見出し画像

2023/04/22 映画(グリユニ)・アニメ

映画(グリユニ)

グリッドマンユニバースを……見た!

なんとなく様々な反響を見ていて、どう感じるかわからないなと思っていたのだけれど楽しめてよかった。アニメにどっぷりハマっていたわけではなかったのだけれど、自分もちゃんとSグリ・ゼノンの懐かしい要素が登場すると嬉しく思えるのだな、という感慨がある。そういう意味でも、まさにお祭り映画という雰囲気があった。

お祭り映画故にか、本作はとにかくあらゆる要素がいい方向に転がっていく。TVアニメの頃に存在していたちょっとした心残りは解消され、徹底して万事OKの向きへと転がっていく。
このシリーズが繰り返し描いてきた「限りある命の肯定」もしくは「不自由を愛する」といった、フィクションと現実を対比した上で、「理想のフィクション」から「あるがままの現実」へと回帰していく構造はやはりこの映画にもある。キャラクター大集合のお祭り騒ぎは終わり、それぞれの世界は皆あるべき場所へと帰ってゆく。こうしたテーマとしてのブレない姿勢はありつつも、あまりにもすべてがいい方向へと転がっていくのは、結局どこか痛みを伴わない都合の良さもあるというか、良くも悪くもフィクションの夢想の世界でしかないのでは、と思ってしまった部分もある。例えば『Sonny Boy』では、フィクションめいた世界の漂流を描いたビビッドなアニメーション表現を積み重ねた上で、ラストは面白みのないグレーな現実に回帰して、主人公の失恋という形で幕を閉じる。私はこの痛みの受容こそに、現実を生きる上での力強さが込められているとも思うので、ユニバースが告白の成就によって物語を締めくくるのは、お祭り作品としては当然の嬉しい展開なのだけれど、どこか物足りなさを感じてしまうところもあったりした。
まあとはいえ今回のグリッドマン・ユニバースに関して言えば「歪んだフィクション」から「正しきフィクション」への回帰というステージに移り変わっていたのかもしれないな。フィクションなので万事が上手くいく、そうかもしれない。それもまた、フィクションのパワフルさだ。

さてそれはそうと、本作の美点はむしろ自己言及もされているような、お祭りファンムービー特有の「カオスさ」を認めた上で、更にそれをきっちりとテーマと絡めようとした生真面目さにあるとも思っている。「現実」のラインである演劇の脚本の変遷と重なるように「フィクション」である本作そのもののあり方が移り変わって行き、最終的な着地点を2層で模索していくのはなかなかおもしろいシナリオであった。
この現実とフィクションをふらりふらりと行き来することというのは、特撮作品のアニメ翻訳であるグリッドマンシリーズだからこそのテーマでもあり、実写 - 特撮 - アニメ を行き来するのは映像的な見どころとしても成立していたと思う。グリッドマン登場の段階では特撮オマージュめいた重々しさを感じさせつつ、ダイナレックスの参戦時にはアクロバティックなアニメの演出へと移り変わる……といった緩急が面白かった。後は現実のカオスさに裕太が揺れるシーンの不安定なアニメとか、多分気合の入った表現のところだろうと思う。

特に物語の軸となっていた『SSSS.GRIDMAN』のアフター・補完としても良く、裕太 / 内海 / 六花の三人の人間模様は色々と感じ入るものがあった。裕太にとっての2ヶ月間の空白というのはTVアニメの時間の欠落なのだけれど、それでも彼が真っ直ぐなヒーローとしての心を表現されていたのは、グリッドマンと同化していたTVアニメを踏まえての良い補完だなと思った。特に怪獣バトルには絡まないけれどいい友人ポジの内海や、向こう見ずな裕太を内心心配している六花という面々も、テレビシリーズから続く良さを感じられたのではないかと思う。正直『SSSS.GRIDMAN』放送時は、グリッドマンとしてのあり方だとか、前述の現実とフィクションのテーマだとか、わりと唐突に感じられてしまい今一つノリきれなかった印象もあるのだが、『SSSS.DYNAZENON』を経て、この映画で再構築されたことで、上手く飲み込めたところもあるのではないかなと思う。特にこの3人については、TVアニメを見ていたときよりもずっと好きになれたと感じている。

単品としてはやはりファンムービーとしての性質が強く、二次的な作品としてのポジションから突き抜けるほどのものはなかったかな、とは思う。しかしファンムービーとしての期待にきっちりと答えつつも、改めて現実とフィクションの関わりというテーマを再構築して新たに表現しており、自らの役割を見事に完遂した映画だったのではないだろうか。

あとやっぱり上田麗奈さんがガチで良かったです。Sグリの時は正直上田さんの良さあんまりわかれてなかったんですけど、やっぱいいですね。ひみつばこでも話題出てたのでちゃんと見に行けてよかったです。今のアカネはある意味では神みたいなポジなわけなわけですけれど、上田さんの演技はそういう神秘性を感じさせるところがあって、めちゃくちゃいいな~俺も世界の神と対峙する時は上田さんの声と会話したいもんな~などと思いました。

アニメ

山田4、永久7,8、銀河3、いせにど3。

飲んで帰宅したので途中から。いせにどがドヨルを見事に締める枠になっていて、嬉しい。イカリングを擦りつつもちゃんと意義を持たせる名采配だった。アニメイジング、いい枠だよな……。
外出していたのでブルアカ生放送あんまりちゃんと見られてないんだけど、メイドアリスとバニートキは流石に絶叫。明日余裕があったら見ときます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?