど、朽ち果てたコンクリの座席を改修するのが大変そうだった。安全性とか考えると、常時利用するにはもっとちゃんとやらないといけないだろうし。一般的には50年とか60年とかなのかな。国立がそれくらいでしたよね。1964年の東京五輪のときに作って今回建て直したんで。
日本で大きいスタジアム、特に陸上競技場が建てられるのって国体の開催地になるタイミングだと思うんですけど、国体の開催地が回ってくるのは47年に1回。次に使うときはボロボロです。また建てるしかない。
47年に1回の国体のためには金出せるのに、2週間に1回試合があって毎回1万人集まるJクラブのためには金を出せない。公共性とは。
何も考えずにハコモノ作るのやめようぜって時代に、サッカー界では専スタ求める声が強いけど、今後どうなっていくのか。人口が減る中でサッカーファン全体の数を増やしていけるかにかかっているんでしょうけど。
ちなみにぼくは陸上競技場至上主義者です。
残念でした。
他作品の感想は以下のマガジンにまとめてあります。現時点であと2作。数日後には全作品揃う予定です。