若者が、Googleではなく、TwitterやInstagramを検索するようになったのはなぜか?
はじめまして。私は、とある田舎に住む十代です。今回は、現代の若者がGoogleではなく、TwitterやInstagramを利用して検索を行う理由について、少しお話させていただこうかと思います。
では、唐突ではありますが、まずは本題から少し横道に逸れてお話をさせてください。
皆さん、飴細工を見たことはありますか? ちょっと想像してみてください。さて、皆さんはその「飴細工」をどのような形で想像したでしょうか。
『飴細工(あめざいく)とは、製菓技術の1つであり、砂糖を熱し、飴状になったものを用いて造形物を作り出すこと、およびその造形物をいう。(引用:wikipedia』
文章で説明すると、こうなるようです。さて、この投稿をご覧の皆さんは、いわいる「ネット検索」でものを調べたことのある方が大半なのではないかと思います。では、試しにGoogleで「飴細工」を画像検索してみてください。どうでしょう。想像の通りかはともかくとして、きっと、かわいらしい飴細工たちが画面いっぱいに現れるのではないでしょうか。さて、この過程を通して、皆さんにも美しいものに視覚効果の力、そしてそれに魅了される気持ちが伝わりましたでしょうか。少しでも伝わりさえすれば、これからお話する本題にも共感していただけるのではないかと思います。
さて、インターネットで調べ物をする際には、今までであればGoogleやYahoo!等の検索エンジンを利用しての検索が一般的と言われていました。しかし昨今の私を含む若い世代は、情報検索の際に検索エンジンを利用するのではなく、TwitterやInstagram等のSNSサービスの投稿検索機能を使い、情報を得ることが多いようです。それは何故でしょう。若者を魅了するSNSの投稿検索機能について、今回は主にInstagramに着目して、少し調べてみました。
【Google検索を使わなくなった理由】
Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」 | TechCrunch Japan http://jp.techcrunch.com/2016/03/03/istagram-genking/
こちらは、3月3〜4日に福岡で開催された「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」という招待制イベントで、初日午後に行われたセッションについてまとめられた記事です。「次のビジネスを仕掛けるなら、Instagramに乗れ!」という議題のこのセッションで、イマドキの若者が何を魅力に感じInstagram(通称・インスタ)を利用するのかについて語られています。こちらの記事でも、若者のInstagramの「検索ツール」としての使い方について触れられています。
「例えばパンケーキ屋のハッシュタグで、その店で何が食べられているのか分かる。ディズニーランドに行きたいとなったとき、混み具合も分かる」。佐藤氏はそもそもこういった検索がTwitterで行われていたと指摘するが、GENKINGさんはInstagramで検索するのだという。
「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。Instagramは検索することで言葉より画像が表示される」。
GENKINGさんは「ネットってリアルじゃない」との感想を述べられていますね。検索エンジンサービスで上位に挙がる検索結果は大抵の場合、SEO対策により企業や個人の意図で上に押し上げられたものです。誰かに作為的に操作された情報は、確かに、若者が求めるリアルな情報とは言えないのかもしれません。では、リアルとはいったい何なのでしょう。そして、言葉より画像が表示されるということの利点は何でしょうか。GENKINGさんはこう仰られています。
GENKINGさんは「昔の若い子の楽しみって買い物やカラオケ、今はセルフィーなんですよ。SNSに写真をアップするのがライフスタイルの1つになっている」と続ける。だから、ビジュアルで個人ユーザーがリアルに使っているモノが分かるのだと。
今の若い子の間ではSNSで写真を載せることそのものがライフスタイルの一つ。つまり、リアルの一部を切り取ってコンテンツ化したものがSNSの投稿だということです。それに加え、ビジュアル――視覚的な情報の持つ力にも着目すべきでしょう。「かわいい」や「格好いい」などの感覚は、一般の人がつらつらと文章で魅力を書き連ねたところで、いまいち伝わらないものです。説明に労力を使い果たすよりも、はじめからものを見せてもらった方がよっぽど楽で、分かりやすく、感性を刺激させられるのではないでしょうか。インスタの場合、その二つを兼ね備えています。視覚的に、一人のイケてるユーザーの今を見ることができるというのが、インスタというサービスが人気を集める理由なのです。
「僕の友だちは雑誌を買わなくなっている。雑誌は作られていてリアルじゃないんですよ。Instagramは好きなモデルの私服を見られたり、すごくリアル。それ(モデルなどのアカウント)を見ることで、『このブランドの新作の鞄がかわいい』と発見できたり、レストランだって新しい情報がケータイで見られる。好きな子をフォローすると、好きな子の情報が全部入る。若い子、間違いなく10代はかわいい子や格好いい子(のアカウント)を探して、Instagramで欲しい洋服を探している」(GENKINGさん)。
そして、かわいい子や格好いい子のリアルな私生活から、視覚的に、リアルタイムに、ダイレクトに買いたい洋服などをチェックできるというのがSNSサービスの利点のようです。近年はすぐさま商品を手に取ることのできるイケイケ都心ガールだけでなく、地方に住む女の子たちもネットショッピングを通して地元にはないブランドの洋服を購入することができます。それに加えてSNSサービスをチェックしていれば、モデルやかわいい一般のユーザーの着ているものと同じ洋服を、誰でも、気軽に購入できるのです。
ネット時代になり見極める力が発達した今の若い子は、作られた情報を嫌う傾向にあります。モデルや一般の子の投稿から私生活をも垣間見ることのできるインスタは、そんな今の若い子たちのネットの利用術に合致したサービスといえます。遠く離れた他者にも視覚的に分かりやすくものの魅力を伝えられるのが、インスタというサービスが選ばれる理由と言っていいでしょう。言葉のいらないコミュニケーションというのは、国際化の激しい昨今の時代背景とも合致しているのかもしれません。