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2021/06/19(のけもの)

ピロウズチケット一般販売のために10時前に起床、結果はあえなく惨敗。まあ一般は瞬殺だよなあとそれほど落胆もしなかったが、やはり今回のツアーは争奪戦になっているようで、もう一回追加公演をやってくれるらしい。これは本当にありがたい、再現ツアー未だ一度も参加できてなくて、一回ぐらい参加しておきたいな~。

喉に若干の違和感があったりなかったりするが、まあ風邪本調子という感じもなく、どことなく軽い頭痛と普段より少しのダルさがあるか、というぐらいでこのまま治していきたいと思う。
ベッドで横になるだけというのもつまらないので何か漫画でも読むか、と思って先日電子で購入した『のけもの少女同盟』を読む。ちょっと前の作品だけどネタバレ気にせず話をします、念の為。

この作品は現在でもサブジャンルとしてかなり存在感のあるアウトサイダー系とでも言うべき作品群っぽい流れを感じるきららの作品で、ちょっとズレた女子高生たちが保健室に屯しつつ、いい感じにやっていく作品。ズレの中でも主人公の霞の持つ体の弱さの設定は印象的で、巻頭描き下ろしでいきなり死にかけているし、この病弱設定にはかなり存在感があった。そういう前提なのだからまあまあ基本的に読者はその重めの病気のことを念頭において読むことになるのだが、とはいえそんな病気すらも積極的にネタにしていく遠慮のなさもまた魅力だった。死にかけから保健室に移動する流れ多すぎるだろ!
しかし最終巻である2巻の終盤では霞の病気が悪化し、なんと最終的には帰らぬ人となってしまう。霞は実は不治の病を抱えていて、最後に楽しい学生生活を送るためにそれを隠して学校に通っていたのだった。エーーーーーーッ!これは正直かなりショックで、作品の認識が全部ひっくり返ってしまった。思わず再び一から全2巻を読み返したが、冒頭描き下ろしで「健康」が強調されていたりとこの結末ありきの作品なのだろうなと思わせる内容になっており、涙なしには読み返せなかった。
作品内では霞以外もズレていたり今ひとつ馴染めていない連中だらけで、クラスメイトも悪い人ばかりではないのだけれど、あまりにも病弱な霞を気遣うあまりなかなか親しくはなれなかったり(悪いニュアンスではなく、ただどうしても腫れ物を扱うような慎重さと共にある関係になってしまう)と、一歩間違えば霞の短い学校生活は「何もない」まま終わってしまったこともあったのではないだろうかと思わせる。だからこそ、この生活が輝かしく、更にそれによって生まれた何かが今後も受け継がれていくようなものであったのならば、これほど素晴らしいことはないのだろう。

登場人物の死というのは劇薬だ。こういうのはお涙頂戴展開だから思わず泣いてしまう、そういうことだって間違ってはいないとは思う。しかしそれ以上にこの作品の、霞の生きた証としての1年間があまりにも力強く感じられて、感情が溢れてしまう。死んだから悲しいではなく、何をやって死ぬのか、ひいてはそれがどう生きるかということではないか。本作の展開はきららのゆるふわ日常系的なパブリックイメージを踏まえた上でも、この展開は決して逸脱したようなものではなく、登場人物の生きていた日々に真摯に向き合った故の結末だろう、と思える(このパブリックイメージの話何度もする意味ある? って最近は流石に思ってきたけど、インターネット上ではやはりそういう語られ方を、別にネガティブにではないのだけれど、しかし本作もされることもあるようなので……)
「のけもの」という強烈な言葉には社会どころか運命にさえ爪弾きにされたようなこの世の中のどうしようもない厳しさを感じさせる。しかしそれでもなお良き生涯を送ろうと懸命に生きた、桐原霞の主人公としての強さに心打たれた。いやあ、こういう作品もあるんだな……と思った。

異常な納豆推しも味だった。納豆、おいしいよね。今度納豆を泣きながら食べると思う。

今日見たアニメは、スライム30011、ヴィヴィ13、エイティシックス9~11、シャドーハウス11、ダイナ12、ながとろ11、大運動会11、美少年11。

ヴィヴィ最終回。アクションの魅せ方などの画面側のゴージャスっぷりには眼を見張るものがあり素直に良かったが、作品としては歌を題材にしつつもそこ活用できず結局バトルばっかだったよな!とか、AI設定からのSFをうまくやりきったかというとマザーコンピューターの滅ぼし原因だとかそういうロジックを組むのはかなり微妙だったと思っていて、結局雰囲気でいい話っぽい演出で押し切っただけでお話としてはまあまあガタガタだったのでは、と個人的にはけしてあんまり評価できないかな~という作品だった。
逆張り根性みたいになってるの否定は出来ないんだけど、こういう一見見目麗しいアニメが褒められているときほど騙されちゃいかんだろってバランサー的な意識が強く働く(なんで世界のバランサー気取ってるの?)ようで、総合として言うほどダメダメな作品と思っているわけではないんだけど、ちょっとNoと言いたくなっちゃう部分、あるかもしれない。いや仮に上記の作品評が正当だったとしても、騙すことができているっていうのは演出が優れているってことなんだと思うんだけどね。

エイティシックスも最終話。これはお話的にはやりたいことが本当に素直でわかりやすく、故にスロウな歩みだったけど最終的には結構悪くない感触だったなと思う。
いかにも悲劇的でセンセーショナルな演出プランと、1クールで原作1巻消費のスロウな歩みの食い合わせは正直よくなかったよなって思うけれど、レーナが吹っ切れてからは終盤に向けていい具合に盛り上がりがあったし、最終回としても(やっぱ展開スロウだな~とは思うとこあるけど)悪くなかったのではないか。正直なことを言うとクレナちゃんの萌ぶりが終盤凄まじくてそれだけで加点しちゃってるみたいなところ否定できない(萌豚なので……)クレナちゃん死んでたらめっちゃ怒るからな!


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