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GLAY第156曲『クロムノワール』(2022)

2022年にリリースされた60thシングル「Only one, Only you」のカップリング。

歌詞は希望的な言葉が並ぶはずなのに、果てしなく絶望的な印象を受ける曲。

"明日はきっと今日より優しい"

"愛ゆえに愛を灯す また一人また一人"

どちらも悲しい意味に聞こえてしまう。

それなのに最後の
"夜の寝息は誰にも優しい"
という言葉だけはそのままの意味に聞こえて
この曲の救いにも聞こえる。

2019年のライブで「Into the Wild」という曲を発表し、GLAYの新境地を開いた。
その時にTAKUROは「Into the Wild」で得た世界観とか音の感触から、次のアルバムはその方向性にしようと思ったという。
しかし2020年春、世界的に新型コロナウイルスが大流行し、アルバムの方向性は大きく変わった。
ライブもできない中で、GLAYが温めた「優しいアルバムにしたい」という思いから、「FRIED GREEN TOMATOES」や「祝祭」、「青春は残酷だ」などを核とした『FREEDOM ONLY』というアルバムが出来た。この時、TAKUROは、したためていたアルバムの構想を一度白紙にして、長い時間の中で自分のアーカイブをひっくり返して見つめ直すことをしたという。

これは、個人的な見解なんだけど、
「クロムノワール」は、コロナ前にTAKUROが考えていた"その方向性"に含まれているものなんじゃないかな。
世界観とか音の感触が、それっぽい、と思うのだ。

でも、コロナによって結果的に"優しいアルバム"ができたわけなんだけど、
「Into the Wild」や「クロムノワール」といった世界観で出来たアルバムの中で聴く「クロムノワール」は、また一味違った聴こえ方がしたんじゃないかな。

というのも、私はこの曲はリリースする時期を少し間違えたんじゃないかなと思ってしまうからだ。
いい曲なんだから、今じゃなかったという感触かな。できればアルバムに持ってきてほしかった...!

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