で、おんぶバッタはどこいった
11月のとある休日。
家族で夕飯を食べに、近くのレストランへ向かった。
大好きなパン食べ放題のお店で心もお腹も満杯になり、子ども達とぶらぶらしながら帰ろうとすると、息子が足を止めた。
「あ!!バッタや!!」
ほんとだ。おんぶバッタだ。
「もう夏も終わりなのにまだいるんだねぇ。」
としばし皆で観察。
そして、帰ろうと手を差し出すものの、動かない息子。
いや、動かない息子とおんぶバッタ。
…ですよね。
連れて帰りたいよね。
鞄をひっくり返し、なんとか一枚ビニール袋が見つかった。
薄暗くなる中、おんぶバッタをビニール袋に入れて家路を急ぐ。
翌日幼稚園に連れていくのかと思いきや、
「幼稚園へは連れて行かない」とのこと。
聞けば、幼稚園の男子たち、虫が大好きすぎて残酷なことをするそうな。
容易に想像がつく。
私も小さい頃、道路のアリを踏み続けてたな…とぼんやり当時の記憶が蘇る。
「この子、家で飼う!!」と宣言されてしまった。
かくして、11月下旬、おんぶバッタとの生活が始まりました。
ネットでどんな草を食べるのか、どんな環境が適しているのかを調べ、
息子と幼稚園の行き返り餌の葉っぱを探す日々。
アルアル話だが、私のほうが少しずつおんぶバッタに夢中になっていった。
息子が餌さがしに飽きてきた頃からは、私1人で草むらの「良さげな葉」を探しては持って帰った。
そして家族が出かけた静かな家で「はい、ご飯だよ」と言いながら、草をあげ続けた。
そうして11月も終わり、12月へ。
もうちゃんと寒くなっていた。
息子と手を繋いであるいていた時、息子が急に立ち止まった。
「あ!バッタや!!」
うそやん。
もう12月やで。
バッタ無理やろ。
と思いながらも指を指しているところを見ると、
「…ほんまや」
いた。
以前のより一回り小さい茶色いおんぶバッタ。
よくこの寒い中、屋外で生き続けていたな…。
今回は素手で捕まえさせられて、家に連れて帰ってきた。
「ここならもう寒くないね」と息子が話しかけている。
もはや、我が家は『おんぶバッタ保護施設』になりかけているのではないかと思った。
そこからおんぶバッタとの共同生活が始まった。
日々寒くなり少なくなる餌。
必死で探しながら歩く日々。
そして話しかけながら餌をあげる。
そんな穏やかな日が続くこと1ヶ月。
新入りのおんぶバッタがいなくなった。
え。
家の中のどこかにバッタがいるとか怖すぎるから、ほんまにやめてほしい。
安心して寝れやしない。
一通り探し回ったが、結局見つからなかった。
不思議でしかなかったが、子ども達と話し合った結果、
サンタさんについていったことにした。
一方、初代おんぶバッタは長生きをした。
紅白歌合戦で大騒ぎをしている私達のことも知っているし、お正月テレビゲームばかりしている私達のことも。
夜中時々箱の中でジャンプして側面にぶつかり、その音に1人ビビる。
そんな日々が続いた。
そして先週の金曜日。
いつものように駐車場の片隅に生えている葉っぱを持ち帰り、箱に入れようとした私は「は!!」、と声を出してしまった。
昨日まで餌にしがみついていた初代おんぶバッタが、餌の横で倒れている。
慌てて目線の高さをバッタに合わせる私。
まだかろうじて生きていたので、「この家に来てくれてありがとう!いつの日か一緒に遊ぼうね!」ときちんと伝えた。
足が少しぴくんと動いた。
そして今日は日曜日。
以前天に召されたカブトムシの隣に、おんぶバッタのお墓を娘が作ってくれた。
家族で手を合わせ、こうして私達とおんぶバッタの日々は終わった。
短い間だったけれど、一つ屋根の下で過ごした2匹。
冬の寒さから少しは守ることができたのかしら。
で、新入りおんぶバッタはどこいった?
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2020年から本格的に家計について夫と見直しました。
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