初代を越えられない理由
カップ麺もカップヌードルなどの昭和に発売されたものが今でも人気ですし、袋麺も昭和に発売されたものが今でも人気です。
毎年、数多くの新製品が生まれていますが、その多くは店頭に並ばなくなっています。
徳川家康を超えた将軍もいなかったようですし、ラーメン店や天ぷらの初代店長がいなくなると味が落ちたといわれています。
企業でも創始者を超えたとされる企業人を私は知りません。
アニメや映画、ドラマもなんどもリニューアルされています。映像技術は進歩していますが、最初のものが人気です。
音楽も時代とともにカバーされていますが、最初に発表したグループやシンガーのオリジナルのほうが評価が高く、人気があります。
当時、絶大な人気を得ていた「ビージーズ」がビートルズのカバーアルバムを出しましたが、逆にビートルズのアルバムが再び、ヒットチャートをかけあがっていきました。
ショートショートにおいては、きっと星新一さんを越える方はでてはこないでしょう。新しいジャンルを創始することはたいへん難しいことだからです。ラーメンでいえば、醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメン、とんこつラーメンと並ぶ新たなラーメンを生むようなものです。
なぜ、初代を越えられないのでしょう。
私にもわかりませんが、①という数字が始まり、創始、生まれ出るエネルギーを意味している数字です。最初のものは新鮮で斬新で刺激的なものです。そのあとに似たようなものをだしても二番煎じでしかなく、感動も薄いものになるのでしょう。
であれば、二番煎じという安易なことを狙うのではなく、私たちが創始者になればよいのだと思います。その道は険しく厳しい道だと思いますが、この世界においては「オリジナル」が最も貴重だとされています。偽物の絵画は二束三文の価格と価値しかあたえられません。オリジナルこそが私たちが目指すべきものなのだと思います。
(了)
※画像はmさんの作品です。