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カット・マイ・ヘアー

近所の1000円散髪屋さんに行くと外まで続く列ができていた。以前営業を休止する前もそれなりに混んでいたが、今はソーシャルディスタンスというやつでどうも待機席を一つずつ空けないといけない事になっているらしく、そのせいで中に待機客が入りきらない。もとより1000円散髪屋さんを訪れる他人同士で会話も発生しないと思うし、そもそも一つ空ける程度にどの程度の意味があるのかはよくわからないが、しかし(言い方は悪いが)たとえポーズであろうと、店としてはそうしないといけないしがらみのようなものがあるのだろうと思うし、実際大変だと思う。
透明な板を顔につけた店員さんの案内で、チケットを購入する前に消毒液を手に塗った。

以前からそれなりに混んでいると言ったが、各々がとっとと終わる1000円散髪屋さんでもそれなりには待ち時間が発生する。とはいえ以前の予約制の散髪屋さんより心理的なハードルは低い。予約の方は「電話で予約をする」→「決められた時間通りに行く」という二重の壁が存在し、それを乗り越えていくには精神的体力が要る。や、みなさんはそれほど億劫でもないかもしれませんが……。
それに比べると時間と精神の余裕がある時にふらっと入って用事を済ませられる1000円散髪屋さんはハードルが低い。今日のようにいい加減に行かないといけないな、と思った日に実行ができる。まあ心理的な枷がないので昨日は行きそびれてしまったのだが……。

帰宅後、買い替えたために不要になった衣装ケースを処分すべく、いくつかにカットして小さくする作業をやる。丸々ごみに出そうと思うと粗大ごみだが、ごみ袋に入る大きさにしてしまえばそれは普通ごみだ。死んだ犬のことを犬ではなく犬だった肉と表現した寄生獣のことをなんとなく思い出す。
粗大ごみを送る時には「電話で受付をする」→「粗大ごみ用のシールを買い求める」とここでも二重の壁が存在する。ならば同じ以下の費用でのこぎりを用意したほうが楽なのでは? と思ったのでAmazonでプラ用ののこぎりを購入した。


この時にレビューをチェックしたのだが「簡単に衣装ケースが分解できた、DIYにも挑戦したくなる」といった内容と「上部取付パーツが邪魔になるので高さのあるものをカットするのは苦労した」という内容があった。後者の例がベニヤ板だったので、イマイチどういうことかわからなかったが前者が衣装ケース斬れたって言ってるんだから大丈夫だろう、ということで購入。実際使ってみると後者の言いたいことが一瞬でわかった。とりあえず唐竹割りのような斬り方をしようとすると、のこぎりの替刃を取り付けているパーツが刃の多くの側面を覆ってしまっているので、こう刃を通していくと最後にどうしても引っかかるようになってしまうのだ。多分これを読んでいる方々は同じようにピンとこないか、あるいは最初のレビューの話で理解ができているので何を言っているんだこいつは、と思われるかもしれない。ここでは単に「百聞は一見にしかず」ということだけ理解していただければ良いと思う。後者の人、阿呆ですまん……。
とはいえ前者の人のちゃんと斬れますよ、というレビューも全く偽りではなく、衣装ケースをぐるりと廻るように切断していくとしっかりと切り刻むことができた。簡単かどうかは微妙なところだと汗だくになりながら思ったが、これに関してはそれこそバターとナイフぐらいの気持ちでいたわたしの落ち度であると思う。いやのこぎりなんだからバターとナイフなわけないじゃんな。前者の人、阿呆ですまん……。ひとまずカットはできたので結果オーライである。DIYはやりたいと思わなかった。

夜にアニメを見る。『神之塔-Tower of God-』#9、完全に面白之塔、萌萌之塔。今期純粋に「何か面白いアニメある?」って聞かれたら多分白猫かこれを挙げる。黒の国の民の如く持たざるものだったホーさんの顛末があまりにもの悲しい。
『プランダラ』#20、完全に面白の撃墜王。2クールかけて築き上げた人物描写がクライマックスを前にして完全に面白い流れを生み出している。この一時間はハイレベルだ。

今日ももやしとパプリカとエリンギと豚レバー(半額)を炒めて夕食とする。野菜、いくらでも食えるので神の食材。人間が農耕とインターネットを生み出してくれてよかったと思う。DJ配信を聞きながら食事とした。
とあるクラブが閉まってしまうので、最後の催しにと連日行われている配信だった。自粛の中でネットを眺めるとライブハウスやクラブは石を投げられているのをそれなりに見かけて、悲しい気持ちになったことがある。こうしたあれこれに関してわたしは何か関わってきたわけでもなく完全に部外者なので全くもって無責任ではあるのだが、いろいろなものに残っていて欲しい、と思わずにいられない。

2020/05/27


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