ダンスコンテストへの考察
春は日本もダンスコンテスト花盛り…春休みからGWは様々なダンスコンテストが開催されますね
①4月初旬にUNESCO関連のワールドバレエグランプリ(WBGP)&ワールドダンスグランプリ(WDGP)を、日本国際ダンスアートセンターの人間として、運営に携わりました
海外では何度も行われているこのコンクール…
日本のダンスイベントはスタッフワークなど、世界で見てもかなりきちんとしていますが…
私がこれまで参加した海外のイベントでは、カテゴリーの時間変更が参加者にきちんと伝えられなかったり…
本番で音を間違えられたり…
と色々なアクシデントがありました
だから世界基準が凄いわけでなく、様々な日本製品と同じ様に…
日本のきちんとした運営で開催されることが、世界基準になるであろうと考えていましたが
まずは、海外からの参加者も多かったので、無事故で出来て何よりとして…
しかし、某国の出演者や関係者は、客席やロビーに飲み物を置きっぱなしとか…
スタッフの一人が見つけたのはロビーの床に噛み終えたガムが落ちていたり
もし出場者がガムに引っかかって転んだら?
捻挫して踊れなくなったら?そのダンサーが気の毒なのはもちろん、誰がその責任を負うのか?
もしわざと他のダンサーの足を引っ張る為なら最悪ですが…そうでないと信じた上で
劇場のロビーはゴミ箱ではありませんから!
サッカー選手がピッチで唾を吐いてるのも、嫌悪感がある私(舞台・劇場や道場は神聖な場所と想っています)
球場でゴミを拾う大谷翔平選手のマナーは、彼の野球愛の表れ…(だから彼は野球に愛されているのです)
ロビーも劇場空間
そこを穢す人間がダンサーを名乗るのは…例えどんなに脚が上がろうと、許し難いこと
トイレにも当然ペットボトルやゴミが放置だし、劇場の清掃スタッフからのクレームで、何と便器にコンビニコーヒーの紙コップが(当然流れません)捨てられていたり…
民度の低さでは、済まないレベルなんですよね!
国際イベントだからこそ「郷に入れば郷に従え」だし
日本開催なら日本的マナーは守ってもらうべきで、それが本当の国際的ではないでしょうか?
🔼の写真を見れば、大成功の様に見えますが…国際イベントとして今後も日本で開催するなら…
様々な想定をした準備が必要ですね
4月下旬には同じWBGP&WDGPがモンゴルで行われた様ですが、動画配信などを観ると様子が全く違うというか
社会主義国だからか…
国威を賭けて開催してらいるらしく、クオリティが素晴らしかったです
フィギュアスケートのグランプリシリーズの様な仕組みなので、7月にNYでグランプリファイナルが行われる様ですね
配信を楽しみにしています
②もう一つ関わったのが、毎年GWに開催されるNEXTREAM21ダンスコンテスト
品川の六行会ホールにて、一般財団法人六行会主催事業として、毎年開催されています
元々は私が2002年に企画を六行会に持ち込み、命名もしました
数年間は私がプロデュースしていましたが…
ダンスの内側の人間がトップだと政治的なことを疑われるのも嫌なので、NPO法人魁文舎の花光潤子さんにプロデュースをバトンタッチ
以降は実行委員的立場で関わり続けています
このイベントの受賞者からは、アルビンエイリー舞踊団のエイリーⅡ在籍から映画「グレイテストショーマン」に日本人唯一の出演者・小森悠柵くんや、イスラエルにダンス留学〜帰国後、大活躍のコンテンポラリーダンサー井田亜彩実さんなど…
これまでワールドクラスを含め多くの人材を輩出しています
コロナ禍で2年間お休みがありましたが、今年は20回目の開催
コロナ禍以降の開催では、コンテストはジュニアとキッズのみ
子供達の成長を応援する…という趣旨としてジュニア&キッズのみ、コンテストが継続されています
内容としては、世間の協会系コンテストなどと違い…
リハーサルから照明音響スタッフがついて…観客にダンス作品の素晴らしさを伝える趣旨のコンテストです
出演者も他の出演者の踊りをきちんと観る…というのもこのイベントのスタイルですね
他所の団体のダンスを観るのも、成長の為の経験ですから
以下の写真はコンテスト直後のFacebook投稿です🔽
③NEXTREAM21ダンスコンテストの後に、日本ジャズダンス芸術協会主催のJDAダンスコンクールが開催されました
例年ジュニア・キッズは、両方参加する人達が多いんですよね
そして面白いのが…
NEXTREAMで受賞した子が、JDAで入選せずとか
NEXTREAMで受賞を逃した子が入賞・入選したり
ここら辺は、コンテストがどんなダンスやダンサーを評価するか?の価値観の違いですね
「何を基準にダンスとして評価するか?」がコンクール(その審査員)それぞれ違うので…評価に絶対性は無いということなのです
これはそのまま「ステージダンスの在り方とは?」という問いに通じるもの
絶対的な答えはありません
語学に置き換えると…
フランス語とスペイン語、イタリア語、ポルトガル語をざっくり「ラテン語系」として、スピーチコンテストを開催して
発音とか喋り方だけでなく、パッションを評価するような感じが、NEXTREAM21かもしれません
ボンジュール
ボンジョールノ
や
グラッツェ
グラシアス
と…単語は微妙に違うけど
表情や感情がどれだけ言葉に乗るか?も加味して「伝わる」を評価してるのが、ダンスコンテストとしてのNEXTREAM21だと想っています
昨今のダンスシーンは、スマホサイズのSNSが観る側のメインストリーム
劇場文化の様にしっかり踊り込んで観客に観せる…というより、ネタとしての短いダンスを頻繁に配信して、いかに知ってもらえるか?とベクトルが変わっています
元ネタのK-POPアイドルなどは、その前提で作り込んでいるので…計算された見事さがあります
ステージダンスのダイナミックな動きは、動きが大きい分動画も「引き」で撮影するので…
「寄り」で撮影したダンスとはかなり印象が違いますね
(どう観せるか?という前提が全く違いますから)
演劇とTVドラマが違うのと同じく…
同じダンスでもメディアが違うのだから、別物なのは当然だけど
舞台人としては、いかに生のダンスの素晴らしさを伝えるか?を考える必要があります
観に来てもらわなくては、始まらないし…舞台(LIVE)はエンドユーザーが来るものですからね!
その為にはダンスがもっと身近な存在になることが重要
(既にスマホで振りをコピーしてる人達は別として、一般的に)
先程の「ラテン語系」スピーチコンテストじゃないですが
…そもそも語学は学問、に対して
コミュニケーションは行為です
英語が下手な私でも、ブロークン英語で、20代の頃アメリカ人やイギリス人のダンスチームに振付した経験もあるのですが…それはダンスという共通語があったから
英語「を」話すのと
英語「で」話すのは
似て非なることです
空手や武道、スポーツなどもそのカルチャーが共通語になるから、交流出来ますよね?
コミュニケーションの柱があれば、技芸としての語学が下手でも、ぎりぎり通じたりするので…技術はそこから磨けば良いと想うし
人口減少の日本で、一時的なダンス人口が増えても…長い目で考えると、ダンス文化はもっと生活に近くないと先細ると想うので
「行為としての踊り」を普及したいですね!
日本では習い事ビジネスが主流
それ以前のダンスの在り方が確立されることで、技芸としてのダンスも、もっと注目されるはず
私に出来ることを貫きます!!