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わたしって

小さいころから好きな人は一人と決まっていなかった。
それが当たり前のことだと思っていた。

漫画やドラマを見ても恋愛って1:1。でもそれを不思議とは思わなかった。
私はみんな好きだけどねって。そういうパターンもあるんだぁくらいに感じてた。

中学に入って恋バナしたりするようになって、ちょっと違和感を覚えた。
誰が好きだとか聞かれて、複数挙げると本当の恋愛じゃないみたいな雰囲気になる。
『それは本当の好きじゃないんだよ』
とも言われた。
でも、みんなが言うようにその人のことばかり考えてしまうとか、話しただけでドキドキするとか、そういう気持ちは同じなのに。
なんか私違うのかも。
でも、何が違うのかわからない。
なんか違う、そう気づいたのは中学生。
友達の恋バナを聞くことは多くなったけど、自分の好きな人のことは話せなくなった。
怪訝な顔をされるのも、変な空気になるのもなんか嫌だった。
人は人。自分は自分、なんてクールには考えられなかった。
だってまだ中学生。
あの頃の私に教えてあげたい。
あなたはあなたでいいんだよ。
自信持って!
でもその頃の私は、冗談っぽく『好きだよ~』って伝えることは出来ても真剣に告白することは出来なかった。
だって、なんか違うって思うから。否定されそうだから。
モテなかった訳じゃないけど、付き合うことは無かった。
あの人に会うまでは。

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