世界の見え方を変える方法
学生時代,それはほとんど義務のように映画を見ていた。
週3本。(これはレンタルビデオを含む)
当時はGEOもサブスクもない時代,1本400円近くするレンタルビデオを毎週3本。よって週1,200円,つまり月4,800円≒5,000円=平日のバイト2日分の給料
を費やしていたことになる。
ちょうどその頃,学生の頃,映画を見まくっていた頃,好きな景色がたくさんあった。好きな景色が見れる場所があった。大学から寮への帰り道,帰る時間だから夕方に通るからなのか光の入り方なのか反射の仕方なのかが変な感じのトンネル。四谷で飲んで新宿に移動して飲んで,新宿駅の南口のもはや今となってはどこだったのかも分からない歩道橋の上から無数に見えたテールランプ。
就職したての頃,営業車を運転しながら迷いに迷って坂を登り切ったら景色がパッと開けた高台のそば畑。(アポの時間に間に合わず結局はお叱りを受けた)
ふとした時に,それでも月に2度くらい,そんな景色に出会っていた。
結婚し,子供ができ,映画が見れなくなった。そりゃそうだし,別にそれが嫌だったわけではないんだけれども。。。それがかれこれ15年。
何かそんな景色に出会うこともなくなっていたなぁと。
現在。
とにもかくにも引き込まれてしまう俳優に出会った。
いまや押しも押されぬ河合優美である。
「あんのこと」の予告編だけで虜になってしまった。
もちろん観に行った。
過去の映画も,それこそサブスクで見た。
「かぞかぞ」。出演者もすごい。大九明子もすごいな。NHKもすごいな。と思う。毎週楽しみに,欠かさず見るドラマなんて10年以上ぶりだと思う。
河合優美をきっかけにして,素晴らしい映画,映像に出会えている今日この頃。
今日この頃,すてきな景色に出会うことができている。それはそれは週に1回くらいのペースで。
1時間の通勤路。いつもの道から曲がり忘れて違う道に入ってしまったところで一直線に並んだ電柱が続く道。雨の日も朝の時間も夕方の時間もすてきな景色。
いつもよりも遅くなった帰り道,海沿いの国道。なんだか分からないけど先の方の海岸がきらきらしているのが見える。(遅い時間だから車が少なくて,ちょっとそちらに目を向けることができる)
夏も終わりだから?雲の形も。
たばこ吸うのに外に。いつも見ているはずの月でさえ。
すてきな俳優,すてきな映画,すてきな物語を自分の中に入れると,きっと見えてくるものも変わるんだと思う。世界の見え方が変わる。
そーじゃなくて,言いたかったのは河合優美さん,すてきです。