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2022/06/28 本(写真)・アニメ

本(写真)

とりあえず昨日購入した『ぎんしお少々』の2巻を読んだのだが、改めて纏まって読むと本当に素晴らしく、雑誌で読んでいた時に気がつけなかったことが山ほど浮かび上がって来て、大変感動してしまった。この感動をテキストとして残せないかと考えているので、これに関してはこの日記では一旦置いておく。

で、若鶏にこみ先生が『明るい部屋』15%ぐらいぎんしお少々と仰っているのを知り、作品理解のために逃れられないのではないか、と思ったので、購入も考えたが、ひとまずいつものように図書館にあったので『明るい部屋』(著:ロラン・バルト、訳:花澤 光)を借りてくることにした。わりと薄い本なので1日で読み終わった。今結構借りてる本が溜まってるので素直にありがたい。ちなみに、シャニマスのイベントコミュの元ネタにもなっている。

「写真についての覚書」の副題からもある程度伝わるように、この本は分析であると同時にロランの私小説っぽさを大いに(構成上、多分意図的に)含んでいる。第一部と第二部に分かれており、第一部ではその写真から生み出される自身の感情を呼び起こすものについて、一般的に写真から受け取られる大筋の「ストゥディウム」と、大筋には本来関係ないにも関わらず意外で目を奪われる細部の「プンクトゥム」という2つの写真の持つ要素が提示される。著者が特に写真に惹かれる要素としての「プンクトゥム」に注目しつつも、これは一部のラストで「普遍的でない」とあっさりと前言撤回され、二部へと移る。
続く二部では亡くなった母の写真のエピソードから始まり、多くの母の「似ている」写真に母の本質を見い出せなかったこと、しかし母の子供時代の写真にこそ失われた母の本質を見出したという体験から、改めて写真ということの持つ性質について、先程の「プンクトゥム」という要素もすこし交えつつ、考えを巡らせていく。ここで本の中ではっきりと登場し、2部全体に横たわっている母にまつわるエピソードが非常に私小説的だ。写真の揺るぎない「それはかつてあった(本文で全て強調される)」という性質だとか、それ故の確実性の証明だとか、また過去の時間を切り取ったものであるがゆえにそれそのものが「死」を連想させる(かつてそこにあった過去の死と、それはそうなるだろうという未来の死)だとか、そういう分析が、繰り返しロランに対しては「母の死」を、母の面影を(「似て」いないにもかかわらず)残す母の子供時代の写真によって、想起されることを同時に記している。分析的でありながらも、その分析の内容を自身の感情を拠り所にしていることからも、この本は極めて感情的で内省的でもある。二部構成ということもあり、ロランの母の死ついて語られていくのは劇的であり、そういう意味でも面白く読めた本だった。

写真論に関しては、分析の起点が彼の感情に基づいているということもあり、流石にデジタルが主流となりフィルムすらも時代遅れの産物となってしまった現代においてはそぐわないというか、古めかしさを感じる部分もある(ロランがモノクロ写真至上主義である部分だとか)
しかし撮る側の技術や構図ではなく、徹底して鑑賞者の受け取り方を書くことで紐解かれる写真の持つ特異さ、この本の言葉を借りると「狂気」という部分には非常に面白さを感じる。『ぎんしお少々』の副読本的に読んでみたこの本だが、『ぎんしお少々』が写真の神秘的な魅力を描いていたことからも、この本から考えられることはなかなかありそうだ。気になるところをガーッとメモとか少ししたので、うまいこと脳内でまとめられたら感想記事を書くか~と思っている、まとめられたら、だが……。

アニメ

BRSDF12、BW13。

BRSDF最終回。50年後に時間が飛んで少年の声が大塚明夫になったことには驚いたが、生命の誕生などにも絡んでくる人間の持つ力を「継承」としているが故のこの展開というのには納得感がある。結局スマイリーがデスアクメセックスして子供作ろうとしてたのもそういうところだよね……っていう。大佐はキーパーソンで、家族の話が結構重要なところで語られたのにも納得だ。その上でそういう世代を越えて普遍的なヒーローとして立ち上がってくるのが「ブラック★ロックシューター」で、ブラック★ロックシューター(曲)と共にエンプレスちゃんがどど~んって再登場して締めっていうのは一貫しているものがあり悪くなかったんじゃないかと感じる。この構造以外はまあ結構イマイチなところ多かったアニメだったよねって思うけど……なんかバトルシーンの一歩突き抜けなさとか……マッドマックス意識微妙じゃなかった? みたいなとことか……。

BW、分割ってことで全然締めって感じの話じゃない! ってことでこのアニメについて話すのは1月からの放送が終わってからでいいか。今回は急に百合っぽくなってスッ転げたっていうのと、楽しかった~! っていうだけで十分でしょう。


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