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グループワークとからくりサーカス

夏休みが開けて、大学が始まった。

私にとって大学は少々息苦しい空間ではあるが、嫌悪の対象では無い。

息苦しいのは人間に対しての悪感情からであり、大学という教育の場は好きだからだ。

しかし、昨今の教育改革の一環でグループワーク及びグループディスカッションが増えてきた。

私の取っている授業にもグループワークの授業がある。

必修なので避けようがない。悲しいことだ。

内容としては、指定されている特定の地域の雑誌を作ろうというものである。

神奈川県の中の様々な場所が候補としてあり、それをクラスの中でグループごとに調べるのだ。

そしてその条件として少なくとも一度は現地に赴いて実地調査をしろという。

嫌なお題である。人は誰しも出来れば遠出はしたくないと考えている。それも好んで行う旅行などではなく、授業の一環で強制的に行わされる遠出など嫌で仕方ない。

ということはグループのメンバーの住んでいる場所で候補地が絞られるだろう。

しかし万が一全員離れた場所に住んでいたとすればめんどくさい事になる。

と、グループが作られる前に資料を見て感じた。

必修の授業で1年生の同じ学部の人間しかいないつまりは全員が顔くらいは知っている関係ということだ。なんなら親しい人間が多いのでは無いのだろうか。

私のような、大学に入って以降隔絶されている人間はどのグループに入っても爪弾きものである。

そんな憂鬱な気分で教授に呼ばれ、Bグループに選出された。ただの学籍番号順である。

5人グループで男4人女1人という構成であるが、私以外の人達は顔なじみであるようでよく喋っている。

私は自己紹介以降話に入ることができず空を見ていた。

先述したどこに実地調査に行くのかという問題は大学周辺なら苦労しないということで終わったが、おそらくそんな浅はかなことはどのグループも考えていて、取り合いになるだろうということは目に見えているが、それは再来週の楽しみた。

グループ唯一の女性が他の女性に
「グループで女は私一人だけで心細い」
と言っていたが、あなたは他の男性と楽しげに談笑をしていたじゃないか!
週末の演奏会に来てもいいか?と言われていたじゃないか!
時間割トークに花を咲かせていたじゃないか!

私はその間変わることの無いパワーポイントの映されたスクリーンを見ていたんだぞ。

私の方が心細い!そう、私の方が心細いぞ!

誇ることでは無い、が私の方が心細い。

しかし、私とて頑張っている。40分間与えられた会話の時間において挨拶をした後言葉を発していないが、スマホはいじっていない。

コミュニケーションにおける逃げには手を出していない。

しかし、それはそれで逆に怖いな。スマホもいじらず話さずただ動かないスクリーンを40分間見続けている奴。

怖っ!怖え〜!

最悪だ。自分の行動を振り返ると自分の不気味さに気づいてしまった。

とはいえ身内トークみたいな話に口を挟むのもなんだか気が引ける。

ここで会話に混ざれるなら私は4月の時点で友達がいるはずだ。

詰みである。投了するしかない。

しかし雑誌を作るだけなら、仕事をすれば良いのだ。ちゃんと仕事はする!それしかできない。

あちきを見捨てないでおくれやす…よよよ…

と、大学が始まって雲行きが怪しいが、それはそれとして昨日一日限定で藤田和日郎先生のからくりサーカスが全話無料だったので私は全力を振り絞り深夜の12時から朝の8時までぶっ通しでからくりサーカスを読んだ。あんなことはしない方がいい。

8時頃にはスマホのどちらにめくれば次のページに行くのか分からなくてびっくりした。

そこで限界を悟り、寝た。そして12時に起きてまた1時半まで読んだ。

全425話、43巻である。一日で読む量じゃない。その上一日で消化できる面白さじゃない。

面白すぎる。最高すぎる。悔やむべくは私に共感性がない事だ。

徹夜デバフと電子書籍デバフがそれに追随している。

つまりは単行本を集めよう心に誓ったということである。

また今度時間のある時にじっくりと紙をめくって読むことにしよう。

大丈夫、トリコは42巻だったからな。

でも本棚が足りないし部屋の隙間も足りないんだよなー。

まぁおいおい何とかするとしよう。

5畳半が本で囲まれるのはそう遠くない話だろう。

最近は電子ピアノを買ったのでポロポロと弾いている。

この物件楽器禁止なのにベースもピアノもある。ごめんちょ。イヤホンつけてるから許してください。

ずっと通っていたピアノ教室の発表会で連弾する曲が決まったのだ。

私は…「ピアノをまた弾いてね」と言われたんだ。

こんな私にだぞ!!

からくりサーカスの好きなキャラクターのセリフです。かっこよかったな〜。

ちょうどピアノを引いていた私に状況が重なっていたんです。

言葉の重さ深さは全く違うけど、ピアノを弾いて人にそれを褒められて求められる嬉しさは私も知っている。

実体験と重なる発言は否が応でもうるっときてしまう。

ぜひ機会があればからくりサーカス、読んでみてください。

私は、溜まりまくった洗濯物との大格闘に備えて寝ることにします。

また今度!

サムネは手作りの肉じゃが

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