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令和2年。スマホは今なおスマートか : Kindle Paperwhiteの意外な優雅さ。

ノマド・プログラマー・ワナビーの1610と申します。

皆さんはお正月に何を買いましたか?

ぼくはKindle Paperwhite(11,980円) を買いました。ミニマリスト携帯Punkt. MP02(45,500円)も買いました。スターウォーズも二回観ました。

財布がつらい。

ちなみに本革の高めの手帳も買ったんですが、思い切りサイズを勘違いしてました(さっき買い直しました)。

つらすぎる。


「スマホがあればいいじゃん」。


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きっかけは、Kindle Paperwhiteを購入したことでした。

これまで敬遠していたのを後悔するほどよかったです、Paperwhite。

お持ちの方はご存知でしょうが説明すると「KindleかAudibleしかできないe-inkリーダー」です。

この「しかできない」ことこそ、Kindle端末がぼくを含む一部の層から敬遠されてきた理由であり、Kindle Paperwhite の最大の魅力でもあります。

「Kindleなんてアプリ版があるんだからiPhoneで読めば十分じゃん」

「十分じゃん」なんて余裕かまして言ってますが、じっさいにはKindle端末よりiPhoneの方が性能的には上だったりもします。つまり、機能のみならず基本の性能においても、スマホは網羅しているのです。

ところが使ってみると「しかできない」ゆえにほかのことに惑わされないという魅力に気付きます。おまけに「電子書籍を読む」ことに特化したこの端末はじつに最高だということに気づきます。

なにしろ、

目は疲れないわ、電池は長持ちするわ、直接本を買えるわ、しかも紙の本より安いわ、お風呂で読めるわ、モノクロ画面はかえって集中できるわ、軽いわ、小さいわ...

「でも俺は紙の質感が好きなんだよね」

という人もいるでしょうし、すごくわかりますが、でもぼくは Kindle Paperwhite という買い物で大袈裟にいうと「考え方」が変わったし、そのことによってiPhoneを断捨離するという行動にも至りました。

それは、「スマートとは何か」についての考え方です。


スマートフォンは本当に(いまでも)スマートなのか?


ぼくはApple製品が大好きです。

Macintoshをはじめ、iPhone、iPad、Apple WatchとAppleの製品には一貫した統一性があります。何かしら迷ったときは、Appleの製品や事業を選んできたし、だいたいにおいてはその選択に満足してきた方です。

そうしたAppleのエコシステムにどっぷり浸かってきた人間がKindle Paperwhite を使うと、iOS版のKindleやApple Booksと比べざるを得ません。

端的に言えば、iOS版電子書籍の方がわかりやすいメリットがあります。よりカラフルだし、タッチの反応もいい。でも何より「メリット」とされやすいのは、「iPhone に入れたらそのまま使える」という点ではないでしょうか?

「iPhoneがあって、無料のiOS版アプリもあるなら、話はそれで終わりだよね。機能ごとに別に端末を持つなんてスマートじゃない。なぜKindle端末を買う必要があるのか」

「端末があればなんでもできる」というのはiPhone=スマホ最大の強み。

いつでも拡張し改変できるコンピュータ=デジタル機器の特徴を携帯電話という依代のもとでカジュアルなインフラとして体現化し、世界を制覇したこのiPhoneという製品は、たしかにひとつの文明です。

なんならデジタル機器のバケモノです。

このバケモノはしばらく強いままだと思うし、このバケモノインフラの中で生きるのもひとつのスタイル、というか当然かつ自然な帰結だと思う。

従来のボタンだらけのガラケーと比べて、それはたしかにスマートだった。


単機能のツール群 < ひとつのiPhone は本当か?


おおよその人が同意するであろうこの数式は、たぶんひとつの正解です。でもKindle Paperwhite に触れて、単機能も悪くないじゃんと思うようになりました。

Kindle Paperwhiteはゴージャスなマシンではありません。e-inkの画面動作はラグがあるし、白黒の画面にしたって、もっとお金をかければiPhoneのようなRetinaディスプレイにもできたでしょう。

でも、電子書籍を楽しむという目的において、価格が許す範囲で「十分条件」を満たした解答を用意したこの商品は「優雅」です。技術的にはとくに革新的でもない、E-inkによるチープな表示すら、「目に優しい」という魅力に転じてしまうところなんて見事です。

iPhoneは電子書籍リーダーではないですが、もし今の「最強オールインワン抱き込み企業」アップルが、「スマートな」リーダーをデザインしたら、こんな優雅さを抱かせたでしょうか?

それくらい、Kindle Paperwhiteはスマートだなと思ったんですね。


スマホ=デジタル機器のバケモノは無敵なのか?


「なんでもこれ一台でできる」というのは、言い換えればあらゆる可能性に備えてつねに過剰なスペックを用意しているわけです。

だからこそ多種多様な使用スタイルに対応できるし、多種多様を内包することでインフラとしてより強固で絶対的な力を持つわけですが、この「たった一人の万能の高級秘書」を常に連れ歩くというのも、はたして見た目の「スマートさ」ほどに賢い選択と言えるのでしょうか。

品質はいいでしょう。

でもそこまでの品質は求めていないことも往々にしてあるし、ときには品質の高さより優先したいことだってある。使いもしない、求めもしないものの準備のために、勝手に先回りしてすこしずつ大袈裟で複雑になっていく、なっていかざるを得ないスマートフォンという名前のデバイスに、ぼくはすこしだけ疑問を抱きました。

電子書籍を読む人は電子書籍リーダーを持てばいいし、写真を撮る人はデジタルカメラを使えばいい。興味ないなら買わないし、飽きたら売ればいい。

必要なデバイスを必要なときだけ用意するスタイルはどうなのだろうか。そっちの方が、じつはスマートだったり、もしくはスマートじゃないにしても、心は自由なのではないか。

「いつでもどこでもネットなんて出来なくていい」

「携帯電話で最高画質の写真を取りたいと思わない」

そう思ったので、ぼくは10年ぶりにiPhoneをやめることにしました。


アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、
無重力状態ではボールペンで文字を書くことができないのを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない!
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果、ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!! 一方、ソ連は鉛筆を使った。

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