【インドの暴動】ヒンドゥー王妃とイスラム王の不倫?
1月25日に公開されたボリウッド映画「パドマーバト(Padmaavat)」をめぐって
インド全土が荒れてるようなので、ちょっと調べてみました。※映画の内容につきネタバレあり
映画は1月25日に公開されたのですが
実は、もともと昨年の12月1日に公開予定だったようです。
この映画の内容はインドの歴史に関するもので、
かつてインド西部のラジャスタン州に存在したヒンズー教のメーワール王朝の王妃パドミニが主人公になっています。
パドミニは絶世の美女と評判だったのですが、その噂を聞きつけた、イスラム教ハルジー王朝のスルタン王が自分のものにすべく、メーワール王朝に侵略開始
パドミニ王妃は自分自身を守るために最終的に焼身自殺してしまうらしいのですが、途中、この侵略者スルタンとのロマンスが描かれているそうで、そうした描写がヒンズー至上主義者らの逆鱗に触れている模様。
(ちなみに製作側は、そんな内容ちゃうわ!と表明してるらしいので、やっぱり観ないとわからない)
昨年の公開予定を前に、ヒンズー至上主義団体が「歴史的に根拠のないこと言ってんじゃねー!」と抗議して、暴動を起こしたので、映画の公開は無期限延期になってました。
実はこの反対派による暴力行為は映画製作中からずっと続いていたようで、
昨年1月には撮影現場が襲撃されて、バーンサリ監督が暴行を受けてます。
普通に事件です。はい。
そして3月にはまた別の撮影現場でも火炎瓶が投げ込まれ、こん棒を装備した20人~30人の暴徒が暴れまわる始末。
こん棒を装備してる人って、ドラクエ以外にもいるんですね。
さらに、こともあろうに、「インド人民党(BJP)」の政治家の1人が
「バーンサリ監督に靴を投げつけたやつには報奨金出すで~」
とFacebookに投稿したんだとか。
ただのヤバイやつやんか。
さすがに野党「国民会議派(INC)」が「暴力行為を扇動してるやんけ!」と、非難したようですが、こんなん日本じゃ逮捕ものじゃないですかね。
さらに、ヒンズー至上主義団体「バーラト・クシャトリヤ・サマジ」は、バーンサリ監督と主演女優のディーピカー・パードゥコーンの殺害にそれぞれ5,000万ルピー(約9,000万円!)の賞金を懸け、ハリヤナ州のインド人民党幹部スラジ・パル・アムも同様に懸賞金1億ルピー(1億8,000万円!)を提示しています。
そう、まさに大航海時代。
ワンピースはどこにありますかね?ゆうて。
一方、こうした過激な(というか狂ってる)上映反対派に対する批判の声も当然高まり、各界著名人が続々と映画公開への支持を表明。
ラジャスタン州、グジャラート州、ハリヤナ州、マディヤプラデシュ州の州政府は州内での映画上映禁止令を出してましたが、これに対しインド最高裁が1月18日にそれらの上映禁止令の差し止めを命じたので、1月25日に全国公開になりました。
これを受け、首都デリー南西郊のハリヤナ州グルガオン(カヨリーナ本拠地)では、ヒンズー至上主義団体「カルニ・セナ」のメンバー数百人が集結。
抗議集会を実施して、バーンサリ監督の写真を燃やしながら
「映画を観たやつは、生きては返しまへんで」
「この映画を上映した映画館は焼き払いますんで」
と表明。
同市でバスが襲撃・放火される被害も出てます。
グジャラート州では、州内の映画館が
「うちはパドマーバトは上映せえへんで!だから、いらんことせんといてや!」
と、宣言してたのに襲撃され、車やバイクに対する焼き討ちなどの被害を受けたそうです。
可愛そうすぎるやろ。
なんもしてへん。
本日26日は祝日ということもあり、少し収まっているようですが、明日からまたどうなるかわからないような危険な事態です。
インド関係者はお気をつけて!!!