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2022/12/24 休・アニメ(5選)

かつてないぐらい気がついたら訪れていたクリスマス・イブだった気がする。労働と引っ越しに追われていたので……年末という感覚はそれなりにはあるのだが。引越し後なので転入届を出しに役所へ行く。役所がそこそこ遠いので、自転車で30分ほど走る。久々にちょっとした運動ぐらいにはなったかもしれない。ついでに、クリスマスイブなので通り道・自宅周辺のコンビニなどを片っ端から訪れてケーキ販売の下調べをしておく。

満を持して深夜に探しに行く。コンビニを回って在庫があることは確認したのだが、25期限で半額どころか割引が全くない。前住んでいたところは深夜に割引を始めるところが多かったのだが、大学の近くとかそういう深夜に半額ケーキを買いそうなやつが多かったからとかなんとかあるのかもしれない……。25に出てみると大体もう空という印象だったのだが、今年は本気で早起きするか。まあ、帰ってきて更にアニメ見てたら深夜なんすけど……。

アニメ(5選)

後宮13、ぼざろ12、ブルロ12、4ウソ11。

後宮、最終回。いやー良かったな。ヒューマンドラマというと陳腐な響きだけど、ミステリっぽい作りでありつつも死者を弔い生者に寄り添うっていう、そういう人の暖かさみたいなものが柔らかく描かれていた作品なんじゃないかなと思う。「夜伽をしない」とナレーションで強調される烏妃がターチャの手を握りながら夜を明かすのが素晴らしい。二人は王と妃でありながら友人という対等な関係で、そこに男女の営みはないってことですよね。俺がヘテロアンチ気味なのは否定できないかもしれないけど、ともかくこの作品のフラットな姿勢は素晴らしいと俺は思うよ。帝、官職、性別、そういうものを超えて人がただの人として寄り添うことが描かれていたと思う。死んだ妃の父と帝が二人して涙を流すシーンも良かった。

ぼざろ、いやー流石に良かったですね。後宮の後でぐわっと人が増えたからコラ!後宮も見なさい! みたいな気持ちが思わず湧いちゃったけど(後宮が好きなので、許してほしい)アニメさんはそういうオタクのチンケな気持ちを吹き飛ばすぐらいパワフルだった。一貫してライブという今の瞬間をどう生きるのか、ということでぼっちちゃんの変化が描かれていた作品だったよね。

4ウソ、とんでもないアニメだったな……。丁寧に4人の関係値みたいなものを積み重ねて、だからこそ「ウソがバレても友達」というのがクライマックスになるんだけど、その上で全部蹴っ飛ばしてリセットオチにしているのがまたスゴい。なんだろう、コメディをやるぞっていう強い意志というか、簡単にいいだけの話にはしないぞっていう意地っていうか。かっ飛ばしてるんだけど別にもちろん積み重ねまでもがウソになるわけでもないから、なんかマジで絶妙なんですよね。上手く言えない。

おまけ

これへの回答をおたくさんが発表していたのでおれも日記だしせっかくだから残しておこうかなと思います。

<テレビアニメ>
1位:Extreme Hearts
各種スポーツ×アイドルという、それって要素の積載オーバーなんじゃないの!?というような題材を見事にまとめた手腕が凄まじかったです。設定だけみればどうあがいてもイロモノになりそうなのに、終わってみると王道スポ根・アイドルモノに思えてくるのが凄いですね。止め絵を巧みに繋げることで絵のカロリーを抑えながら緊迫感のあるスポーツを表現しつつ、かつアイドルライブでは凝ったカメラワークや演出で抜群に豪華に魅せてくる。山場のシーンだけでなく、日常シーンのコミカルっぷりにも笑顔がこぼれてしまいました。
近未来らしからぬ垢抜けないゼロ年代デザインのブログに笑っていたら最終回でその経験すらも巻き込んでくる視聴体験だとか、葉山陽和さんの絶妙なまでの「いいんだけど売れないアーティスト感」だとか、ちょっとした仕掛けや描写に光るところがとてもたくさんあったアニメです。
今年は絵的にクオリティが高く、リッチなテレビアニメも本当に多かったですが、個人的には『Extreme Hearts』には最も素朴なアニメーションの素晴らしさを感じさせられました。

2位:ちみも
シンプルにまとまったかわいいデザインの「ちみも」が縦横無尽に活躍する様子はアニメーション的な見どころも多く、伸びたり縮んだり、時には合体したり……というユニークなアイデアに満ちた映像には毎週大いに楽しませてもらいました。
日常の「地獄」をあるあるネタ的に取り上げつつ、しかしそんな中で楽しく過ごすた人たちの姿にとても癒やされました。ちみもたちはとてもカワイイのですが、家族の中には酒浸りの次女はづきみたいな人がいたりと、いい具合に鋭さがあるところもこの作品の魅力でした。『PUIPUI モルカー』や『ちいかわ』のメガヒットを見るに、ファンシーで可愛く・ちょっぴり毒のある本作はバカ売れしても不思議ではないと本気で思うのですが、イメージにそぐわないド深夜放送がやはりネックでしょうか。モルカーとのコラボイラストも出てきたので、王者・ちいかわに負けないぐらい商品展開してほしいです。

3位:ヒーラー・ガール
西洋、東洋の医学に続く存在としての音声医学という設定、果たしてうまく料理できるのか、なんて思っていましたが、終わってみれば非常に良いアニメでした。ヒーラーの少女たちの成長譚を明るいタッチで描きつつ、一方で手術のシーンでは医療を題材にすることからの慎重さも感じられ、誠実なアニメだったと思います。
個性的な一人原画回が何度もあったり、音声の治療ながらも大地が割れ・フェニックスが飛ぶ…という派手すぎるぐらいのアニメーションで魅せるヒーラーのシーンなどなど、映像作品として自身にどういう強みがあり、どう戦っていけるのか、ということに熱心に取り組んだ作品であることを感じさせます。

4位:シュート!Goal to the Future
勢いでは今年でも随一の作品でした。1話にして(叫ぶ)声が出る! (目が)光る!迫真のBGM! というヒーロー玩具も驚きのインパクトで、多分に漏れず私もなかなか面食らったものでしたが、気がつくとこのアニメの熱さにいつしか夢中になっているから不思議なものです。夢中になりすぎて、実際に掛川を訪れて茶摘みをしながら「サッカー好きか?」と自問自答する時間を過ごしましたが、それもまた素晴らしい体験でした。原作から受け継いだこのシンプルなメッセージを描くために駆け抜けた、真っ直ぐな作品です。生粋のアニメくんである私が今年W杯に普段よりも興味を持ったのも、このアニメを見て、サッカー好きな気持ちが芽生えたからかもしれません。
クセの強さからかAmazonレビューでは酷評されていますが、私の周囲のアニメファンからは熱烈な支持を受けており、放送時のTLは毎週、熱戦を繰り広げたW杯の日本の試合に負けないぐらいの盛り上がりようでした。

5位:不徳のギルド
2期になりもはや風格のある『ピーター・グリル』に、コミックそのままながらも意外な面白さを見せつける『にょたぼく』、数ある僧侶枠の中でも随一のインモラルさの『はれキャン』などエロアニメが豊作な22冬期ですが、中でも覇を唱えているのはやはりこの『不徳のギルド』ではないでしょうか。コメディアニメとしても鋭いツッコミとバリエーション豊富なエロシチュで笑わせ、かと思えばヨケグモとの戦いは緊迫感あるバトル描写で魅せてくる……総合的なポテンシャルの高さを感じさせます。
監督は『回復術士のやりなおし』を手掛けた朝岡監督ですが、『回復術士』でのねっとりとした王道陵辱のエロからは一転、楽しく見られるエロコメディもここまで上手いとは驚きです。地上波は規制モリモリですが、それを気にさせない面白さと、エロさがあり、エロアニメの新たな夜明けを感じさせてくれました。

<映画>
1位:映画 バクテン!!
TV放送時から非常によくできた作品でしたが、続編のこの劇場版では正当進化と言えるような映像を見せてくれて、非常に感激しました。このアニメは基本的に爽やかでスポーティな作品でしたが、何かしらの苦しみを抱えている人物も多く、東日本大震災の被害を踏まえた企画であることが伺えます。映画では「先輩たちの卒業」というさらなる悲しみを乗り越え・跳躍する少年たちの姿に涙しました。新海監督の「すずめの戸締まり」が震災をストレートに題材にしたことで話題になりましたが、本作の希望を感じさせる素晴らしき跳躍もまた多くの人に見てもらいたいものです。

2位:劇場版 からかい上手の高木さん
将棋題材のラブコメ『それ歩』や、女性の里で不在のはずの男性の影が常にちらつく意欲作『くノ一ツバキ』など、今年も多くの山本先生の作品がアニメになりましたが、代表作である『高木さん』のアニメとしての完結を謳う本作は、その中でもなかなか異質なものだったのではないかと思います。恋愛モノでありつつも、告白そのものを山場に置かずに、ただそこにあるものを噛みしめるような本作は、少年少女たちの時代の終わりを感じさせる寂寥感と共に、シチュエーションラブコメの舞台から抜け出したような感触がありました。限りある子どもたちへの眼差しは『ひなろじ』赤城監督の持ち味だなぁと個人的には感じています。

3位:犬王
アニメ『平家物語』に、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にこの『犬王』と、22年は平家イヤーというぐらい平家が盛り上がりました。本作のロックオペラというのは現代では古典的なジャンルですが、舞台を室町時代にすることで「能に対しての新しいオルタナティブな音楽」という描き方ができたのはアイデアの勝利でしょう。古い音楽を用いることは、平家を歌い継ぐという過去への眼差しのテーマ的にも一貫性がありますし、平家イヤーの中でも独自の平家への向き合い方に成功していたと思います。
嬢王蜂・アヴちゃんの熱演も独特のオーラがあり良かったです。今年は『後宮の烏』OPの「MYSTERIOUS」も話題になりましたが、ぜひ今後も「夏の王、冬の王、犬の王」という感じで、アニメシーンで活躍して欲しいなと期待を寄せています。

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