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<小説シリーズ vol.6> 宿命 ~さだめ~

その六 “疲” 

「??何?」
「ちょっと!」
「マジあり得ない、、、!!」
「冗談やめてよぉ!!」


冷静になるため、
真は無意味に独り言を言い続けた。

突然、
棚に置いてあった物、
テーブルにあったビールの空き缶、
壁に掛けてあった写真、

それらが突然
一気に床に倒れて落ちて来た

普通では考えられない
奇怪な現象はその後も真を苦しめた



ある時は、ベットで寝ていた時
その時も、
「あっ!」
「また来た!!」
両足を突然つかまれ、引っ張られる。
真は必死に引きずり込まれないようベットにしがみついた。



ある時は寝ていて、
寝返りをうったとき
顔に感じる感触
明らかに人の髪の毛
そして
真の顔に一定のリズムで掛かる風

 
「まじかよ!」
「これ、目開けたら絶対顔あるじゃん!」
と思いながら数時間


ある時は
寝ていて突然腹を殴られ、
飛び起きたら
数人の男が周りを囲んでいる。
「なんなの?」
「また、透けてるよ」


ある時は
寝苦しいというか
息苦しい、というか、
自分の手を首にもって行くと冷たい手


その瞬間目を開けると
ボサボサの髪をした女の人が
真の首を絞めている。
抵抗しようにも体も声も動かない
だんだん意識が遠のいて逝くのを
真自身も感じながら
気がつくと朝になっていた。


ある時は
「んっ!?」
「やべぇ!」
「地震だ!!」
慌ててベットから飛び降り
避難しようとすると、
揺れているのはベットだけ


あげればきりがない位
その奇怪な現象は続いた


そんな生活が毎日 
1週間以上続いていた時

それまではいつも夜だったのに
昼夜関係なく起き始めて来た。


そしてその頃から
一人の女の子が
真の側を1日中つきまとうようになる。
いなくなったと思うと
いつの間にかすぐ目の前に居たり



仕事から帰って
家の鍵を開け、
ドアノブを握った瞬間、
部屋の中の様子が不思議と見えて来て、
その子が中で待っているのが明らかに分かった。 


そのままコンビニで明るくなるまで時間をつぶし家に
帰った事もある。

数年前に起こった時には
こんな風に
毎日という事は無かったのに


そして真は、
こんな力も出始めた


人はみんな
信じるだろうか「人の心が聞こえる」
って


冗談ではなく、真にはそれが時々聞こえるようにもなり
自分でも何度か気付かれないように
確かめてみたが 
やっぱり聞こえる事と
友人の答えが同じで真は怖くなった


恐ろしい体験が毎日起きるようになってから
2ヶ月? 3ヶ月だろうか?
真の精神状態は 言うまでもなく 崩れようとしていた


それは、
職場の人たちも、真の異常には 気付いていた。


店のオーナーがたまらず真に、
「最近どうしたんだ?」
「なんかあったのか?」
「お前、なんかおかしいぞ!?」


今まで人に話した事がなかった真でも
この時ばかりは...泪が止まらない


真は、
どう思われてもいい
そう思いながら事情を話す。


しかし、
真の思ってた通り
理解はされず、病院を進められただけだった

その3日後


真にはその間の記憶が無い。
何をしてたのか
仕事には行ってたのか
全くの記憶が無くなっていた


あるのは
「4車線の大きな道路」
「歩道橋からの景色」

そして
自分が落ちて行く...景色、

             その七 につづく次回をお楽しみにw


<小説シリーズ vol.1> 宿命 ~さだめ~
<小説シリーズ vol.2> 宿命 ~さだめ~
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<小説シリーズ vol.4> 宿命 ~さだめ~
<小説シリーズ vol.5> 宿命 ~さだめ~

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