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2023/07/25 Sparks・アニメ

Sparks

宅労から急いで渋谷へ移動して、スパークスのライブへ。お金がなくてどうしようかなと思ってたのだけど、先日終電を逃して家までとぼとぼと帰っていた時に、そうだスパークスやっぱ行こうかな、と思って、ギリギリ残っていた一般チケットを購入。今思えば、英断だった。
70年代から活動している大ベテランだが、客層は老若男女といった感じで思った以上に幅広い。エドガー監督の『スパークス・ブラザーズ』効果もあるのかもしれない。まあ、自分もその口なのだけれど。

去年のソニマニ以来だけど、スパークスのライブって本当に楽しい。めちゃくちゃマニアってわけじゃないにしろ、ぼちぼちいろんなライブに行ったことはあるのだけれど、意外とスパークスみたいなステージをやるミュージシャンって思いつかない。なんというか、絶妙に中途半端なのだ。これって全然悪い意味じゃなくてね。曲は奇妙なのにキャッチーだし、ショーとして完成度が高いのに堅苦しくはない。エンターテイメントとして100点を狙って、ぴったり100点を出してる感じがする。感覚的な話なんだけど、別に150点のすんげえようなステージだってやろうと思えばいけるそうなところで、あくまでコミカルさをひとつまみしてぴったり100点、その気取らない「ちょうどいい」感こそを良しとしているような、スマートさがあると感じた。アニメで例えるなら、劇場版じゃなくてテレビアニメとしてのあり方を貫いてる感じ。これって、すごく格好いいあり方だと自分は思う。
だって活動期間50年ってレジェンド級のミュージシャンより余裕で先輩だったりするのに、なんか全然そんな感じがしない。「カルト的人気を誇るポップ・デュオ」なんて紹介が今でもぴったりハマってしまう50年選手、なかなかいないと思うんだよ。

キャリアが長いためなかなかきっちり予習もできていなくて、最新アルバムは聞いて来ました! なんて程度だったんだけど、知ってるアンセムもあんまり聴き込んでない昔の曲も、もちろん最新の曲も、どれも全部はちゃめちゃに楽しかった。スパークスの音楽って、とにかくリズムがシンプルなのだ。オペラだとかハードロックだとかテクノだとか、いろんな要素を大胆に取り入れた実験的な方向転換を結構してるんだけど、ビートはいつもすごくシンプル。『This Town Ain't Big Enough For Both Of Us』って結構構成やメロディは奇妙な歌なんだけど、ドラムの8ビートやヴォーカルに追随するキーボードってずっとリズムを複雑にしてなくて、もうすっごいノリやすいし、自分みたいな音楽音痴でもいくらでも手拍子できちゃうような感じの曲ばっかりなんだよね。その上で緩急がキチッとしてるから、曲のリズムの波に乗るのが本当に気持ちいい。それでいて、退屈させないような構成の妙だとか、あとはハイトーンからミドルまでバンバン振って一人で曲に色の濃淡を生み出しちゃうヴォーカルのラッセルが凄まじくて、リズムはシンプルなのに全然飽きさせない。ロンのポップセンスと、ラッセルのヴォーカル力でこの奇妙なパワーバランスが実現してるんだなって改めて感じた。

ギリギリで買ったから席が本当の最後列で天空席もいいとこだったんだけど、そんなのを吹き飛ばすぐらいに良かった。『Bon Voyage』の美しいメロディに自然と満たされて涙がこぼれそうになっちゃったな。後ろだったから座ってのんびり聞いてる人が多かったんだけど、アンセムの『Number 1 In Heaven』で最後列だからいいか! と思わず立ち上がったら周囲でも立ち上がってる人がいて、そのまま『This Town Ain't Big Enough For Both Of Us』が始まるものだから更に立ち上がる人が増えて、終わった時にはみんな自然とスタンディングオベーションをしていた。どんどんボルテージが上がっていくような感覚があって、本当にいい時間だったな。

お金ないって言ってるのに終演後に新譜とTシャツと『スパークス・ブラザーズ』のBD買っちゃった。ライブ見ながら「また映画見たい気がしてきたな~」ってちょうど思ってたから……。

アニメ

すきめが4、フェ~レンザイ4、Helck2,3。

翌日在宅ならHelckも見られるぜ……とは言え見ちゃうとあまりにも遅い。難しいところだ。最近労働がアレで逃避に夜更かしをしてしまうことが結構ある。今日はでかい音楽を聞いてちょっとやっていくかという気持ちになったので、やっていくしかないか。

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