<小説シリーズ vol.7> 宿命 ~さだめ~
その七 “君”
「ガシャン!!」
「ガラガラガラ!!」
「ガシッ!!」
「んんっ!?」
「いいよ。出て来て。」
気がついた真の耳に、
一人の女の声
「??」
「真っ暗だ」
真は動く扉のような物を押し開けた。
「うわっ!!まぶしい!!」
突然真の目に強い光が突き刺さる。
あたりを見ても何もない
そして一人の女性が真の目の前に立っている
「なに?」
「ここは?」
「何言ってんの。あなた死んだのよ」
「あんたの星では“賽の河原”って呼んでたっけ?」
「って、そんなのはどうでもいいの」
「私はあなたの担当のソラって言います」
「取りあえず、説明するからまず聞いて。」
「はぁ?」
「!!!っあ!!キミは、、、っ!!」
「ややこしくなるから、まず聞いて!質問は後!」
「はい」
「まず、ごめんなさい」
「事情があって閉じ込めたの。人によっては死んだ自分の姿を見てパニックを起こして暴れる人も居るから」
「あなたの場合は監禁って言うのかしらさせてもらったわ。」
「今から。んんん~あなたの星で言えば、、、今から49日間、あなたにはする事があります」
「始めの7日間は自由。と言うより、自分の気持ちを整理するのに大半の人は使うかな」
「次の2週目は、友人知人との別れに使って。つまり、キレイさっぱり行ける様に整理って所かな」
「その次3週目は、親戚家族、両親との別れに使って」
「次の4週目は、あなたが今まで生きて来た世界(今生)との別れに」
「次の5週目は、あなたの次の生きる世界(来世)の準備期間。この時期にはあなたが次に、どこ(星)へ行くかが決まるから。楽しみに待ってて。」
「次の6週目は、あなたが今まで生きて来た星での記憶の消去になります。この時期過ぎたら何も思い出せないから、今の内よ」
「そして最後の7週目、つまり49日目に“再生”。生まれ変わりって事ね」
「けど、人によっては例外もあるけど、あなたの場合は次に行くから」
「では、ここまででまず何かある??」
「はぁ」
「じゃあ続けるね」
「この49日の間のルールがあります。」
「今のあなたは5次元に居るの」
「だから、あなたが生きてた世界には自由に行けるしどこにでも行ける。ここは時間と言う概念が無いから」
「人、物にも触れる事が出来ます。」
「もちろん、3次元に生きてる人は何も感じないから安心して」
「そして、決して生きている人に気付かれてはいけない。これが第一のルール」
「人間にもまれに能力があって気付く人も居るけど、そう言う人たちからあなたを守るのが、後ろの人達ね」
真が後ろを振り返ると、
男性5人、女性2人が横一列に並んで立っていた
「あなたが過ごす週ごとに、いわゆるサポーターとして付いててくれるから」
「なにか聞きたい事あったらその人に聞いて」
「次に、あなたの後ろに付いてる糸があるでしょ」
真が自分の後ろから糸が出ているのに気付く
その糸は天高く、先が見えないほど長い物だった
「何これ?」
「その糸は、あなたがこれから過ごす内にどんどん短く、太くなって行くのね」
「つまりあなたの次の来世への繋がりってとこかな」
「だから次第に行動の制限が生まれてくるから気をつけて」
「そして第二のルール!」
「その糸は絶対に切らない事。切れない様にする事」
「切れたらどうなるの?」
「切れたらおしまい」
「あなたは4次元の世界で生活する事になります」
「4次元って...なんでおしまいなの?」
「他の次元と違って、4次元の世界は暗い所」
「あなたの世界で言うなれば、悪霊、怨霊、死霊、生霊などの不浄霊、成仏出来ない人たちの世界なの」
「成仏できないから、次に生まれ変わる事も出来なくなってしまうから」
「その糸だけは気をつけてね」
「中には怨み、辛み、思い入れなどが強くて自分から切る人も居るけど、そんな事はしない方かいいわよ。忠告しておくわ」
「この2つのルールを守って49日間過ごしてもらう事になります」
「わかった?」
「話は分かったけど、なんか納得できてない」
「そうよね?」
「突然と言えば突然だしね。」
「じゃあ取りあえず、行ってみれば?」
「どこへ?」
「ど、どこって、あんたの星で人が死んだら決まり事あるでしょう」
「あぁー、葬式か」
「ソウシキ、、、、、葬式!?」
その八につづく、、、、、次回をお楽しみにw
過去の話はこちら
↓
<小説シリーズ vol.1> 宿命 ~さだめ~
前回の話
↓
<小説シリーズ vol.6> 宿命 ~さだめ~
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